あと3日 文化祭の朝
今日一話目。計四話投稿です
土曜日。
文化祭一日目。
◇
神崎は目覚ましが鳴る少し前に目を覚ました。
カーテンを開けると、青空が広がっている。
「晴れたな。」
思わず小さく呟く。
今日は高校生活で初めての文化祭。
制服に着替え、いつもより少し早く家を出た。
通学路には、同じように早めに登校する生徒たちの姿が見える。
「今日だね。」
「絶対成功させよう!」
そんな声があちこちから聞こえてきた。
学校へ着くと、昨日までとは景色が変わっていた。
色鮮やかな装飾。
立て看板。
来場者を迎える案内板。
校舎全体が、お祭りのような雰囲気に包まれている。
神崎はそのまま教室へ向かった。
◇
一方、その頃。
白石も家で制服に袖を通していた。
鏡の前で髪を整え、眼鏡を掛ける。
今日は弓道部ではなく、一年一組の一員として迎える文化祭。
部屋を出ると、春乃が笑顔で声を掛けた。
「おはよう。」
「おはよう、お姉ちゃん。」
「いよいよだね。」
「うん。」
「緊張してる?」
そう聞かれ、白石は少し考える。
「……ちょっとだけ。」
「ふふっ、私も去年そうだった。」
春乃は優しく笑った。
「楽しんできな。」
「うん。」
その一言だけで、少し気持ちが軽くなった。
◇
教室には、すでに多くの生徒が集まっていた。
「神崎、おはよう!」
「エプロン運ぶの手伝って!」
「分かった。」
神崎は段ボールを開け、カフェ担当へエプロンを配っていく。
一方、白石はダンス担当の生徒たちと衣装の確認をしていた。
「リボン大丈夫?」
「うん。」
「髪型も大丈夫そう。」
みんな少し緊張した表情を浮かべながらも、笑顔だった。
文化祭はいよいよ始まる。
その期待が教室いっぱいに広がっている。
◇
準備がひと段落した頃。
「神崎くん。」
白石が声を掛ける。
「おはよう。」
「おはよう。」
「今日は忙しそうだね。」
「実行委員もあるからな。」
「そっか。」
白石は微笑む。
「頑張ってね。」
「ああ。」
「白石も。」
「うん。」
短い会話を交わすと、二人はそれぞれの持ち場へ戻っていった。
◇
神崎は文化祭実行委員として校内を見回る。
案内板。
受付。
各クラスの準備状況。
大きな問題はない。
一方、白石たちは教室で最後の飾り付けを整え、ダンス衣装に乱れがないかを確認していた。
廊下を歩けば、どの教室からも楽しそうな声が聞こえてくる。
二年生のお化け屋敷。
三年生の演劇。
文化部の展示。
学校中が文化祭一色だった。
◇
やがて開会式の時間となり、全校生徒が体育館へ集まる。
神崎は実行委員の列へ。
白石は一年一組の列へ。
少し離れた場所にいる二人は、お互いの姿を見つけ、小さく会釈を交わした。
それだけで十分だった。
◇
校長先生の挨拶が終わる。
生徒会長の挨拶。
文化祭実行委員長からの諸注意。
体育館の空気は、少しずつ熱を帯びていく。
そして、司会の生徒がマイクを握った。
「皆さん、お待たせしました!」
静まり返る体育館。
「それでは――」
一拍置いて、明るい声が響く。
「文化祭、スタートです!」
その瞬間、体育館は大きな拍手と歓声に包まれた。
高校生活、初めての文化祭。
それぞれの思いを胸に。
二日間のお祭りが、いよいよ幕を開けた。
次は18:30の投稿になります。




