生誕祭!!!
あっという間に時間は過ぎて、旧クレスト王国の民達は新しい国に乾杯をした。
わずか1年でこの国を民の暮らしやすい国に変えてくれたシオン姫殿下に国中が沸いた。
「姫殿下には感謝しかないよ」
「よっしゃ!俺は仕事で王都に行けるから姫殿下に祈りを捧げてくるぜ!」
「マジかよ!俺の分も頼むな!」
「任せておけっ!」
こんなノリで、今まで自分達の村や街から出たことのない民達が、王都へ行けば姫殿下の姿を見ることができるかもと、一斉に王都へ向かうことになった。王都の宿屋は一杯のため、城壁の外にテントを張って休む住民が多く出たことにより、急いで仮設住宅の準備が進められた。
「なんでじゃ~~急に忙しくなったのじゃ~」
シオンの魔法で建物を建てて、部下達が窓とベットを急ごしらえで作った。ベットと小さな机があるカプセルホテルの様な作りで、城壁の外に大量に作った。終わったら取り壊す前提である。
手の空いている兵士に警備もさせることになった。
「ふぅ、予想外なことが起こりますね」
セツナも雑事に忙殺され、誕生祭の3日前となった。
「なんじゃと!父上と母上が来訪じゃと!?」
驚くシオンに両親は笑った。
「驚いてくれたな。サプライズは成功だな」
「約一ヶ月ぶりね。シオンに会えるのを楽しみにしていたのよ」
周囲の温かい拍手の中、両親に抱きしめられてシオンも肩の力が抜ける想いだった。
「みんなも酷いのじゃ~先に教えてくれても良いじゃろうに」
「頑張っている姫殿下を驚かせたかったんです」
周囲のみんなが頷いた。
「あ、ありがとうなのじゃ」
照れているシオン姫殿下は可愛い♪
シオンの可愛さに倒れる執事やメイドが多数出たのはご愛嬌であろう。
スノー王国からもタマモちゃんやユキネさん達が来たりと忙しかったが、楽しい時間を過ごすことができた。
「・・・本当に大丈夫なんでしょうか?」
「姫殿下が大きな神輿に乗って街中を歩き渡るイベントか。王都に集まった民が多すぎる。姫殿下のお姿を見せねば暴動になりかねんからな」
それは敵に狙われる事を意味していた。
「警備は厳重にするが、弓矢や毒のナイフなど飛んできても大丈夫な様に魔法でガードできる様にもしておくが、絶対はないからな」
「私に戦える力があれば・・・・悔しいです」
「それは我々の仕事だ。ノルン騎士団から精鋭を周囲の警備に回すから任せて欲しい」
何かあれば身代わりになる覚悟を持ったメンバーだからな。
こうして不安は尽きないがお祭り当日になるのだった。
新しい国『ノルン聖王国』とシオン姫殿下の誕生祭のお祭りが同時に開催され、国中だけではなく、他国からも偵察も兼ねて外交官が多く来訪した。
『数年前に来た時とは全然違う。民達がここまで元気に騒いでいるとは。十分な食料と蓄えがあるに違いない』
「前は王侯貴族のみ贅を尽くして民は困窮していたが、今は活気に満ち溢れている』
『『これが姫殿下の治世か』』
各国の外交官達も善政を敷いている姫殿下に一目置くことになる。
バルコニーからシオンのスピーチが始まった。
長い話はなく、簡潔にシンプルに、~~~なのじゃ!と終わった。
そして大きな神輿に乗って、高い場所から手を振りながら街中を移動した。計画にはなかった街から出て、城壁の外を一周するコースも作られた。騎士団も外に出た時に1番注意を払ったが、特に狙われることもなく、無事に終った。
「拍子抜けですね」
「まだ油断できない。夜になり暗くなってからが1番対応が難しいからだ」
クロードは再度、気を抜かない様に警備の騎士団に注意を促しつつ、シオンの警備を強化した。
日が落ちて、街の灯りが着いて来た頃、それは起こった。
一度、神輿が王城前に戻った後、また神輿の上に登り民達に乾杯の音頭を取った。
「暗くなった来たが、夜はこれからじゃ!今日は無礼講じゃ!みんな飲んで食べて、大いに騒いで欲しいのじゃ!そしてまた明日から一緒に頑張るのじゃ!では、かんぱーーーい!!!!」
『あら?それは嬉しいわね。私にも飲ませてくれるかしら?』
王都にいた民達、全員が聞いた。
頭に直接話してくるかのような声を。
ザワザワ
ザワザワ
「おい、今の声が聞こえたか?」
「私も聞こえたわ」
「俺もだ」
周囲のざわめきがピークに達した時、『ソレ』は起こった。
暗闇の夜空から一筋の光がシオンの目の前に降りて来たのだ。




