怖い
大変お待たせしました。
残り十数話、完結まで書き終わりましたので最後までお楽しみください。
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ゴロツキ達は悪寒に見舞われた。
『な、なんだ?冷や汗が止まらねぇ』
ガタガタと震えも止まらなかった。
「さて、お前達の胴元を吐いてもらおうか?」
「な、なんだ──」
男達は後ろから真っ黒の服をきた特殊部隊に口を抑えられて、引きずられるよう連れて行かれた。
「さて、大丈夫だったか?」
「え、あ、はい。ありがとうございます?」
女性は何が起きたのかわからず呆然としていた。
先ほどの男達もそうだったがどうしてだろうか?
「それで、少し話を聞かせて欲しいのだが?」
女性は激しく首を縦に振り頷いた。
そしてこの町の状況を教えて貰った。
「この町の支配者は伯爵家の4男でカマセ・イヌーダ男爵ってヤツなのね」
「はい、実家が伯爵家であり、持っていた男爵位を貰ってこの町に赴任してきたのですが、すぐに税を値上げして、払えなければ娘を奉公に出せと言ってきて、もうやりたい放題なんです」
スカーレットは少し考える様な仕草で聞いた。
「近くの町などに訴えはしなかったのか?」
「しましたよ!何度も!でも、この辺りは実家の伯爵家の依子が集まる領地で、親のアクダマー伯爵家に逆らう事ができない状態なんです」
「ちっ、そういう事か。とある貴族が地方の領地を管理したいと、訴えがあったのはそういうカタクリか」
「帝国は地方を管理する人材が不足しているからと、二つ返事で了承したのじゃな」
「恥ずかし話、その通りだよ。まさか地方を自分の派閥で固めているとは確認不足も良いとこだ」
その女性から一通りの話を聞くと、宿屋を経営しているようだったので、お邪魔する事になった。
「最近は行商人も少なく助かります。あ、私はマリーと言います」
「こちらはレットお姉様なのじゃ。妾はシオンなのじゃ!」
「まぁ、なんかお婆ちゃんっぽい喋り方をされるのですね?地方の訛りですか?」
「えっーと、そんな感じじゃ」
まさかレグルス王国の王族の教育とはいえず言葉を濁した。
スカーレットは宿屋に着くと少し多めにお金を払うと、護衛達も両隣の部屋を借りて泊まる事になった。
「うちは見ての通り一階が食事処で2階が宿屋として運営しています。まぁ、最近は宿屋を使うお客さんが少なくて食堂がメインなんだけどね」
一階は吹き抜けとなっており、それなりに大きな食堂だった。
「ただ………」
マリーは奥のテーブルを指さした。
奥では『オーク』が酒を飲みながら皿の料理を汚く食べていた。
「なんでオークが町の食堂で料理を食べているのよ?」
「いえ、取り敢えず人間です。うちがひっ迫しているのはアイツのせいなの。領主の親戚でいつもお金を払わずに飲み食いしていくの」
ふむ、領主の親戚と言う事で強く言えぬという訳じゃな。無銭飲食はたいした罪にもならぬしのぅ。
「………姫殿下、どう致しますか?ご命令頂ければ『処理』致しますが?」
クロードが物騒な事を言った。
「いや、今はまだ情報収集ができておらぬ。今は見逃すのじゃ」
シオンはマリーによろしく言って町にでた。
「まさか、領主の親戚が堂々と無銭飲食とはのぅ」
「はぁ~、我が帝国の貴族はここまで堕ちているとは嘆かわしい」
スカーレットは両手で顔を覆った。
「マリーの話の裏付けを取るのじゃ」
シオンの言葉にクロードが止めた。
「いえ、今日は町を観光に留めましょう。姫殿下達は目立ち過ぎますので、聞き込みは我々がやります」
「うむ?そうかのぅ?」
シオンは少し残念そうな顔をしたが、素直に従った。シオン達に取っては町歩きだけでも、目新しくワクワクする出来事だった。
「しかし、そこそこの町なのに経済が停滞しておるのか寂しいのぅ」
どこの道も露店が少なく人もまばらだった。
クロードは果物を売っている店主に金貨を一枚握らせて話を聞いた。
コソッ
「あんがとよ。ここの領主がクズでよ。若い女を攫ったりするもんだから、家から出せずに町の通りも寂しいもんだよ」
!?
「堂々と人攫い!?」
「声が大きい。表向きは貴族の屋敷に奉公に出たって事になっているんだ。その家にそれなりの金も渡すから強く言えないようでな。ただ婚約者のいた娘が自殺した事もあったが………」
「それは許せんのぅ」
「でも、この町だけじゃない。周辺の町がアクダマー伯爵家の依子の貴族が支配しているから、訴えても揉み消されるだけなんだ」
確かにのぅ。
「そう言えば『憲兵』はいないのかのぅ?」
憲兵とは皇帝が権限を持っており【貴族を裁ける】事ができる皇帝の直属の組織である。
「ああ、憲兵は大都市と街道の大きな街しか配備されていないんだ。理由は人手不足。本当に、無理矢理領土を増やしたせいで、何もかも人手不足、人手不足、人手不足!!!!!ムキーーーーーー!!!!」
スカーレットは日頃の鬱憤が溜まっていたのか、壊れた。
「レットお姉ちゃんも苦労しておるのぅ~」
足を引っ張る貴族ばかりで同情するシオンだった。




