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11-1話




智琉と衆治の二人は人気ひとけの離れた墓地にやって来ていた。近くの町の人からこの墓地に関して不穏な話を聞いた為、独自に調べに来たのだった。

智「町から離れた墓地に怪しい噂って、ありきたりだけどヤバい感じがするな」

衆「と言っても、その正体はアンノウンだろうな。幽霊的なモンじゃないと思うぞ」

智「幽霊的なアンノウンだったら夜隙のゴースト&ダークネスがあったけどな」

衆「はは、もし奴が今また現れたら笑えないな」

智「笑いながら言うか?」

冗談を言い合いながら二人は辺りを調べていった。天気は一面の曇り空で、昼間にも関わらず薄暗い雰囲気が漂っていた。

智「それにしてもこの墓地、なんか異様だよな?」

衆「聞いた話だとこの墓に入ってる仏はみんな火葬されてないらしいぞ」

智「え?それってつまり……」

衆「遺骨じゃなく遺体そのものが眠ってるって訳だ。所謂いわゆる土葬ってやつだ」

智「不気味……って言うのは失礼か。ていうか俺も爺ちゃんの事はそのまま土に埋めてるしな。どうこうは言えねーか」

真相が分かると智琉は納得した。その後も二人は調査を続けていった。

衆「そっちは何か見つかったか?」

智「別に何も。カラスが不気味に鳴きまくってる以外は可笑しな事は…………!」

その時、智琉は目に映った状況に言葉を詰まらせた。

衆「どうした?」

智「衆治、これ……」

智琉の元に駆け寄った衆治もその状況を見て驚いた。智琉達の前には一つの墓があったのだが、その下の土が大きく掘り下げられており中にあったであろう遺体はその姿を消していた。

智「これはどういう事だ?誰かがこの墓を掘り返したのか?」

衆「分からん。だが、掘り返したにしては退けられている土の量が僅かだ。これ以上無いくらいに最小限の量で。いやそもそも、スコップとかで掘り返した跡さえ無い。寧ろこの中から這い出て来たみたいに俺は見える」

智「じゃあ……何か?この中の死体が勝手にこの墓から出て来たって言うのか?」

衆「…………」

智琉の問いに衆治はどうとも答える事が出来なかった。衆治はもう少し奥を調べようとした。すると、その墓から僅かに離れた一つの墓も同じ様な状況に置かれていた。

衆「妙だな。なんでこんな事に……」

?「まさかこんな場所で再び会うとはな」

突然の声に智琉と衆治はその発声元を振り向いた。そこには智琉達と同じくらいの歳であろう鋭い眼光の男が立って二人を見ていた。一瞬衆治の方を見た智琉は目を見開いて驚愕した表情の衆治の姿を目に映した。

智「ど、どうしたんだ衆治?」

衆治の見開いた目はすぐ戻り、即座に睨み付ける様な目をその男に送った。

衆「……何故お前がここにいる?晴斗」

智「晴斗!?」

智琉は驚くと共にすぐさま男に視線を戻した。

晴「驚いている様だが、それは俺も同じだ。しかし、こうしてまた出会ったという事は何かしらの因果でも働いているのだろうな」

智「衆治、あいつがお前の言ってた……」

衆「……晴斗だ。俺にとって少しばかり因縁のある相手だ」

今自分達の目の前にいる男がどういった人間なのかを智琉はまだ殆ど理解してはいない。だが、衆治の対応を見ただけで並々ならない相手だという事は充分理解出来ていた。

晴「貭耶から知らせは入っている。智琉というのはお前か?」

晴斗は智琉に目を向け問いを投げ掛けた。

智「……そうだ」

晴「俺達が差し向けたあの二人もお前達で払い除けたらしいな。見事だ」

智「二人ってのは達八と封駕の事か」

衆「けしかけた本人が何言ってんだ?元凶の何もかもはお前自身だろ」

晴斗に対する衆治の態度は依然として粗悪なものだった。

晴「衆治、お前は俺達の招きを無下にし、仲間を二人殺めた。その上でまだその様な振る舞いを見せるか?」

衆「お前に対する俺なりの回申かいしんとでも思っておけ」

晴「……その侮辱とも言える態度は俺から見ても目に余る。いずれ俺自ら出向いて毒牙にかける必要も考えてはいたが、よもや偶然鉢合わせるとはな」

衆「足を運ぶ手間が省けて良かったな」

晴「とは言え、お前の実力にはまだ俺も目を見張るものがある。今俺達のもとに加わると言うのなら今までの事は忘れ、その上で寛大に受け入れよう。無論そこの智琉も同様だ。お前達の現状をかんがみても悪い話ではないだろう?」

晴斗の持ち掛けた提案に衆治は即答した。

衆「生憎とお前に情けをかけられる程まだ落ちぶれちゃいないんでな」

晴「…………そうか。ならば仕方ない」

衆治の回答を聞いた晴斗は納得したかの様に手にカードを具現化させた。それを見て衆治も咄嗟にカードを具現化し臨戦態勢をとった。

智「衆治、今まで聞かなかったが晴斗のアンノウンに関してどのくらい分かってんだ?」

衆「はっきり言って何も分からん」

智「分からんって!」

衆「奴のアンノウンの名前や能力どころか、その姿も今まで見た事は無い。だが、この場で奴に背を向けて逃げる気はもっと無い。あくまでも俺はあいつとケリを付ける」

そう言った衆治の顔は智琉が見てきた中で最も真に迫る表情をしていた。

智「……分かったよ、俺も付き合う」

衆「智琉……」

智「前も言ったけど、俺に出来る限りでお前を守る約束だからさ」

衆「……ありがとな。頼もしいぞ」

智琉もまた自分のカードをその手に具現化させた。




続く



《人物紹介》

階崎かいざき 晴斗はると

身長169cm 16歳

嫌いなもの:シンメトリーな絵


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