75/89
― はじまりの裏側 ― (3)c
己の身にかけられた忌々しい言霊のせいで、血に連なる者すべての記憶を有さねばならなくなってしばらくしたときに、施した仕掛けがある。
己自身と血に連なる者の記憶を分けること。さらに、血に連なる者を八つの血統に分けることにした。
己自身はともかく血に連なる者は、代が下がれば段々と数は増していくのは必定である。祖である八家直属ならまだしも、傍系まで一々気に留めながら受け入れていたらきりがない。気が狂うこと間違いなしだ。
なので、己の意識外で自動的に受け取り、振り分けるようにした。いわば端末のようなものだ。滅多にないが、必要になれば端末にアクセスして子孫の情報を読み取る。此岸にいようが彼岸にいようが関係なくだ。
おかげで色々楽になった。
だから、あのときの衝撃は心底驚いて、危うく彼岸へ渡りかけた……。




