EとDでは大違い、いや胸のサイズではないよ、痛い目に遭った鋼鉄のダンジョン攻略隊
ローグライクのときの装備のままでDクラスのダンジョンに挑戦しますが...
桜「Eクラスのダンジョンは消費アイテムさえ豊富にあれば楽勝だね。」
翼「この調子でと思ってDに挑むとだいたい壁にぶち当たる。」
紬「ゲームでイヤというほど思い知らされてきた。」
桜「Eクラスの敵は集団で近接攻撃の特攻隊ばかり。」
翼「属性魔法ロールを投げ続ければ簡単に殲滅できる。」
紬「ということは、Dクラスでは遠隔攻撃も飛んでくる。」
桜「属性魔法はこの加護のローブで半減できるけど、シューターは痛い。」
翼「矢の雨はイヤだよう。」
紬「魔法でシールドを張れないかな。」
桜「マンソンジュに相談に行こうか。」
スタッフ「マンソンジュへようこそ。」
紬「相談があります。シューターの攻撃から守る魔法のシールドはありますか?」
スタッフ「中級魔法でありますよ。LV20から使えるようになります。」
桜「中級魔法は属性攻撃のもあるの?」
スタッフ「はい、強度がアップした範囲攻撃になります。」
翼「バフやデバフは?」
スタッフ「いろいろあります。すべてLV20以上でジョブ限定になりますが。」
桜「バフとデバフが使えるジョブは?」
スタッフ「魔法剣士です。」
翼「ジョブと魔法の関係について詳しく知りたい。」
スタッフ「初級魔法は適性さえ合えばLV10からどなたでも使えます。中級魔法はLV20からで、範囲治癒と範囲攻撃は賢者が使えます。中級パーティには必須のメンバーですね。ヘイトを集めるプロヴォークと自動HP回復のリジェネレートはパラディン専用です。これもパーティに必須の盾役です。魔法剣士は武器に属性付与するアトリビュートと毒、麻痺、眠り、混乱、物理と属性への耐性低下、いろいろ嫌がらせができます。」
紬「習得ロールはお高いんでしょうね?」
スタッフ「中級の習得ロールは最低でも5000ゴールド、最高で20000ゴールドです。」
紬「わかりました。うちらはまだLV18なので、LV20になってからまた来ます。」
桜「とりあえずLV20を目指すとなると、Eをもう1回やるか、Dをちょこっと覗いてみるか...」
翼「少し痛い目を見るかもしれないけどDにチャレンジしよう。」
紬「私、早口でヒール唱えながらポーションも投げる。」
桜「ジョブチェンジの方向性は決まったね。私が魔法剣士、翼がパラディン、紬が賢者。」
翼「持ってきた25000ゴールド、あっという間に溶けるね。」
紬「これからさらに装備もアップグレードしなきゃだし。」
桜「次のDクラスダンジョンで危なくなったら惜しまず催涙グレネードを投げよう。」
受付嬢「いらっしゃい。クエスト受注ですか?」
桜「はい、Dクラスをお願いします。」
受付嬢「登録料は50ゴールドです。」
翼「Eの倍以上になるんですね。」
受付嬢「はい、営利企業ですから。」
紬「ちなみにですけど、Cになると...」
受付嬢「200ゴールドです。」
Dクラスのダンジョンに入ると、思った通り敵は遠隔攻撃を仕掛けてきた。範囲回復ができないので、紬はヒールを唱えながらポーションを投げ続けた。回復はなされるが、被弾すると負傷して痛い。死にはしないが痛いのは辛い。最初に遭遇した10体を倒したところで撤退することにした。
桜「うー、回復はするけれど痛い。」
翼「盾がボロボロだよ。」
紬「倒した敵の数が少ないからドロップ素材も少ない。」
桜「レベルも1上がって19になっただけ。」
翼「Dに挑戦したのは失敗だったね。」
桜「頭を守る防具を着けないとヤバい。今回は偶然大丈夫だったけど、脳天を直撃されたら即死だよ。」
受付嬢「無事ご帰還おめでとうございます。」
桜「そんなに無事でもないんだけど、死んではいないかな。」
翼「鑑定お願いします。」
受付嬢「はい、お待ちを …… 全部で850ゴールドです。」
空しい徒労感を引きずりながら3人はコンカフェへ向かった。飲んで癒やされないとこの気持ちは収まらない。17歳の女子高生なのに社畜のような気分になるなんて、異世界はなんて過酷なのだろう。
エラ「いらっしゃい、JKトリオさん。」
桜「こんにちは。まだ日が沈む前から来ちゃいました。」
エラ「席はたくさん空いてるわよ。どうぞ入って。」
エミリー「良く来たな。まあ座れ。」
桜&翼&紬「....はい....」
エミリー「なんだ、しけた面してんな。まあ飲め。おごりではないがな。」
桜「あのー、ここのスタッフさんですか?」
エミリー「ああ、エミリーだ。ずいぶん前からここに居座ってる。スタッフと言えるかは微妙だが。」
翼「接客なさるんですよね?」
エミリー「気が向いたときだけな。弱っちそうなやつが来たら気合いを入れたり、店がつまらないときはソロで狩りに行ったり。」
紬「さすがアメリカン、フリーダム大好きなんですね。」
エミリー「当然だ。人間に生まれたからは自由に生きる。当然の権利だ。」
桜「私たちも自由を満喫したいのはやまやまなんですが...ちょっと挫折を感じまして。」
エミリー「挫折か?好物だ、話してみろ。」
翼「ダンジョンのEクラスは楽勝だったのですが、Dで躓きました。」
エミリー「あー、あれか?撃たれまくったか?」
紬「痛かったです。」
エミリー「あんなもんはな、撃たれる前に撃ち殺せばノープロブレムだ。」
桜「銃ですか?」
エミリー「ああ、ダンジョンで稼いで鍛冶屋でいろいろ作らせたからな。ワンマンアーミーだ。」
翼「すごい...」
エミリー「私は特別だから真似はできないがな。ダンジョン攻略なら、ギルドの隣にあるアーベントイアーっていう酒場にたくさん冒険者がたむろしてるから、酒でもおごって相談してみたらどうだ?」
RPGでよくある挫折ですね。装備を調えるお金がない。敵を倒すレベルが足りない。ジリ貧です。さあどうする、鋼鉄のダンジョン攻略隊?




