作戦会議!
ひっく、ひっくとようやく泣き止むとスカーレットは涙を拭いた。
「来てくれてありがとう」
「大切なお姉ちゃんのためじゃ!それで今の状況を知りたいのじゃが?」
シオンの後ろにはクロードとバルドが控えていた。
そこにスカーレットを守ろうとライゲン将軍もすぐ後に控えた。
「ワシから話そう。それにしてもまさかバルド将軍が、今は元帥だったか?帝都にくる日が来ようとは」
「久しいのぅ。ワシもこの姫殿下にこき使われておるジジイじゃ。ワハハハハッっ!」
二人はガシッと硬い握手を交わした。
「実は───」
ライゲン将軍の説明は簡潔でわかりやすかった。
「なるほど。ただでさえ少ない兵士を逃げ出した王族が勝手に護衛として連れていってしまったと?まったく救えぬ話じゃな」
「エルフ軍は2万で魔法と弓矢の名手揃いです。白兵戦になれば勝機もありますが、兵力が足りません」
シオンはバルドに視線を送った。
「我がノルン騎士団が明日の昼には到着予定だ。エルフ軍の到着には間に合わないが、少しだけ持ち堪えてくれれば背後から強襲することができるだろう」
「なるほど!それは良い情報だ」
希望が出てきたとスカーレットの緊張も少しほぐれた。
「後で、神器を使って野菜の配給をするのじゃ。ジャガイモやトマトなどすぐに食べれるものを成長させる」
「おお、それが女神様から授かった神器なのですな。民が飢えないよう本当に助かりますぞ」
ライゲン将軍も深く頭を下げた。
「うむ、それよりエルフ軍の侵攻理由はわからぬのか?」
「何度も使者を送りましたが、追い返されました」
うむ?
「よし!困った時のノルン様じゃ!」
「「「えっ?」」」
執務室にいたみんなが間の抜けた声を上げた。
「まさか女神様に助けを乞うのですか?」
「いやいや、ノルン様は平等なお方じゃ。戦に手は貸さぬよ。じゃが情報ぐらいは教えてくれるはずじゃ」
なるほどノルン様にエルフ軍の理由を聞くわけか。
いやいやいや!
「め、女神様に尋ねることではないと思いますが・・・」
「ダメで元々じゃ。何かあれば妾が女神様に怒られるだけじゃよ」
いやいやいや!!!!
怒られるだけで済むのか!?
「取り合えず話しだけでもしてみよう」
神器ユグドラシルの杖を使ってノルンに会話を試みた。
プルルルルッッッ!
プルルルルッッッ!
『は~い、神界の4989(四苦八苦)番地のノルンです~もしもし~~』
繋がっちゃった!???
「あ、もしもし、シオン・レグルスですがノルン様でよろしかったでしょうか?」
『あら♪シオンちゃんじゃないの。どうしたの?困りごと?』
「はい、ノルン様ならわかるかな?と思って、ご連絡したのですがお時間よろしいかのぅ?」
『取り合えず話してみて。それから判断するわね』
「実はエルフ軍が突如帝国に攻めてきたのじゃが、使者を送っても追い返されて理由がわからないのじゃ。ノルン様なら何か知っているかなと思って連絡したのじゃ」
『ふむふむ、なるほど。ちょっと待ってね。アイギス~エルフ軍の侵攻理由ってわかるかしら?』
『少々、お待ちください』
カチャカチャと音が聞こえる。
『これは・・・ノルン様、こちらを』
『ありがとう。ふむふむ・・・あちゃー!これはマズイわね』
なんかわかったっぽい!?
『えっと、シオンちゃん落ち着いて聞いてね。その場所には部外者はいるかしら?できれば関係者しか知らない方がいいわね』
「大丈夫なのじゃ。ここには関係者しかおらんのじゃ」
『わかったわ。エルフ軍の侵攻理由なんだけど、帝国の人間がエルフの森で人攫いをしていて、運悪くエルフの王族の孫娘が攫われたようなの。ほら、エルフって美人さんが多いから、人間の金持ちに高く売れるのよ』
!?
「このクソやろどもが!!!!!!!!」
スカーレットは思いっきり叫んでしまった。
『うわっ!びっくりした・・・』
「すまんのじゃ。しかし、いつ攫われてどうしてアスティア王国と一緒に攻めてきたのじゃ?」
『攫われた時、魔封じの首輪をつけられていたのだけど、最近、誰かに救い出されて首輪を外されたの。それでテレパシーの呪文で帝国の貴族?に捕えられていたと連絡をしたみたいね。そこに仲の悪いドワーフの国が帝国を攻めるからしばらくはアスティア王国に攻めないよう交渉しにきたので、それに便乗して侵攻したみたいよ。王族の孫娘が攫われたなんて帝国に知られたら人質にされるかも知れないから、教えなかったようね』
「ああああぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・」
スカーレットは何も弁解もできないと理解して泣き崩れた。
『嘆いているのは帝国の皇女さんかしら?』
「うっく、ひっく・・・もう帝国は終わりです・・・」
『安心しなさい。良い行いはちゃんと返ってくるのよ?』
「えっ?」
そんな時、執務室の扉をノックする音が聞こえた。




