けっこう強くなったけど、冷静に安全を確保しながら進むハートはダイヤモンド旅団
RPGの中盤で調子に乗るころですね。まあローグライクなので、戻れば初期値になりますが、戦闘の立ち回りが上手くなっているので殲滅力が上がります。
翌朝、JKトリオの士気は高まっていた。前日も酒場で気炎を上げ、先輩パーティと交流もして冒険者としての自覚も固まってきたからだ。
桜「きょうはホブゴブリンまで行くよ。」
翼「できればLV10まで行きたいところだけど...」
紬「無茶をするとゲームオーバーでクソ女神が手を叩きながらバカ笑いする。」
桜「うちらの尊厳を賭けた戦いだ。」
翼「港区JKを舐めるなよ!」
紬「この手はもう十分に血で汚れている。」
桜「失うものはもう何もない。」
翼「お嬢様?ふん、そんなものは豚に食わせろ!」
紬「うちら...まだ鋼鉄になっていないくず鉄の乙女パーティだけど...」
桜「ハートはダイヤモンドなんだよ!」
受付嬢「おはようございます...あら?なんかオーラが...」
桜「ダイヤモンドの乙女隊です。きょうは次の階層まで行きます。」
翼「ホブゴブリンの心臓もたくさん持ってきますよ。」
紬「見てください、このメイス。ゴブリンの血に飢えてますよ...ふふふ。」
ダンジョンに突入した一行は瞬く間に次々と5つのゴブリン部隊を殲滅してレベルが5まで上がった。最初の階層で敵のポップが途絶え、死体パーツと装備品やアイテムはすべて回収された。上の階層に行くにはガーディアンを倒さなければならないが、5体のホブゴブリンの番兵はLV5の桜たちの敵ではなかった。
桜「ホブゴブリンとふつうのゴブリンの違いがわからない。」
翼「耳が白いぐらいかな。強さの違いはホントにわからなかった。」
紬「ゴブリンはメイスで1発、ホブゴブリンは2発で沈む感じかな。」
桜「では次の階層に進もうか。」
次の階層のホブゴブリンたちは、LV5になって基礎能力が上がっただけではなく、これまでの戦闘で戦いの動き方を知ったJK旅団の敵ではなかった。次々に現れる軍団は、カッターナイフで切り裂かれる紙のように簡単に倒され、無印ゴブリンよりかなりマシなものをドロップして絶命した。
桜「ふう、レベルが上がりまくるね、ここ。」
翼「LV11になった。少し食らったくらいじゃ痛くない。」
紬「ヒールの出番がなかったよ。殴り僧侶の紬になった。」
桜「上層階への階段を守るガーディアン、マスターゴブリン5体を倒してから撤収しようか?」
翼「ジョブを持ったパーティ構成の部隊だね。」
紬「うちらより2体多いよ。たぶんキャスターとシューターがいる。」
桜「戦闘中に遠隔攻撃を食らうとまずいか。」
翼「こっちに遠隔攻撃の手段がないからね。」
紬「ここはおとなしく撤収して準備を整えようよ。たぶんドロップ素材の売却でいっぱい資金が増えるはずだから。」
桜「よし、港区JKはリスクを取らずに鉄壁の体制で進もう。」
受付嬢「あら、お帰りなさい。早かったですね。」
桜「第2階層のホブゴブリンは全滅させました。」
翼「無茶はしないで冷静に戻ってきました。」
紬「ドロップ素材、いっぱいあるので鑑定結果が楽しみです。」
受付嬢「ちょっとお待ちを ………… すごい、4700ゴールドになります。」
桜「おお!」
翼「いろいろ買えそう。」
紬「ちょっと質問なんですが、魔法屋で売ってる使い捨てロールって誰でも使えるんですか?」
受付嬢「はい、属性適性があればですが。ただ魔力依存なので、魔力が低い人、たとえば獣人とかが投げてもたいした威力はありません。」
紬「ここで属性適性の判定と魔力の計測はできますか?」
受付嬢「属性適性の判定は魔法屋でしか受け付けていません。魔力の計測はできます。魔力以外の能力も数値が出せます。」
桜「あ、それぜひお願いします。」
受付嬢「ひとり20ゴールドになりますが、よろしいですか?」
翼「はい、かまいません。ぜひ。」
受付嬢「ではこちらへどうぞ。」
受付嬢「入り口に戻ってレベルが初期化されたので、3人の能力にあまり違いはありませんね。筋力などフィジカルには多少の差がありますが、魔力は全員同じで65です。これはヒューマンとしてはかなり高い。」
桜「そうなんですか?」
受付嬢「理論的最大値は100ですが、それをたたき出せる人はいません。エルフもせいぜい70代です。ヒューマンの平均は50ぐらいですね。」
翼「なら使い捨てロールを投げればそれなりの威力が...」
受付嬢「あります。3人で同時に投げれば敵部隊が消し飛ぶこともあるでしょう。」
紬「ありがとうございました。これで最上階の攻略の方針が決まりました。」
桜「ねえ、みんな....」
翼「うん、気付いたよ...」
紬「65ってうちらの偏差値じゃん。」
桜「そこそこの偏差値があってよかった。」
翼「勉学はいつか役に立つ...先生の言うとおりだ。」
3人は町へ戻り魔法屋マンソンジュに向かった。
店員「いらっしゃいませ。」
桜「属性適性を調べてもらいたいんだけど...」
店員「判定は無料ですが、適性ありと出た場合にはロールをお買い求め願う規則です。」
翼「かまいません。使い捨てロールでいいんでしょ?」
店員「はい、最低10本のお買い上げになりますが。」
紬「10本で100ゴールド、安いので問題ありません。」
店員「それではこちらへどうぞ。」
検査の結果、桜が火と風、翼が氷と土、紬が光と闇と治癒の適性があることが判明した。
店員「あなた...光と闇って...珍しいわ。」
桜「ある意味...紬らしいな。」
翼「これぞ紬って感じ。」
3人は、適性のある使い捨てロールを、念のため20本ずつ買い、治癒だけは習得ロールを購入した。合計2200ゴールドのお買い上げ。資金はまだ4000ゴールド以上残っている。3人は次に武器防具屋のモデストに向かった。
桜「まず盾を強化しないと。とくに魔法防御。第3階層では魔法が飛んでくるから。」
翼「桜の双剣も殲滅力を上げないとね。ワンパンで倒せないと敵の数が多いからこっちもダメージを食う。」
紬「私はここでは何もいらないかな。道具屋でMP回復薬を買ってよ。」
店員「いらっしゃいませ、お嬢様方。」
桜「殲滅力に優れた双剣と魔法防御力を備えた盾をくれ。」
店員「かしこまりました。エルフェンシルト、エルフ族に伝わる魔法防御に優れた盾です。2500ゴールドになります。双剣は....」
桜「あ、双剣は今度でいいや。」
使い捨てロール。偏差値が高くて良かったですね。勉学は裏切らない。はい、確かに。




