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― 立秋に誓う ― (1)
それが落ちてきたとき、よくわからなかった。
大槌で思い切り叩かれた硝子の壁がバリンッと割れたような感じがして、一瞬で視界が明るくなった。何だ? と思う間もなく、とっさに身を伏せた直後、灼熱の風が頭上を一気に駆け抜けていった。
「……うっ!」
痛覚などとうの昔になくなったはずなのに……かなりの激痛にさいなまれながら、そろそろと身を起こせば、なるほど。
己の宿り木が消し炭と化している。それどころか、己が坐していた【境界】ですら消失していた。
もう己に残された時はいくばくもない。なにが起こったのかは、いまだにわからぬが、なによりも大事なものを手で引きちぎると、いずこかへ投げ飛ばす。
「……頼む!」
倒れ込み、意識が消えようとするなか、帰った後でよかったこと、約定を叶えることができなくて申し訳なく思っていること……こんなことが起こるなど誰が考えようか……




