↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
君を好きになるのは、一週間だけのはずだった。  作者: 松茸の香料
君を好きになるのは1週間だけです

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
79/94

あと5日 〜神埼編〜

今日は四話投稿予定です。19:00分頃にあと二話を公開するのでそちらも見てください。

 木曜日。


 文化祭まで、あと二日。


 朝から教室は慌ただしかった。


「神崎!」


「ガムテープなくなった!」


「分かった。」


 返事をして、倉庫へ向かう。


 文化祭実行委員になってから、こんなやり取りは何度目だろう。


 必要な備品を借りに行き、足りない物を確認し、クラスへ運ぶ。


 その繰り返しだった。


◇


「ありがとう!」


 ガムテープを渡すと、男子たちはすぐに看板作りへ戻っていく。


 教室を見渡せば、数日前とは別の場所のようだった。


 壁にはレンガ風の装飾。


 窓際には観葉植物。


 カフェの看板も、ほとんど完成している。


(あと少しだな。)


 文化祭実行委員として見ると、細かい修正点はいくつもある。


 だが、それでもクラス全員が少しずつ形にしてきた成果が見えていた。


◇


「神崎くん。」


 声を掛けられ振り向く。


 白石だった。


「これ、どこに付ければいいかな?」


 手には小さな木製プレートがある。


 カフェの案内板らしい。


 神崎は教室を見回した。


「入口の横かな。」


「あ、そっか。」


「ありがとう。」


 白石は頷くと、小走りで入口へ向かっていった。


 少しして。


「神崎ー!」


 今度は桐生が呼ぶ。


「こっち手伝って!」


「ああ。」


 今日は一日中、誰かに呼ばれている気がした。


◇


 昼休み。


 本来なら休憩時間だが、教室にはほとんどの生徒が残っている。


 それぞれ自分の担当作業を進めていた。


「神崎。」


 桐生がカッターを動かしながら笑う。


「実行委員、大変だな。」


「まぁ。」


「文化祭終わったら倒れるなよ。」


「終わったら休む。」


「真面目だなぁ。」


 そんな会話をしていると。


「神崎くん。」


 また白石だった。


「脚立使う?」


「いや、大丈夫。」


「じゃあ押さえてるね。」


 神崎が飾りを貼っている間、白石は脚立が動かないように両手で支えていた。


 作業が終わる。


「ありがとう。」


「ううん。」


 それだけ言って、白石はダンス班の方へ戻っていく。


(助かった。)


 脚立は意外と不安定だ。


 支えてくれる人がいるだけで作業はやりやすい。


 それ以上でも、それ以下でもない。


◇


 放課後。


 体育館から音楽が聞こえてくる。


 ダンスの最終確認が始まったらしい。


 一方、神崎は教室でカフェの備品を確認していた。


 コップ。


 メニュー表。


 注文票。


 不足はない。


「神崎。」


 文化祭実行委員長が教室へ入ってくる。


「各クラスの準備状況を確認するぞ。」


「はい。」


 神崎はチェック表を手に取り、先生と一緒に廊下へ出た。


 文化祭まで、あと二日。


 成功するかどうかは、最後の準備にかかっている。


 だから今は、それだけを考えればいい。


 一週間ルールのことは。


 忙しさの中で、ほんの少しだけ頭の隅へ追いやられていた。


次の投稿は9/16日です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。