6話 転生者会議「シャルロッテ視点」
あの従者は一体……。
シャルロッテ・ローズは、じーっとユメノの下で椅子になっている従者を見た。
ログアウトという目的で転生者を集めた。
でも本当は資源問題を解決するためだということは、全員がわかっているはずですわ。
ログアウト以前に、資源が無ければバッドエンドなのですから。
本来なら資源を取り合う敵同士。
ですがこの状況下で生き延びるためには、協力しなければ。
そうしなければ、この地に根付いている現地国家に呑まれてしまう。
今回の会議で事前情報がほとんどないのが、一週間前に大魔境の真ん前に突如現れたヘキエ王国。
最も重要な資源地帯の前に転移してきたこの国が、私たちの命運を握っていると言っても過言ではありません。
……なぜ、従者が椅子になっているのですか?
資源不足というバッドエンドを回避するためのこの会議で、その示威行為はどのような意味があるのですか?
わかりません。
わかりませんわ!
とにかく仲良くなり懐に潜り込まなければなりません。
でなければ、現地国家に挟まれたローズ王国は資源が枯渇してしまいます。
それにしてもあの従者、堂々としていますわ。
まるであの体勢を恥じていない。
……あの従者こそ転生者の可能性は?
いや、そのようなことは。
ですが……。
そういえば、わたくしの兄がこんなことを言っていたことがありました。
『俺、高飛車な金髪ロリの羞恥プレイ好きなんだよなぁ』
ああ、気持ち悪い。
思い出しただけで吐き気がしますわ!
ですが、今となってはあのヘキエ王国の状況を説明する根拠として機能しています……。
もしこの仮説が正しいなら、交渉相手を見誤っていることになりますわ。
表に立っているのは、ユメノ・ヘキエ・ロードスター。
けれど、実際にこの国を動かしているのは、椅子になっているあの従者。
……違うでしょう。
そう思いたいのに。
思いたいのに、ユメノさんの生気の抜けた横顔と、従者のどこか誇らしげな姿が、兄とダブりますわ……。
後ろに控えている従者が合図した。
ローズ王国の従者の実力を誤認させるために、今日はあえてあまり強くない従者を連れて来ている。
会場の天井付近を見る。
魔力の揺らぎが複数あった。
この場を遠隔監視している目は想像以上に多い。
……やはりここで本来の実力を出すわけにはいきませんわ。
皆さん気付いていらっしゃるはず。
この会議で起こり得る危機を――。




