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銀河との交信

蒼介達の乗る宇宙船は地球の軌道上にワープアウトした。蒼介達は東京にある病院に転送された。

 そこはチャマンカ人用に新たに建設された病院で、大翔はそこへカプセルごと入院する流れになったのだ。蒼介は1人で帰宅すると、戸棚にしまった小型通信機を取り出す。

 以前結菜から気が変わってアース・パルチザンに入りたくなったら、その通信機で連絡するよう説明されていたのである。

 どんなテクノロジーを使っているかわからないが通信内容は傍受されないし、結菜が銀河系のどこにいても量子テレポート通信で連絡できるという話だ。通信機は手に収まる大きさの円盤型だった。

 フタを開くと赤いボタンが中央にあり、指で触れると日本語の字幕がボタンの上に浮かびあがる。内容は『呼び出しています』という文章だ。しばらくすると、結菜の顔がホログラムで現れた。

「久々じゃない。どうしたの? まさか連絡してくるなんて。そんなにあたしに会いたくなった?」

 結菜の声にはタバスコとワサビがふんだんに混じっている。

「いや、最近どうしてるかなって思ってさ。元気?」

「別れた女に電話してるみたいな口調ね」

 今度はタバスコとワサビに加えて毒薬もまぶしたようだ。

「言ってろよ」

 自分でも、声がとがっているのがわかる。久々に観た結菜は、あまり変わっていなかった。ぱっちりとした大きな目、よく通る声、まるっこい顔、マシマロのような唇。

「まさか、今さらアース・パルチザンに入会申し込みなんて、しないでしょうね」

「救ってほしい人がいるんだ。宇宙から来たウィルスに犯されてる。地球の医療でもチャマンカの医術でも治せない。可能性があるとしたら、ショードファ人のテクノロジーしかない」

「あんた、ずいぶん勝手な人ね。あたしとあなたは対立する仲なのよ。協力するわけないじゃない」

 炎のように燃える目で、結菜がにらんだ。

「チャマンカとショードファとの戦争には関係ない人道上の話だ。病人は地球人で、チャマンカのドローンが運んできた菌に感染したんだ。強力なウィルスで、事前にドローンを殺菌したにも関わらず、一部の菌が地球まで到達した」

「もし仮に、あたしがショードファ人に働きかけて患者を救うのに成功したら、一体あなたはあたしに何をしてくれるの? まさかあんた、あたしがタダで動くと決めてるわけじゃないよね」



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