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15-1話




衆治と離別し単身で晴斗のもとを目指す智琉は、大きな空間が広がるフロアに辿り着いた。

智「広いとこに出たな」

智琉は周囲に気を配りながら慎重に広間に足を踏み入れた。広間には大小様々なガラクタがそのまま放置されていて非常に雑然としていた。

智「この広間を突っ切るのが上への近道なんだが……」

?「それを通す訳にはいかないんだよな」

智琉は突然した声に驚き、その方向を向いた。そこには広間に散らかる大きなガラクタの一つの上に立つ一人の男がいた。

?「智琉ってのはお前だな?」

智「確証は無いが、お前が昌気か?」

昌「へえ、衆治から聞いたのか?当てずぽだとしても正解するのは凄いな。そう、昌気ってのは俺の名前だ」

そう言うと昌気はガラクタから飛び降り、智琉に近づきながら手にカードを具現化した。

智「!」

それを警戒する様に智琉も右手にカードを具現化させた。

昌「まあ待て待て、そう構えるな。言葉も無しにアンノウンをぶつけ合う程俺は血の気が早い訳じゃねーからさ」

智「じゃあ何でカードを出した?」

昌「………………念の為?」

昌気は智琉に向けて少し首を傾げた。

智「俺達の始末を晴斗に言われてるんじゃないのか?」

昌「そりゃあ敵意が無いと言えば嘘になるが、かと言って快楽で人殺してる訳じゃねーしな。殺せとは言われたが晴斗あいつだって殺さなくていいならそれに越した事は無い筈だ。なんなら俺から晴斗に言ってやるぞ、歯向かう意思は無いってな」

智「……それは俺への気遣いか?」

昌「それもあるが、まあ一番の理由は晴斗だな。あいつの負担を少しでも減らして、その上新しい戦力も増やせれば円満解決じゃないかってな」

昌気の心情を智琉は理解した。その上で自分の意思を智琉ははっきりと言い放った。

智「お前の言いたい事は分かった。けど俺は晴斗のやろうとしている事に賛同は出来ないし、お前達があいつをどう思ってようがそれは変わらない。晴斗の野望を止める、それが俺達の目的だ!」

智琉の回答に昌気は驚く事は無く、寧ろ納得した様に腕を組みながら顔を頷かせた。

昌「まあ、言ってみただけさ。今ので心変わりするくらいなら晴斗も殺せなんてまで言わない筈だ。よく分かったよ」

昌気はカードからアンノウンが出現させた。

昌「UCアンノウンカード"七人の侍"」

カードから現れたのは、それぞれ侍の姿に刀を帯刀した七体のアンノウンであった。

昌「お前達の考えはよく理解した。そういう事なら手加減無しにお前の首を討取る。文句は無いな?」

智「ああ、望むところだ」

智琉も又、レッド・ドラゴンをカードから出現させた。互いの戦闘準備の整いを確認した昌気は七人の侍をレッド・ドラゴンに向けて一斉に突撃させた。

昌「そら!」

ギラつかせた刀を構えて襲い掛かる七体の侍に向けて智琉はレッド・ドラゴンのエネルギー弾を無数にばら撒き放った。しかし侍達は飛来してくる弾を一発一発、刀で斬り払うと二体が右へ、もう二体が左に、残りの三体がそのまま直進しレッド・ドラゴンを包囲する様に陣形を取った。

智「まずい!」

智琉はレッド・ドラゴンの翼を広げ空中に飛ばして回避させた。それを追う様に七人の侍はガラクタを踏み台にジャンプし、飛び上がった侍を他の侍が足場にして更に空中高く飛び上がりレッド・ドラゴンに追いつくと、振りかざした刀を勢いよく振り下ろした。

智「嘘だろ!?」

智琉は咄嗟にエネルギーを広げレッド・ドラゴンと侍の間に何層ものエネルギーの壁を形成した。しかし、振り下ろされた刀は壁をことごとく貫くと、その刀身はレッド・ドラゴンへと到達した。エネルギー壁での防御でダメージは最少に抑えられたものの、その刀の勢いでレッド・ドラゴンは地面へと叩き付けられた。

智「強い……」

態勢を立て直そうのするレッド・ドラゴンにすかさず二体の侍が襲い掛かる。その攻撃を後方へ飛んで回避するも、そこにもう一体の侍が待ち構えていた。即座に上昇しようとした時、先程空中で斬り掛かった侍が降下してきてレッド・ドラゴンに蹴りを加えた。なんとか持ち直しそれを振り払うレッド・ドラゴンに七人の侍は尚も攻撃の手を緩めなかった。

智 (シザーハンズ程のパワーとスピードは無いが、この数を相手するのは厄介だ)

勢いを増す怒涛の攻撃に智琉は息をつく暇も無かった。

昌「面白い絵面だな。剣の腕に自信のある強者つわもの七人のドラゴン退治って所か。神話か童話にでもありそうだな」

昌気は軽口を叩きながら自身の余裕を見せつけた。七人の侍の攻撃に智琉はレッド・ドラゴンのエネルギーで弾を放ち続けたり動きの妨害を試みるも、それらは全て侍達の持つ刀で一刀両断に斬り捨てられるだけであった。

智「レッド・ドラゴンって刃物持ちに対して相性悪過ぎるだろ」

高度な連携で攻め立てる七人の侍に智琉は徐々に疲労が見えてきた。それは必然的にレッド・ドラゴンの操作精度の低下を明確に提示していた。その僅かな動きの遅れを昌気は見落とさなかった。

昌「捉えた」

昌気の操作のもと、七人の侍は俊敏かつ鮮やかな連携でレッド・ドラゴンの周囲を囲う様に立つと瞬く間に斬り掛かり、一瞬で七撃の太刀をレッド・ドラゴンに浴びせた。

智「ぐわっ!」

智琉は体を押さえながらその場に膝を着いた。

昌「へばるにはちっと早いぞ」

智「はあ……はあ……」

今の時点で智琉の体力はかなりの消耗を強いられていた。

智 (このままじゃ、まずい)

昌「どうした?まだまだこれからだぞ」

尚も昌気は次の攻撃の準備を整えていた。




続く



《人物紹介》

張口はりぐち 昌気まさき

身長170cm 16歳

嫌いなもの:クセの強い駅のアナウンス


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