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国を売った男

【アンガス視点】


 朝は畑仕事、昼は畑で採れた作物の卸し、夜はミルクカッフェでミルキーナに癒してもらう。

 最近の俺のルーティンだ。

 エンパイア帝国の女性は何故か貧乳しか産まれない。

 それゆえ、大きなおっぱいに昔から憧れのあった俺は、絶対に嫁を迎える時はエンパイア帝国の外からと決めていた。

 そんな俺だからこそ勇者誕生の際も王族の1人として面倒そうな親善大使の役目を引き受けた。

 キングクレスト王国はおっぱいの大きい娘がいると風の噂で聞いたからな。

 まさか、その道中で殺され、部下は女に変えられていたなんて、初めのうちは全く信じられなかった。

 そんな俺を蘇らせてくれたのがこの里の王様みたいな存在で、男なら誰もが羨むハーレムを築いている風魔光太郎というゴブリンだ。

 今や元魔王のマオとやらを嫁に迎えて、魔王様だの殿だの王様だの皆好き勝手に呼んでいる。

 それを咎めるべくでもなく、この里に住む皆んなの生活改善のために動き回ってるんだから初めこそ調子に乗っていた俺も今では全く頭が上がらない。


「アンガス殿下、少し宜しいでござるか?」


 噂をすれば何とやらだ。


「俺で良ければ」


「エンパイア帝国との大規模な戦があったのは御存知でござるか?」


「はい。確か、村長が自ら制圧して1万の兵を捕虜にしたと聞いております」


 そう、このゴブリンはマジで強い。

 逆らうなんて愚者のする事だ。

 それがわからぬ父ではないと思いたかったのだが。

 それと俺は村長と呼んでいる。


「エンパイア帝国の王は、息子を返せ。兵たちは殿下を返せと言ってるのでござるが、1番大事なのはアンガス殿下の気持ちゆえ、こうして聞きに来たのでござるよ」


 こういうところもまたこの里に住む皆が信頼を寄せるところなのだと思う。

 本当に中身があの醜いゴブリンというのが信じられないぐらいだ。


「村長、俺の祖国は風魔の里です。今更、エンパニウム帝国に帰るなどごめんだ」


 俺はここに屍を埋めると決めている。


「アンガスの気持ちはよくわかったでござる。すると少々厄介でござるな。エンパイア帝国の連中がアンガスのことを諦め且つこちらに対して2度と戦争しようと思わぬような方法が何かないでござるか?」


 俺の元祖国の連中が2度とこの地に刃を向けないようにか。

 この村長は、自分でぶち殺した連中ですら生き返らせるお優しい人だ。

 魔導士ジジイの中身がゴブリンだなんて信じられないほどに。

 うーん。

 俺としてもまた俺を取り返しに来たなどと来られるのはごめんだ。

 何か…良い手か。

 ピキーンと、俺の頭で何かが閃いた。

 エンパイア帝国から散発的にここに来ていた斥候たちだ。

 アイツらも皆ミルクカッフェの常連になってる。

 即ち、皆が皆大きなおっぱいに飢えてるのではないか?

 提案するだけなら良いか。


「1つ、このアンガスに妙案が」


「ほぉ、申してみるが良いでござる」


「元祖国のエンパイア帝国の女性は皆貧乳です」


「な!?何をいうかと思えば、女性の価値は胸の大きさで決まるものではないでござるよ。アンガス、見損なったでござる!」


「村長、話は最後までお聞きください。確かに今まではそれが当たり前として皆受け入れていました。ですが村長が捕まえた元祖国の斥候たちを見てください」


「ミルキーナから報告は受けていたでござるが…本当にお前と同じように夜は入り浸っているのでござるか?」


「はい。皆、妻のおっぱいがこれだけ大きかったらなと。それに、皆妻のことは愛しているのです。そんな彼らにとって、生乳搾りだけで一線を超えないことが浮気ではないと言い聞かせられる都合の良さがあるのです」


「それを利用しようと言うのでござるな…アンガスお主も悪よなぁ」


「それほどでも…これも全て俺の今の幸せを浅はかで馬鹿な奴らに奪われないためですよ」


「ふむ。試してみるのは良さそうでござるな。では、アンガスよ。お主には勿論、エンパイア帝国をさらに絶望に突き落とすための協力はしてもらうでござるよ」


「御意に。この御心は、風魔の里の繁栄のためにお使いください。我が命の恩人よ」


「うむ。感謝するでござるよ」


 こうして、俺の1日に密着したドキュメントを見た俺の元祖国は。


「殿下!俺たちはここでは新人!ミルクカッフェ代を奢ってください!お願いします!」


「いや、待て待て」


 俺の予想ではまぁ半分も抜ければ良いと考えていたが、あのエンパイア帝国の盾と言われた重装歩兵団の精鋭の全てが裏切ったのか?

 お前ら、どんだけ大きなパイパイに釣られてんだよ!

 これを目の当たりにした父の心は完全に折れただろう。

 2度とこの風魔の里や俺に干渉はしてこないはずだ。

 実質、元祖国を守れたのなら裏切りの英雄と言えるのでは無かろうか。


「あら〜たくさん来てくださったのですねぇ。奥様も連れてきらしたら宜しいのにぃ」


「いや、流石に妻は」


「え〜。そんなに大きなおっぱいがお好きなのでしたら奥様に私たちのお乳を吸わせれば成長しますよぉ〜」


「な!?直ぐにエンパイア帝国から妻たちを呼び寄せるのだ!」


「こうしてはおられん!直ぐに村長様にエンパイア帝国への賠償金の代わりに俺たちの妻をこちらへ送ってもらうようにしなければ!」


 ハハッ。

 いや、これじゃ裏切りの英雄じゃなくて、国を滅ぼした元王族でして名が刻まれそうだなぁ。

 ここまでお読みくださり、ありがとうございます。

 少しでも楽しい・面白い・続きが見たいと思って頂けましたら、下にある⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎から評価してくださいますと執筆活動の励みとなります。

 それでは、次回もお楽しみに〜

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