あと4日 Perfect dancing!
今日も三話投稿です。
前の話と題名似てるので困惑しますねw
放課後。
体育館には、いつもより少しだけ緊張した空気が流れていた。
文化祭前、最後のダンスリハーサル。
これが終われば、あとは本番を迎えるだけ。
私は自分の立ち位置に立ち、深く息を吸った。
ふと前を見る。
少し離れた場所には、神崎くんの姿があった。
最初の頃は振り付けを覚えるだけで精一杯だったのに。
今はちゃんと音楽に合わせて踊っている。
(頑張ったんだな……。)
きっと、家でも練習したんだろう。
そう思うと、なんだか嬉しくなった。
◇
音楽が流れる。
一人ひとりの動きが重なり、一つのダンスになっていく。
何度も繰り返した振り付け。
先生の声。
クラスメイトの笑顔。
全部が少しずつ揃っていく。
途中、神崎くんと目が合った。
ほんの一瞬。
でも、すぐにお互い前を向く。
(……集中しなきゃ。)
自分に言い聞かせるように、もう一度リズムを刻んだ。
◇
休憩時間。
神崎くんはタオルで汗を拭きながら、水筒を手にしていた。
少し迷った。
でも。
(せっかくなら……。)
私は勇気を出して近付く。
「神崎くん。」
「ん?」
「昨日より、すごく上手になってたよ。」
一瞬だけきょとんとした表情を浮かべる。
それから、少し照れくさそうに笑った。
「そうか?」
「うん。」
本当にそう思った。
最初の頃とは比べものにならないくらい、自然に踊れている。
神崎くんは小さく頷いた。
「ありがとう。」
その一言だけで。
胸の奥が、ふわっと温かくなる。
「明日も頑張ろう。」
「うん。」
短い会話。
それだけなのに、今日はそれだけで十分だった。
◇
リハーサルが終わり、片付けをしながら体育館を見渡す。
明日には、この場所にたくさんのお客さんが来る。
文化祭が始まる。
楽しみだった。
だけど。
『一週間以内に、誰かへ告白する。』
生田から聞いた言葉が、不意に頭をよぎる。
あと四日。
その四日の間に。
神崎くんは、誰かを選ぶ。
(……私じゃない。)
そう思わなきゃいけない。
期待したら、苦しくなるだけだから。
それでも。
さっきの「ありがとう」を思い出すたびに。
ほんの少しだけ。
心のどこかで、期待してしまう自分がいた。
残り二話は19:00と20:00に投稿です。




