風邪
今日は、杏果がうちに遊びに来ないなと思っていたら、杏果から連絡がきた。
(片思いがうまくいかない)
と…
⁉︎
なんだって⁈
片思いだと⁉︎
杏果…好きなやついたのかよ⁉︎
だから、オレはいつもはぐらかされていたのかよ⁉︎
いきなり知る事実…
慌てて電話した。
「おい、片思いってどういうことだよ?」
と。
すると…
「いや、思い通りにならなくて。てか、肩凝ってるのよくわかったね」
と、安定の意味不明発言してきた杏果。
もしかして、片思いを肩重いって思ってない?
…
「あのさ、杏果って好きなやついたんだ?」
「へ?それより今は、やいてるの!うまくいかなくても頑張ってやいてるから、後であげるね。お礼にもんでよね」
…
まったくもって意味がわからない。
「やくとかもむとか、意味わかんないじゃん。てか、今どういう状況?」
「やいてるよ。」
「ヤキモチてきな?」
「いや、もちはないんだな。ごめんね。」
…
「いや…だれも、もちを求めてるわけじゃないのよ。」
「じゃあ、はやくわたしにボディタッチがしたいのね、この変態が。あ、てかさハート食べたい?」
…
「え、それはどういう意味?」
「そういう意味だよ。ハートがいいなら大量生産するよ?星がいい?」
…
「あー、わかった。お菓子作ってんのか」
「あったりー。てか、それ以外なくない?」
「だって、片思いがうまくいかないってきてたぞ?」
「あれ?文字が悪いね、それは。」
…
「そうね…」
「じゃあ、とりあえずやけたら持っていくね!大人しく待っていなさいよ」
「オレは、いつでも大人しいよ。杏果と違って、いきなり踊ったりしないから」
「かわいそ」
…
かわいそうの意味がわからないが、大好きなクッキーが届くので楽しみにしていた。
しばらくすると、杏果がお邪魔しましたーと、入ってきた。
なぜ過去形…
そして、ドアの前でとまっていた。
「あいてるよ?」
部屋の中から声をかけると…
「ぎゃっ‼︎いきなり驚かさないでよ。いきなりドアバタンで驚かせようとしたのにっ」
と、プチ怒りな杏果。
「ごめん。そんな作戦とは知らなかったよ」
「事前に言っておけばよかったー」
…
それ言ってたら、すべてが台無しじゃね?
…
まあ、杏果は事前に言っておいて、そのまま忘れて普通に入ってきそうだけどな。
「やきたてのクッキーは、いかが?」
「食いたい」
「そんな、大胆な…」
「クッキーをだよね?」
「ええ、もちろん」
…
ありがたくクッキーをいただいて、お礼の肩揉みもしてあげた。
平凡ないつもの日常だ。
しかし、次の日オレは風邪をひいて学校を休むことになった。
杏果は、すぐに風邪がうつってしまうから、携帯でのやりとりをした。
(もしかして、風邪ひいたの?それともピアノ弾いた?)
と、連絡が来ていた。
うっかり寝ていて気づかなかったが、もう一件連絡が来ていた。
(風邪って雅人ママが言ってた。風邪なら、ピアノなんか弾いてる場合じゃないよ?寝てな?)
と、ふざけた連絡をよこしてくる杏果。
そもそもうちには、ピアノなんてない。
(大丈夫。ちゃんと寝てる)
って返信したら
(自慢するやつは、嫌われる)
と返してきた。
…
もうさ、なに返してもなんか言ってくるよね。
って思っていたら、
(いっぱい寝て、わたしの夢みてみ。わたしのこと好きになっちゃうよ♡)
なんてふざける杏果。
いや…そもそも、もう好きなんだよね。
(もう好きだから大丈夫)
(きゆぬ)
…
意味のわからない返信がきた。
キュンとか言いたかったのだろうか?
やっぱり杏果は、意味がわからないと思いつつ、半笑いで熱にうなされるオレなのでありました。
続く。




