異世界に来たらカネがない、底辺冒険者からスタートするしかない、実家が太くても関係ない
いよいよ激動の...いやいや地味で苦しい異世界編の始まりです。
受付嬢「冒険者ギルドへようこそ。」
桜「私たち3人、冒険者登録をしたい。」
受付嬢「登録ですね。ではこちらにご記入を。」
翼「氏名、生年月日、種族....ん?おねえさん、この種族って何?」
受付嬢「みなさんはヒューマンですね。他にエルフとか獣人とかいますから。」
翼「なるほど....」
紬「次のジョブは?」
受付嬢「なりたいジョブに印を付けてください。レベルが上がれば自動的にスキルが使えるようになりますよ。」
桜「3人だからバランスが大事だな。」
紬「3人はパーティとして限界。タンクとヒーラーは必須で残り1枠が何かアタッカー。」
桜「私がタンクを引き受けるよ。体重は一番少ないけど。」
翼「と言いながら私を見ないでよ、桜....わかったわよ、私がいちばんおっぱいが大きいからタンクになるよ。」
桜「くっ!」
紬「じゃあ私は癒やし系なのでヒーラーね。ヒールが使えるようになるまではポーション投げ係。」
桜「さて、何で攻撃してやろうか?」
翼&紬「魔法使いとシューターはお金がかかるからダメ。」
桜「じゃあ剣か槍か棍棒しかないじゃないか。うーわ、メンタルきついわ。」
翼「私だって返り血と体液は浴びるんだからね。」
紬「あー、なんか悪いねー。レベルが上がってクリーニングとか唱えられるようになればいいんだけど。」
受付嬢「終わりましたか?では登録料としてひとり30ゴールド、3人で90ゴールドをお支払いください。」
桜「え?マジっすか?」
受付嬢「はい、ダンジョンは慈善事業ではなくて企業ですから。」
翼「登録料以外の企業収入は何があるの?」
受付嬢「素材の売買です。冒険者が敵を倒すと素材をドロップするので、それを私たちが買い取り、町の業者に売る。」
紬「それって冒険者もそこそこ儲かるの?」
受付嬢「はい、頑張り次第ですけどね。」
桜「ひとつ大事なことを訊くけど、冒険者はスタート地点に戻ったらレベルが初期化するんだよね?それじゃいつまで頑張ってもボスを倒せないのでは?」
受付嬢「レベルが初期化されても、素材を売って貯めたお金で装備を充実させれば強くなりますから、何度もチャレンジして強い装備を買いそろえればいつか倒せます。」
翼「....軽い絶望感に襲われた....」
桜「じゃあ準備して明日また来ますね。」
受付嬢「はい、お待ちしております。」
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女神「なあ、どうよ?楽しくなってきただろう?」
翡翠「いじめですか?」
青水「女神の人気がどんど下がる。」
翡翠「幼気な女子高生3人をとことんまで過酷な条件で酷使するブラック女神...」
女神「は?うるせーよ。これも試練なんだよ。」
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桜「とりあえず道具屋でポーションと薬を買おう。」
翼「ねえ、昨日は気付かなかったけど、看板に“道具屋パキスタン”って書いてあるよ。」
紬「ホントだ。何でだろ?」
道具屋「いらっしゃいませ。」
翼「ねえ、なんで名前がパキスタンなの?おじさん、パキスタン出身なの?」
道具屋「いえ、他のお店がみなフランス語なので、より身近なパキスタンにしただけです。」
桜「それで身近になるとは思えない。」
紬「ポーションを20個、毒消しと麻痺治癒を5個ずつください。」
道具屋「はい、合わせて200ゴールドです。」
桜「次は武器屋だ。」
翼「何、ここの店名?」
紬「武器屋モデスト、意味は控えめ、謙虚...いいの、武器屋がこれで?」
桜「ここでタンクの翼の武器と盾、私の武器を買わなければならない。」
紬「資金の残高は510ゴールド。」
桜「宿代を考えるとちょっと足りないな。」
翼「市場に店を出して持ってきたものを売ろう。」
紬「100円ライターは1ゴールド。火魔法を使えるやつにとってはゴミだし、獣人は手の形が違うので使えない。LEDライトとランプはモバイルソーラー充電器とセットで20ゴールド。灯りは森で松明を拾ってくればタダだからね。珍しいという価値だけで買う層に向けての値段。お菓子小袋は、屋台のフルーツより下でひとつ2ゴールド。」
翼「金策売却アイテム、もっと吟味すべきだった....」
紬「ライター30個、電気系は20セット、お菓子は30個、全部売れても490ゴールド。」
翼「アミアージュのボロ儲けが懐かしい。」
桜「完売したけど490ゴールド、手持ちの資金と足してちょうど1000ゴールド。」
紬「ドラクエでLV5ぐらいのころだ。」
翼「とりあえず行こう、武器屋モデスト。」
店主「武器と防具の店モデストへようこそ。」
翼「タンクの盾と武器、それからアタッカーの近接武器だ。」
店主「初心者で金欠ですね。ならば盾ははい、銅の盾で200ゴールド、タンク用の剣は銅の剣200ゴールド。アタッカーさんは、剣、双剣、棍棒、槍のうちどれがいい?」
桜「私のイメージにピッタリなのは俊敏な双剣かな。」
店主「ならばシーフダブルダガー450ゴールドはどうだ?」
桜「....わかった、それをくれ。」
店主「全部で850ゴールドだ。毎度あり。」
桜「さて、宿屋へ行こうか。」
翼「....もう150ゴールドしかないよ。」
紬「明日のダンジョンで素材を集めて売るしかない。」
桜「ついに異世界の最下層冒険者に落ちぶれてしまった。」
翼「プラザホテルのスイートに泊まっていたのに。」
桜&紬「女神のバカヤロー!」
ホテルは一人一泊10ゴールドだった。ただし、危惧していたトイレは水洗でシャワートイレだったし、お湯のシャワーも各部屋についていた。現実の歴史ではなくて現代人が想像した異世界なので細かいところは雑に現代風の作りになっていた。
桜「ふう、こっちのストレスはなしでよかった。」
翼「ゆっくり寝て明日はがんばろう。」
これまで有り余るチート資金力でサクサクやってきた港区JKトリオ、ついに貧困という人生で初めて味わう苦境に立ちます。女神のバカヤロー!




