あと4日 不安な思い
今日は計3話公開しています。すでに1話公開しているのでそちらも見てください。
順番はどちらからでもいいです。
金曜日。
朝、教室へ入ると、思わず足を止めた。
「……わぁ。」
壁にはレンガ風の装飾。
入口には大きな看板。
カフェで使う机や椅子もきれいに並べられ、いつもの教室とはまるで別の場所みたいだった。
「すごいね。」
隣に来た生田も、嬉しそうに教室を見渡している。
「本当にカフェみたい。」
「うん。」
みんなで少しずつ作ってきた教室。
放課後に残って作業をした日も、何度もあった。
その全部が形になっている。
そう思うと、自然と笑みがこぼれた。
◇
ホームルームが終わると、教室はいつも以上に慌ただしくなった。
「神崎!」
「先生が呼んでる!」
「今行く。」
神崎くんはすぐに席を立ち、職員室の方へ向かっていく。
少しすると戻ってきて、今度は実行委員の人と話をしていた。
本当に忙しそうだ。
「神崎くん、休めてるのかな。」
思わず小さくつぶやく。
「実行委員って大変そうだよね。」
生田も神崎くんの方を見ながら頷いた。
「でも神崎くん、頼られると断れないもんね。」
「……うん。」
その言葉に、小さく笑ってしまう。
それが神崎くんらしい。
◇
二時間目の休み時間。
廊下には文化祭のポスターを貼る生徒や、備品を運ぶ先生の姿があった。
学校全体が、文化祭へ向かって動いている。
教室の窓から校庭を見ると、テントを組み立てている生徒たちも見えた。
いつもの学校なのに、少しだけ特別な景色だった。
◇
昼休み。
ダンス班は昼食を早めに済ませ、午後のリハーサルについて確認を始めていた。
「位置、もう一回確認しよう。」
「今日は体育館で最後のリハだよ。」
「いよいよだね。」
みんなの表情にも少しずつ緊張が見え始める。
私も同じだった。
楽しみ。
でも、それ以上に失敗したくない。
そんな気持ちが大きくなっていく。
ふと教室の方を見る。
神崎くんは実行委員の資料をまとめながら、先生と何か話をしていた。
(忙しそう……。)
きっと午後も、あちこち走り回るんだろうな。
私はそっと目を逸らし、深呼吸をする。
文化祭まで、あと一日。
午後はいよいよ、最後のダンスリハーサルが始まる。
次は、20:00の公開です。




