新年の祝い
【お知らせ】
ストックが少なくなったので1週間ほど書き溜めます。次の更新まで少しお待ち下さい。
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シオンは到着してから両親に甘えながら過ごした。
『少しは子供っぽい所もみせんとのぅ』
シオンが甘えてくると王妃である母親も顔を崩して溺愛した。
「見て、シオンが描いてくれた似顔絵を額縁に飾ったの♪」
両親には無難な金細工の宝石を埋め込んだブローチをペアで家臣達の前でプレゼントした。
それとは別に子供っぽい両親の似顔絵を描いて送ったのだ。それなりに上手く描けたとシオンは思っているが、側近達は微笑ましい顔で見守っていたのは秘密である。
「は、恥ずかしいのじゃ・・・」
ああ、もう!
恥じらう我が娘は天使だわっ!
きゃ~!と、いつもの威厳ある顔が破顔して王妃は1人の親バカとなっていた。
シオンを抱き締めて頬ずりしてシオンを離さなかった。
「もう!まさか半年も会えなくなるなんて思っても見なかったのよ!」
「そ、それは申し訳なかったのじゃ………」
ただでさえ初陣で、砦の中で防衛戦を見守るだけのつもりで、しぶしぶ送り出したのに、三万の敵に三千で突っ込み敵の総大将を討ち取った。しかもシオンも大魔法を使ってキチンと戦功を上げている。
更に、そのまま敵国に攻め込んこんで王都を攻め落としてしまった。
そのまま摂政としてこれまで以上の善政を敷いて統治までしてしまったわ。
まったくいくら女神様の愛し子だとしても、信じられないわ。
シオンは母親の溺愛っぷりに戸惑うばかりであった。
後から、まだ5歳の子供に半年間も会えなくなったら当然ですよとセツナに言われた。
それから新年を迎えて、王城で盛大にパーティが行われた。
「昨年は我が娘のシオンが隣国を打ち破り民に圧政を敷いていた王家を滅ぼすことに成功した!これからは第二の国として関税の撤廃や良質の鉱物資源など安く手に入るであろう!女神の寵愛を受けし我が娘に!カンパーイ!!!」
「「カンパーイ!!!」」
国王と王妃の側にいるシオンに多くの者が挨拶に来た。
しかしその多くはシオンを値踏みし、自分の子供との婚約を狙っている者達だった。
『ふむ?妾の神眼の能力はある程度知れ渡っているのじゃが、欲望を隠す気がないのかのぅ?』
シオンの目には貴族達の欲望が丸見えだった。
無論、両親もシオンを守り、やんわりと釘を刺しつつ断っていた。
だが、僅か5歳の少女が治める国として、誰が見ても御し易そうな状況に幾つかの家は強引にでも婚約を迫ろうとした所があった。
そこでシオンは──
コソッ
「のう?貴殿の屋敷の本棚の後ろに隠された脱税の裏帳簿は無事かのぅ?」
!?
「な、なななんのことでしょうか?」
明らかに動揺している相手に追い討ちを掛けた。
シオンの瞳が金色に変わったのだ。
「妾の神眼に見えぬ物なしじゃ!余りおいたが過ぎるとお主らの秘密を父上に話てしまうかも知れんのぅ?」
いくつかの家に、暗い部分を話すと慌てて逃げていった。
「これでしばらくは大丈夫かのぅ?」
うるさい貴族が離れたことで、今度はシオンと同い年ぐらいの子供が集まってきた。
「なんじゃ???」
「シオンも同い年の友達が必要じゃないかと思って子供の交流は制限していないの。少し話してきなさい」
母親である王妃に言われて渋々と子供達の元へ向かった。
『男の子もいるのじゃな。同じく婚約者になれるよう気を引けと親に言われたのであろう。女の子も王族と懇意になれば箔が付くと言われておるようじゃな』
まぁ、まだ子供に当たるのも申し訳ないし、適当に話をして切り上げるとするかのぅ。
こうしてシオンの苦痛の時間が始まった。
「は、初めまして!」
子供達の多くは緊張していた。
その中でシオンだけは大人びた対応で多くの子供達から尊望の眼差しで見られた。
「流石は王族のお方だわ」
「本当に目の色が変わった!」
「女神様の愛し子様って言うのは本当なのね!」
子供達は無邪気にシオンを褒めたがシオンは精神年齢が上のため苦痛あった。
「シオン、どうだったかしら?友達になれそうな子はいたかしら?」
純粋な善意の行動のためシオンは苦笑いをしながら曖昧に頷くことしかできなかったのでした。
パーティが終わり、数日間は家族との時間を過ごした。
「シオンは成長期なのですからどんどんドレスを作るわよ!」
王妃の目がマジでシオンは初めてガクブルとなった。
「国庫が勿体無いのじゃ。ほどほどで良いのじゃ」
「あら経済を回すのも王族の務めよ?」
くっ、確かにドレスを注文することで、布屋やドレス店、それに針子の雇用が生まれるのじゃ。
しかし、これは・・・・作りすぎじゃーーーーーー!!!!!!!
着せ替え人形になっていたシオンは根を上げて大声で叫ぶのだった。




