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― 立秋に誓う ― (4)d
櫻妃のところから此岸に戻ると、さっそく動き始めた。
とはいえこの身は子供であり、病弱だ。向こうでやることを考えると、体力以上に能力は極力温存しなくてはならない。幸いシキとしての資産はかなりある。今後のことを考えれば無駄遣いしたくはないが、仕方がない……。
始めに施設にいた痕跡を消していく。幸いというかこの左眼のおかげで職員にもよくは思われていない。近くの川で自殺したような状況を施し、写真など身許確認の対象になるものはすべて消し去って、ただの食事処と寝床でしかなかった場所を後にした。
次は移動手段だ。監視カメラなどはさほど多くはないが、人の印象には残りやすい身なりだ。人目につきにくい夜を中心に移動していくことにする。
二カ月以上の時をかけ、あのとき以来足をつけなかった地に辿り着いた。景色はがらりと変わったが、なんの感情も浮かばず、一人になれる場所を探す。
言伝も小石もこの地を示していた。だが細かくは特定されていない。さらに詳しく調べるべく、誰もいない路地の片隅で小石を放る。
「うーん」
結果に出てきた場所は、ある意味これ以上はない理想の地であった。だか、そこに行くには……「舟か」。
壊れても惜しくない小さな手漕ぎ舟……。仕方ない、探すとするか……。




