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― はじまりの裏側 ― (3)a
そうして、幾度となく彼岸と此岸を行き来していた頃。ようやく別のことにも目が向くようになった。
なかでも【境界】と定義されている、曖昧でぼんやりとただ在るだけの場所に――。
もっとも最初は、さして害のない場所としか認識していなかった。
兄や己の血に連なる者が戦後に、【境界】に留まっている【魂】や【想】を呼び戻してくれと頼んできたときも、さして気にも留めなかった。
様子を己で見て一時的なものであると判断し、問題視する必要がなかったからだ。
気になり始めたのは、自然解消されるはずだった【境界】の大混雑に、神だけでなく人間までもが干渉し、【境界守】を設置するという愚作が施されてからだ。
直感的に、これは危ういと思った。
だが忠告しても施したものたちは耳を傾けなかった。
【境界守】は、唯々坐して【魂】や【想】を見ているだけだった。行き来する際、己が話しかけても、彼らはなにも反応しなかった。
なので気にはかけながらも、しばらくは傍観していた。
彼らの様子がおかしくなり始めたときも、己は手を出さなかった。定めたものが対処するだろうと楽観していたからだ。




