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鉱山都市

特に問題もなく、北の鉱山都市ガイアディアに到着した。

鉱物資源が豊富で王都以外では1、2を争うほどに発展している都市である。


「のぅ?妾は余程のことがなければ驚かん方なのじゃが、これは流石にのぅ?」

「………はい。これはあり得ませんねぇ」


シオンとセツナは都市にたどり着くと、領主の『宮殿』に迎えられた。

領主の屋敷ではなく宮殿と言ったのは、その名の通りだからである。至る所に金箔が使われている豪華な宮殿であった。いち領主が住むには過ぎた住まいである。


シオンを出迎えたのはノルン騎士団に守られながらやってきた、母上からの人材であるマーガレットというレグルス王国で伯爵家の令嬢の女性だった。4女であるマーガレットはセツナと同じく、政略結婚を嫌って自立した女性であった。


「お待ちしておりました。シオン姫殿下様。それと久しぶりねセツナ」

「ご無沙汰しております。マーガレット様」


似たような境遇の2人は知り合い同士だったようだ。


「なんじゃ知り合い同士かのぅ?後でゆっくりと話すが良い。マーガレットよ中を案内してくれぬか?」

「はっ!申し訳ありません。ではこちらに」


すでにこの国を統治して数ヶ月は経っているのにこの警戒はいったい?

シオンは周囲を鋭く観察しながらついていった。

宮殿の中も金が大量に使われており、目がチカチカとなるようであった。廊下を進むと執務室らしき部屋に通された。


「この部屋も凄いのぅ」


執務の机は純金でできており、戸棚も金ピカで部屋全体が黄金できているようだった。


「はい。見てわかるように、ここの領主はかなりの強欲であったようです。クレスト王国の貴族達は中央の王都に住むのがステータスと思っていましたが、ここの領主は逆に地方で目が届かないことを逆手にとって、王都の役人を買収して、やりたい放題していたようです。報告では鉱山では鉄鉱石類が採取できるとありましたが、金が取れる金鉱山の記載はありません。完全に採れた金を独占していたようです」


「救いがたいのぅ。これだけの金塊があれば他国から食糧を輸入したり、採掘に必要な良い道具も準備できたじゃろうに」


「仰る通りです。この国の経済や技術力は他国と比べて遅れておりますが、これだけの資金があれば急速に発展させることができるでしょう」


まったく持ってその通りじゃな。


「しかし、金が取れるのは行幸じゃった。それで金鉱山が取れるのはどこの坑道なのじゃ?」

「中央の鉱山です」

「あ゛~、それで穴だらけになるまで掘りまくったのじゃな・・・」


中央は廃坑にする予定じゃ。専門家の実地調査でも山自体が崩れてもおかしくないとのことじゃしのぅ。


「できれば中央の坑道は爆破して、通路を潰そうと思っておる。ただ封鎖しては魔物など入り込んで危険じゃしの」

「かしこましました。少し勿体無いですが仕方がありませんね」

「左右の鉱山を開発するしかないのぅ。それより、どうしてこんなに警備が厳しいのじゃ?」


「はい。ここの事を知っている貴族の残党が近くに居着いていまして、最近では街中にまで紛れ込んで、この屋敷に侵入しようとしてきたのです」


!?


「なるほどのぅ。敵の数はどれほどじゃ?」

「50人ぐらいかと。元々甘い汁を吸っていた貴族やゴロツキどもです」


街の警備に騎士団は約100人ほど。その半分の50人は侮れんな。


「うむ、そういうことなら連れてきた兵を150人貸そう。警備の兵50人足して、200人の兵力で今のうちに潰してしまうのじゃ。マーガレット殿もそのつもりじゃったであろう?」

「はっ!お恥ずかしい話ですが、姫殿下に兵を貸して頂けないかと思っておりました」


シオンはセツナに命じた。


「良い。セツナよ。早急に国中の領主達に手紙を送るのじゃ。今回のように自分では対応できない出来事はすぐに連絡するようにとな。特に罰則もないので1人で抱え込まないようしっかり伝えるのじゃ。報告・連絡・相談をしっかりするよう。ホウ・レン・ソウと呼ばれる伝達事項を厳密にせよ」


「流石はシオン姫殿下。感服いたしました。これからはメンツやプライドに拘らず、きちんと報告したいと思います」

「お主らもようやく掴んだチャンスじゃ。下手な報告で地位を追われると思っても仕方がないのじゃ。しかし、予期せぬ事態の事故などであれば責は負わせぬ。セツナよ。手紙にもその旨も書いておくようにのぅ」


「かしこまりました」


シオンのこの姿をみたマーガレットは今まで以上にシオンに忠誠を誓うのだった。








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