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6-3話




シザーハンズ身構えたのを見て達八は冷たい熱帯魚の青色の魚を衆治目掛けて突撃させた。

達「威力は最弱でも何発、何十発と喰らえばダメージは甚大だ。青い奴のスピードはかなり速い。そう簡単には避けらんねーぞ」

あっと言う間に青い魚達は衆治との差を詰め、持ち前のスピードで襲い掛かって来た。しかし、衆治とシザーハンズはその向かって来る魚を一匹一匹正確に確実に触れる事もかする事もなく避けていった。まるで魚達がどこに来るかを分かっているかの様に。

達「何だよ今の?なんか妙な動きだったな。何したんだよ?」

衆「教えやしねーよ。お前と違って俺は一方的なのは別に嫌いじゃないからな」

達「そうかよ、まあいい。全部避けれるってんならよ、避けてみろよなあ!」

達八はさっきの倍程の青い魚を衆治に放った。衆治はやって来る魚をまたシザーハンズの能力でスローにし、軌道を読んで安全な方向へ回避し続けた。

衆 (触れさえしなければ良い。魚に触れなければ奴の攻撃は通らない。そしてこのまま……)

その時、衆治は自身の身の危険を感じた。衆治の背後から爆薬を積んだあの列車が猛スピードで衆治に向かって来ていた。魚の突撃を回避した先の地点は列車が丁度通過する場所だったのだ。一瞬早く気が付いた衆治は即座に隣の線路道へ飛び移り列車との衝突を回避した。

達「かーっ、おっしい。もう少しで人身事故だったのになあ」

衆 (俺が列車に轢かれる様に魚での攻撃で誘導していたのか。なんて野郎だ)

衆治は列車の通るであろう道から離れようと後退したが、その先からも行く手を阻む様に冷たい熱帯魚の群れが衆治に襲い掛かって来た。止むを得ず衆治はその魚から離れるが、逃げた先には再び列車が衆治の存在もお構い無しに突っ込んで来る。冷たい熱帯魚とアトミック・トレインの連携に衆治は苦戦を強いられていた。

衆 (まったく訳の分からない奴だ。何が一方的は好きじゃないだ、これほど一方的な戦い方もないもんだぞ。それにまだ分からない事がある。何故奴はあんなにも余裕でいられるんだ?もしあの列車があの中心地に辿り着けばこの空間が崩壊する程の大爆発を引き起こす。そうなればあいつも無傷ではいられない。いや、普通に死ぬだろう。死を覚悟してる様子にも見えない。という事は、爆発を防ぐ手段が奴にはあるという事か。身を隠せるシェルターの様なものが)

衆治は飛び交う魚と迫り来る列車を紙一重で躱しながら周囲を熱心に観察した。

衆 (一番可能性が高いのは奴のいる中心地だろう。だが最初に見た時にそんな仕掛けがある様には見えなかった。こうして遠くから見ても隠れられそうな場所は無い。ならば反対側か。あの列車が入っていたあの車庫なら、スペースも耐久性も条件に当てはまるかもしれない。いや無理だ。奴が今いる場所からあの車庫までは距離があり過ぎる。今から奴が向かったとしても恐らく列車が中心地に着くのが速いだろう。だとすると残るのは……)

衆治の考察も他所に、達八は自らのアンノウンの攻撃を更に激しくした。

達「たまには冷たい熱帯魚でとどめを刺すってのもやってみたいしな。ここらでいっちょ畳み掛けるか」

達八は全ての魚を衆治に向けて狙いを定めた。三色全ての魚が衆治に照準を合わせ向かって来ると同時に、そこにタイミング悪く列車も突入して来た。衆治の逃げ場は完全に無くなった。

達「終わりだ!」

その時、衆治は走って来た列車の出っ張りをシザーハンズで掴み、更に自分もそれに捕まる事で列車の上にあがったのだった。

達「何やってんだあいつ」

衆治は列車のスピードによろけながらも列車の屋根を調べ始めた。

衆「残るはここだけだ。何かあるとすればこの列車に何かしらの仕掛けがある筈だ。身を隠せる場所か、もしくは爆発を停止させられる装置が」

猛スピードで走る列車の上で衆治は念入りに自身の考えられる可能性を調べた。しかし、鋼鉄の鎧の様な列車の外壁には開きそうな所やスイッチの様なものは一切見当たらなかった。

衆 (どういう事だ。この列車には何も無いのか?それとも、奴が爆発を回避する手段なんて元から無いのか?まさかそんな……)

衆治が不意に顔を上げた時、目の前に冷たい熱帯魚の黄色が三匹じっとして衆治との衝突を待ち構えていた。走る列車の上に乗っている衆治は列車の軌道上にいる魚に自ら当たりに行く形になってしまっている。衆治は又もやシザーハンズで盾にする事で自身の魚との直接の接触を回避したが、シザーハンズに触れた魚が起こした爆発により衆治はシザーハンズ諸共列車から転げ落ちた。

衆「はあ……はあ……」

達「随分とボロボロになってんな。終わりは近いって事か」

度重なる達八の猛攻に衆治は酷く疲弊していた。

達「お前がさっきなんであの列車に飛び乗ったのか大体の検討はついてる。お前気になってんだろ、俺がどう爆発を回避するかを」

達八の口から出た言葉に衆治は思わず驚いた。

達「このCC(コンディションカード)に連れてこられた奴はみんなそれを探る。この空間の目に入る怪しい箇所を隅々までなあ。一種のお約束だ。だが、ぐるぐる走り回るあの列車に直接飛び乗るなんて奇行に出た奴はお前が初めてだ。ある意味凄えぞ」

達八は衆治を嘲笑いながら拍手した。

達「そこまでして頑張ったが残念だったな。この空間内に特に仕掛けは無い。このカードはちょっと特殊でな、本来 CC(コンディションカード)から出るタイミングは二人同時だ。だがこのカードに関しては使用者である俺が一瞬早く外に出られる。つまり、爆発の瞬間お前だけを残して俺だけこの場から逃げる事が出来るって訳だ。どうだ、これがお前が知りたがってた事実だ」

達八から聞かされた答えに衆治は真っ直ぐ達八を見て言った。

衆「という事は、俺が助かるにはお前を倒すしか無いって事だな」

達「そういう事だ。てか、最初にそう言った気がするが」




続く


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