成敗!☆(重要な回)
屋敷から出てきたゴロツキ達にスカーレットが叫んだ。
「聞くがいい!私はこの帝国の第一皇女スカーレット・バルトスである!ここの領主が不正をしている証拠を掴んだため捕らえにきた!邪魔する者は同罪と思いなさい!」
スカーレットは声高々に言ったが───
「バカか?帝国の皇女様がこんな田舎に来るわけないだろう?」
!?
『私の姿ってそんなに知られてないの?』
ダーと涙を流すスカーレットからシオンは降りると代わりに言った。
「妾はノルン聖王国のシオン・レグルスじゃ!貴様らの悪行もここまでじゃ!」
ビシっと言ってやったが───
「お嬢ちゃん、お姉さんのマネかい?流石のおじさんも幼女には手を出さないから、飴玉もらって帰んな」
なんか優しく同情された。
シクシクッ・・・妾もまだまだなんじゃな~
なぜかシオンも落ち込むことになった。
「「もう怒ったの(じゃ)」」
二人は魔法を使い男達を蹂躙した。
これはもう立派な八つ当たりである。
「わーははははっっ!私の事を知らないなら心に刻むがいい!!!!」
別の意味で心に刻みそうだった。
「あーはっははは!!!!レットお姉ちゃん、どんどんいくのじゃ!!!!」
スカーレットは火炎弾を撃ちまくり(手加減してるよ?)
シオンは植物のツタを男達に巻き付けて動けなくしていた。
「・・・・スカーレット皇女といては姫殿下に悪影響が出てしまうかも」
クロードの呟きに、そば付きの騎士達は申し訳なさそうに謝った。
あっという間に片付けると屋敷の扉から変な奴らが出てきた。
「うるさいぞ!もっと静かに倒せんのかっ!!!!」
二人のオークが出てきた。
「なんじゃ、ここの領主はオークを2体も飼っておるのか?」
「姫殿下、一体は宿屋にきていたやつです」
なんと!
「なんというか、悪代官がオークで人間でないとやりづらいのぅ」
「「誰がオークだっ!!!!」」
気にしているのか二人は反論した。
「えっと、どっちがカマセ・イヌーダ男爵なのじゃ?」
「ワシだ!ワシこそが偉大なる帝国貴族の男爵様であるぞ!頭が高いひかえろう!!!」
えっと、男爵って貴族では1番下だよね?どうしてこんなに偉そうなんだ???
二人が戸惑っていると勘違いしたのかもっと不遜な事を言ってきた。
「どんな侵入者かと思えば、なかなか美しいではないか。クククッ、しかも帝国の皇女殿下に似ておるとは素晴らしい、貴様を我の妾として可愛がってやろう」
ゾワッとスカーレットは悪寒に身を振るわせた。
「お、叔父上、僕には隣の幼女が欲しいんだな。あんなに可愛い子ちゃん滅多にいないよ。少しづつ僕好みに育てて、生理がきたら僕のモノを・・・ブヒブヒ♪」
ヒッとシオンも珍しく後ずさった。
そして周囲からもの凄い殺気が放たれた。
「姫殿下、残念ですがオークの一体は死罪でよろしいでしょうか?いえ、失礼しました。聞くまでもありませんね。死罪です。死罪確定!死罪以外に道はなし!!!!!!」
クロードの目が炎のように燃えていた。
「私も死罪にしたいのだが、証拠品と一緒に帝都に連行でせねばならん。半殺しで我慢するか」
ゆっくりと近づくクロード達にカマセ男爵は叫んだ。
「者共よ!こやつらを捕まえたものにはボーナスを出すぞ!早く捕まえるのだ!」
シーーン!!!!
すでに倒されているので当然である。
「あれ?」
カマセ男爵はようやく周囲を見渡して現状を知った。まぁ、夜で薄暗かったのもあるのだが。
「・・・死ぬ覚悟はできたか?」
目が笑っていないクロードとスカーレットに二人のオークは腰を抜かした。
「ま、まて!金をやる!だから見逃すのだ!」
「カマセ・イヌーダ男爵・・・私の顔を見忘れたか?」
「な、なんだと?貴様は・・・!?スカーレット皇女殿下!?本物!!??」
貴族は年に一度の社交界に帝都に集まり、貴族通しの顔合わせをする。その時、皇族の姿も見ているのである。
「貴様が領民から搾り取った汚い金などいらん。まぁそんな端金など必要ないしな」
ジリジリと詰め寄るスカーレットに男爵は腰を抜かしながら後へ下がる。
「お。お待ちください!これは何かのまち───」
「成敗!!!」
魔法ばかり使っていたスカーレットは腰の剣を抜いて目に見えぬ速さで8連撃打ち込んだ。
「秘技『八頭龍閃』」
八本の首をもつヒドラを仕留めるために初代勇者が編み出したと言われる必殺技である。
「ひでぶっっっっっっ!!!!!!!!」
空中に舞ってドシンと落ちてきた。
一方、クロードの方は───
「なんのつもりだ?」
なんと、『影』達が数人でオークを持ち運んで連れていってしまった。
「はっ、あのモノは我々にお任せください。姫殿下を下劣な目でみたことに加え、他にも屋敷には『幼女』達が酷い目に遭っておりました。タダで死なすには『死』は優しすぎます」
影はシオンを見て言葉を止めた。
「我々にお任せください」
クロードはフーと深く息を吐くと好きにしろと言った。
恐らく拷問の上で殺すのだろう。姫殿下には聞かせれないと判断した。
こうしてグダグダな討ち入りは幕を閉じたのだった。
そして後に、この保護した『幼女』が帝国の絶体絶命の危機を招き、さらには救ってくれる救世主になるとは今のシオン達には知るよしもなかった。




