全階層の雑魚を殲滅できた、残るはボス...なんだけど
ようやく異世界編が終わりそうな雰囲気ですが
3人は道具屋パキスタンに寄ってMP回復薬を20本購入して宿へ戻った。残金は1200ゴールドになっていた。
桜「明日ボスを倒すのは無理そうだね。」
翼「マスターゴブリンの部隊をどのくらい倒せるのかわからないし。」
紬「マスターゴブリンを全滅させられたら翌日にチャレンジしようよ。たぶんドロップは8000ぐらいもらえると思う。」
桜「ボスも当然パーティだよね。」
翼「ロールで周囲の雑魚を減らすのが肝心かな。」
紬「酒場の料理、美味しいけど材料が不明。」
桜「気にし始めると栄養補給ができなくなるから気にしない。」
翼「ダンジョンはいろいろあるらしいので、鳥、豚、牛に相当する肉をドロップするところもあるんじゃない?」
紬「そういえばこの町の周辺は森ばかりで農地が見られないから、野菜や穀類もダンジョンのドロップだったりして。」
桜「あ、そういうアニメあった。」
受付嬢「おはようございます。きょうも頑張ってくださいね。」
桜「おはようございます。素材、楽しみにしていてくださいね。」
翼「ちゃちゃっと片付けてきますよ。」
3人はダンジョンに入って無印ゴブリンの小隊を5つ、ロールを使わず簡単に駆逐してドロップ素材を回収し、ホブゴブリンの階へ進んだ。レベルは5に上がった。次の階でも桜と翼がそれぞれ1回だけ使い切りロールを試し撃ちしてその殲滅力に満足しながらホブゴブリン小隊を5つ、瞬く間に殲滅した。3人のレベルは11に上がり、ドロップ素材を回収して階段を守るガーディアンに対峙した。相手は5体のマスターゴブリン。構成はタンクが2体、キャスターとシューター、最後尾にヒーラーだった。3人は惜しまずロールを投げ、まず厄介なキャスターとシューターを倒した。軽微な被弾はあったが紬のヒールですぐに治癒され、桜が敵の後方へ跳躍してヒーラーを惨殺した。タンク2体を相手する翼には斬撃とバッシュが叩き込まれたが、紬はヒールで回復しつつ光と闇の攻撃魔法で援護し、ついに敵はタンク1体となった。ヒーラーの治癒を得られない敵タンクを前と後ろから翼と桜が攻撃し、戦闘はわりとあっけなく終わった。3人はレベルアップしてLV12になり、HPとMPが回復した。
桜「よし、この調子で行こう!」
翼「攻撃魔法のロールはまだ17本残ってる。」
紬「みんなそんなものかな。」
桜「ボス戦前に10本以上残っていたら挑もうか?」
3人はガーディアンのドロップ素材を回収して階段を上り、未踏の第3階層へ進んだ。ここは5~7体のマスターゴブリンのパーティが徘徊しており、戦闘はそれほど楽ではなかったが、倒すたびにレベルが上がった。桜と翼はMP消費の物理必殺技が使えるようになった。この階層の雑魚パーティを5つ殲滅してレベルは20になった。残るはボスのパーティだけだ。ロールはそれぞれまだ10本以上残っている。
桜「行こうか?」
翼「いや、ダメだよ。ここで全滅したらゲームオーバーで女神様が大笑いだ。」
紬「全階層の雑魚を倒して回収したドロップ素材を売って、ガチガチに装備を固めてから挑もう。」
桜「よし、それでは撤退だ。今回は、ボス戦前にLV20に到達することが確認できた。」
受付嬢「無事のご帰還、おめでとうございます。」
桜「さすがに第3階層は少し手こずった。」
翼「ヒーラーなしだとジリ貧で詰む相手だったよ。」
紬「ボスを除く全階層の敵のドロップ素材、鑑定してね。」
受付嬢「お待ちを ………… すばらしい。11000ゴールドです。」
3人は武器屋モデストへ赴き、桜と翼の攻撃武器を新調した。それまで使っていたものは1/4の値段で引き取ってもらえた。6000ゴールドを支払い、残りは5000ゴールド。魔法屋マンソンジュでロールを補充し、道具屋で薬剤を買い込んだ。手持ち資金は3000ゴールドになった。
桜「全滅したら資金はどうなるのかな?」
翼「ドラクエだと半分になった。」
紬「銀行に預ければ大丈夫。」
桜「明日、ダンジョンに入る前に銀行に預けよう。」
翼「たしかギルドの受付の隣に出張所があったよ。」
翌日、3人は3000ゴールドを銀行に預けてからダンジョンに入った。慣れたルーティン戦術で一気に第3階層のボス前まで到達する。
桜「いよいよこの扉の向こうにボスがいるんだね。」
翼「ガチガチに固めた装備でLV20。」
紬「よし、ヒールは任せろ。」
扉を開けた。敵の数が想定以上に多い。最奥にゴブリンキング。その両脇に高位聖職者。次の列にキャスター2体とシューター2体。近接アタッカーが2体とタンクが2体。全部で11体もいる。
桜「ヤバいかも...」
翼「ともかくロールを投げまくって敵の数を減らすんだ!」
紬「くっ...ロールを投げてヒール...忙しい。」
戦闘は長続きしなかった。3対11、数の暴力だけではなくそれぞれの個体が強い。キングの両脇を固める高位キャスターの全体魔法は紬のヒールだけでは防ぎきれなかった。3人の意識は暗転し、強制転移が発動した。
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女神「やったー!おい、見たか、おまえら。あいつら負けてゲームオーバーだ。ざまあねえな。」
青水「女神よ...そこで大喜びとか...引くわ。」
翡翠「女神様....本当に性格が悪かったのですね...」
女神「3人で11体のパーティに挑むなんて....くっくっく....勝てるわけないんだよ。あれは5人以上のガチガチに装備を固めたLV20のパーティでようやく勝率50%なんだ。そもそも勝てないんだよ。はっはっは、思い知ったか!」
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桜「いててて...」
翼「ボロボロだよ...」
紬「かろうじて装備は残ったけど...消費アイテムは消失。」
桜「ダメージは残った...痛い。」
翼「ヒールしてよ、紬。」
紬「初期化されてLV1だから無理...」
桜「きょう土曜日だよな?」
翼「この状態で1週間が始まるのか...」
紬「それより...親になんて言い訳しよう?」
桜「シャワーを浴びて着替えても傷は隠せない。」
翼「しかも3人一緒...」
紬「親同士はつながってる...」
桜「仕方がない。口裏合わせの嘘を考えよう。」
翼「ダメージが少ない嘘は...」
紬「喧嘩になってボコられた。」
桜「相手はどう設定するんだよ。警察とかの話にならないようにしないと。」
翼「負けるのが恥ずかしい相手に負けて敗走したことにしよう。」
紬「それなら女子中学生3人組かな。因縁付けられて河川敷に連れ込まれカツアゲにあった。」
桜「中坊にカツアゲされるわけにはいかないと応戦したが相手はヤンキー。」
翼「ボコられながら隙を見つけて逃げた。」
紬「本気になれば勝てたけど中坊を本気でボコるわけにはいかなかった。」
桜「よし、完璧!」
まさかの全滅ゲームオーバー。女神様、ホントに性格が悪いですね。なんでこんな意地悪するんでしょう...あ、そうか、JKトリオがビッグスターのサインをもらったからか。嫉妬なんですね、ひどい。




