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4-3話




衆「智琉、お前は出口を固めてろ。逃げられない様にな」

智「ああ」

智琉は衆治の後方に立ち逃げ道を塞いだ。

吉「二人掛かりなら俺に敵うとでも思ってんのか?」

衆「いや、俺一人でも充分だとは踏んでるが」

衆治の言葉に吉隆は分かりやすくイラついた。

吉「ちっと舐めすぎだろ。どうなっても知らねぇぞ」

吉隆は手に持ったカードから自分のアンノウンを出現させた。

吉「UC(アンノウンカード)"オールド・ボーイ"」

二人の前に写真に写っていたアンノウンが姿を現した。体の大半は包帯で巻かれており、包帯の隙間からは機械仕掛けの体が見えている。目には大きなゴーグルの様なマスクを着けた人型のアンノウンだった。

衆「お前のアンノウンの力、見定めさせてもらう」

衆治もシザーハンズを自らのカードから出現させた。

吉「ああ、見せてやるよ。だがその前に、この邪魔なモンを取っ払わないとな」

そう言うと吉隆はオールド・ボーイで自分の背後に掛かっていたシートを引き裂いた。破れたシートの向こうから外の日差しが入って来た。

吉「これで空気の流れが良くなったな」

吉隆の操るオールド・ボーイが左手を広げてかざし、衆治達に対し一振り仰いだ。すると部屋の中に物凄い勢いの突風が吹き込んで来た。その風に衆治達は大きく後方に押し飛ばされた。

衆「ぐっ、何だいきなり!?」

吉「風を起こしたんだよ、途轍(とてつ)もねえ暴風をな。俺のオールド・ボーイはほんの少し手で仰ぐだけで強力な風を起こせる。竜巻って程凄えのは起こせないが、お前らをぶっ倒せる程度は簡単だ」

吉隆の言葉を聞きながら衆治は立ち上がった。

衆「風を操るのか。これはまた随分とシンプルな能力だな」

吉「ああ、俺にピッタリだ。そら、かかってこいよ。近付いて来れんならな」

吉隆は手招きして挑発した。

衆「智琉、どう思う?」

吉隆の挑発を余所に、衆治は振り返らずに後ろの智琉に喋りかけた。

智「どうって何がだ?」

衆「あいつは風を操る能力で俺のシザーハンズを近づけさせないつもりらしいが、その場合俺はどんな手を打てば良いと思う?」

智「それは分からないが、重力を操る様な能力の奴に比べたらそこまで恐ろしい相手じゃないと思うぞ」

衆「そうだな、俺もそう思う。あいつのアンノウンの能力はザルだ」

衆治の返した挑発に吉隆は物の見事に腹を立てた。

吉「舐め腐りやがって、てめぇら病院送り確定したからな!」

衆「そりゃ困るな。グリーンピース一粒食べるのも一苦労だ」

衆治はシザーハンズをオールド・ボーイ目掛けて突撃させた。

吉 (速え!だが……)

吉隆も即座にオールド・ボーイでさっき以上の強風をシザーハンズに向けて放った。風はシザーハンズに直撃した。が、シザーハンズの勢いは殆ど衰えなかった。

吉「何!?」

予期せぬ出来事に吉隆は驚きを隠せなかった。シザーハンズはオールド・ボーイが放った風を受けた時、レッド・ドラゴンのエネルギーを体に纏っていた。シザーハンズが突撃した瞬間、智琉はレッド・ドラゴンを呼び出し即座に三角形の形になる様にエネルギーでシザーハンズを覆った。尖った面を風が来る方向に向ける事で上手く風よけの役割を果たした。

シザーハンズのハサミによる斬り掛かりにオールド・ボーイはすぐそばにあった鉄の棒を手に取り咄嗟に防御したが、シザーハンズはそれをいとも容易くぶった斬りオールド・ボーイの腹に強力な一蹴りを与えた。オールド・ボーイは持ち主である吉隆目掛けて吹き飛び、吉隆諸共そのまま外へと押し出された。吉隆は二階から飛び落ちる形で地面に激突した。

吉「ぐはああっ!」

それを追う様に外に飛び降り、地面に着地した。

衆 (思った通り、智琉のサポートは優秀だ。これなら何も問題無い)

衆治は少し離れた場所に飛ばされた吉隆に歩み寄りながら語り掛けた。落下の衝撃で体を打ったのだろうか、吉隆は僅かに吐血していた。

衆「もう諦めろ。見たところまともに戦える状態じゃないだろ。大人しくしていろ」

衆治の言う通り、今の吉隆は立ち上がるのが精一杯と言った状態であった。しかし、吉隆の目は未だ反抗的な目をしていた。

吉「言ったよな、俺のアンノウンは風を操ると。風ってのは空気が移動して起こる現象だ。言うなればオールド・ボーイの能力は空気を操る能力とも言えんだよ」

衆「確かに捉えようによってはそうかもしれないな。で、それがどうした?」

吉「空気には色が無い、無色透明だ。俺のアンノウンの力は目に見えない力だ」

衆「質問の答えになっていないんだが」

吉「見えてないのか?見えないよな、何せ空気だからな。今お前の頭の上がどうなってんのかなんて気にも止めねえよな」

吉隆の言葉に衆治は咄嗟に上を向いた。衆治の頭上には巨大な鉄骨が四本、ふわふわと宙を舞っていた。

吉「見えたか?そこにあった建築資材の一部を拝借した。今お前の頭上にある物は風の力で空中に固定しているから宙を飛んでる様に見えている。その風を解除すればあの鉄骨はお前目掛けて降って来る。どうだ、想像したくもねえだろ」

吉隆は満面の笑みを顔に浮かべながら衆治に脅しかけた。が、衆治はその脅しに冷ややかに回答した。

衆「お前なあ、自分がそんな事言える状況にあると本気で思ってるのか?」

吉「あ?何スカしてんだよ。お前こそ自分の状況が分かって……」

吉隆がそう言った瞬間、衆治の頭上の鉄骨にレッド・ドラゴンが飛んで来た。レッド・ドラゴンは宙に浮いていた鉄骨を全て掴むと自身の口から出したエネルギーで四本とも完全に溶かしてしまった。衆治の背後には建物の出入口から出て来た智琉がレッド・ドラゴンを操っていた。呆気にとられてる吉隆に衆治は言った。

衆「諦めろ。お前の負けだ」




続く



《人物紹介》

役坂やくさか 吉隆よしたか

身体170cm 22歳

嫌いな物:曲がる部分の無いストロー


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