開拓村?村ってなんだろう???
あの日、サギールを騙して資金を出させた日から数日経った頃。目を覚ましたシオン達は国境の境界線までやってきていた。
「魔物もいますが、この辺りは未開発なので動植物も豊富です。森からは木材が、この見渡せる『平原』を開拓すれば、一面に小麦畑を作ることができます」
「本当にこの土地を我々に?」
手付かずではあるものの、平原に生えている牧草を見れば地面に豊富な栄養のある豊かな土地だとわかる。
「うむ、元々あってもなんの利益を産まない土地じゃ。ユキネ殿達に差し上げるのじゃ」
「お言葉ですが、貸して頂けるだけでもいいのですが?」
「譲った方が無駄な関税など費用がかからんじゃろ。遠慮は無用じゃ」
貧しい我が国のためにそこまで考えてくれているなんて。
ユキネは深く深く頭を下げて感謝の言葉を口にした。
「──とは言え、硬い地面を開拓するのには骨が折れるじゃろう。妾の魔法で軽く開墾しておこうかのぅ?」
周囲の人々は『えっ』となった。
「姫殿下、先日も神眼の使いすぎで数日寝込まれたばかりです。無理は許しませんよ?」
セツナが注意するが、シオンはわかっておると言って魔力を溜めた。
「これくらいはまったく問題ないのじゃ」
シオンが手を前に出すと、目の前の地面がボコボコと湧き出る様に茶色い地面が出てきた。
「ふむ、約100メートルぐらいの正方形に分けて作るかのぅ?」
わずが10分ほどで見渡せる平原全てが耕してあるかのような茶色い柔らかい地面に早代わりしていた。
「ふぅー、一仕事終えたのじゃ」
周囲の人々は唖然となっていた。
「流石は姫殿下、これでタネを撒けばいいだけですね」
「後は早く、ここに家を建てて移住者が農業をやってもらうだけじゃな」
次は開拓村の家作りじゃー!とシオン達は少し場所を移動した。
「まだ魔力が残っておるし、今日は城壁を作ろうと思うのじゃが?」
「それは構いませんが、少し大きく作っておかないと発展した時に作り直すのが面倒ですね」
確かに。
シオンは大体の距離を調べてもらった。
「うむ!ならばいくのじゃ!」
前に南の砦で作った感じの城壁を魔法で作り出した。
「取り合えず10メートルほどの高さにしておいたのじゃ」
スノー王国の人々は口をあんぐりと開けて呆然とした。本日2回目である。
「・・・・姫殿下、やりすぎです。これでは開拓村ではなく、『開拓都市』ではありませんか」
「しかし魔物もいる。これくらいの城壁は必要じゃろう。明日には森の前にも防壁を作る予定じゃ。田畑が踏み躙られてはたまらんからのぅ」
そして次の日になりました。
「よし!次は家じゃな!」
ちなみに木の魔法系は流石のシオンでも使えないので、家も土魔法で作った石材である。
『口』正方形の城壁を作った後、『田』中を四等分して、左下は独身男性用として長屋・・・マンションを作った。いやー、コンクリートの建物って魔法で作れるから便利だよね!高さは3階建てに抑えたよ!
右下は家族連れのため一軒家を建てました。
それと宿屋や物を売る商店街の様なものも一緒に建てました。
ここはうちとスノー王国を結ぶ中継地点になると思ったから。
ちなみに、窓やドアはないです。そこは住む獣人達に用意してもらいます。後は家の家具とかね。
石材で作った建物は大好評だった。
そう、『大好評』だったのだ。
理由としては、木材と違い、盗賊が襲ってきて火矢を放っても燃えないし丈夫だから。
更に防音効果が良いので一人暮らしの男性陣から絶賛されました。(ナニするんだよ?)
左上は領主の屋敷を作り、右上は兵士の訓練所や武器や穀物の倉庫を作りました。
今は家具や装飾品がないから殺風景だけどすぐによくなるでしょう。
「こ、これが女神様に愛された姫殿下の力・・・」
「スノー王国の家より良い出来なんだが?」
一同が呆然とする中、セツナが尋ねた。
「シオン姫殿下?これは一体何人ほど住む街なのですか?」
「取り合えず、うちからの移住もいるし、これから交通の要所となるじゃろうから3万人規模にしといたのじゃ!」
ドヤッとした顔で両手を腰に置いて胸を張って言った。
「・・・まぁ、しばらくはガランッとしてますが頑張ってください」
セツナは諦めた顔で移住者達に言うのだった。




