あと4日 文化祭前日
金曜日。
文化祭前日。
登校すると、校舎の雰囲気はいつもと違っていた。
廊下には案内板が並び始め、文化祭のポスターもほとんど貼り終えられている。
教室へ入ると、机の配置も大きく変わっていた。
カフェ用のテーブル。
入口の看板。
壁一面の装飾。
数週間かけて準備してきた教室は、もう普段の教室ではなくなっていた。
(あと少し。)
文化祭実行委員として見ると、確認したいことはまだ残っている。
それでも、大きな問題はなさそうだった。
◇
ホームルームが終わると、担任が前へ立つ。
「今日の午後は各クラス最終リハーサルだ。」
「忘れ物だけはするなよ。」
「文化祭は準備も本番のうちだからな。」
教室のあちこちから「はーい」と返事が聞こえる。
どこか浮き足立った空気だった。
◇
一時間目と二時間目が終わる。
休み時間になるたび、先生や実行委員から声が掛かった。
「神崎。」
「ちょっと確認いいか。」
「はい。」
展示場所。
備品の数。
当日の動線。
細かい確認を一つずつ終わらせていく。
文化祭は、一つでも準備を怠ると当日に影響が出る。
だから妥協はしたくなかった。
◇
二時間目の休み時間。
教室へ戻ると、桐生が看板を眺めていた。
「結構いい感じじゃね?」
「ああ。」
「ここまで来ると楽しみになってくるな。」
「そうだな。」
「神崎も少しはワクワクしてる?」
そう聞かれ、完成した教室を見渡す。
ここまで全員で作り上げてきた。
その達成感はある。
「成功するといいな。」
自然と口をついて出た。
桐生は笑う。
「それ、お前らしい答えだわ。」
◇
昼休み。
昼食を終えた教室では、それぞれ午後の準備を始めていた。
ダンス班は体育館へ向かう準備。
カフェ班は最終確認。
実行委員は校内の見回り。
神崎も資料を手に席を立つ。
午後はいよいよ、文化祭前最後のリハーサル。
忙しい一日になりそうだった。
まだ知らなかったと思いますが、一応この日が白石の誕生日となっています。
神埼の誕生日は、8月16日です。




