第4話 コニファーの友人(side:イスクール)
「入学して最初にできたお友達なの」
嬉しそうに話すコニファー。
その女性が、デュボア・コンソール。
彼女との会話の中でよく出るようになった名前。
コニファーには上に兄がいる。
可愛がられていたが、彼女が姉妹というものにあこがれていたのを知っている。
『お姉様や妹がいるのってどんな感じかしら? 同性だからいろいろ相談できるだろうし、一番身近な親友のような存在かな? それって素敵よね!』
よくそんな話をしていた。
「デュボアはいつも落ち着いていて所作も美しくて、素敵な令嬢なのよ。同い年だけど大人っぽいの」
コニファーと会うと彼女の事ばかり話すから、僕は見も知らぬ令嬢にいつも嫉妬していた。
その内、噂の友人を紹介したいからと、お茶会に誘われた。
そこで初めて彼女に出会った。
「初めまして。コニファーの婚約者で、イスクール・シュルテンと申します」
「………」
「あの?」
彼女からの返しがない事に戸惑いながら声を掛ける。
「…失礼いたしました。私はデュボア・コンソールと申します。以後、お見知りおき下さいませ」
「こちらこそ」
お茶会は穏やかな空間の中で行われた。
「デュボアはね」
「デュボアが」
「デュボアって」
…はぁ…コニファーが夢中になってデュボア嬢の話をする。
彼女の事をべた褒めしているが…僕にはその良さがよく分からなかった。
確かに美しい令嬢ではあるけれど、コニファーの方がずっと魅力的でずっと可愛い!
…と、比べてはいけないな。
ましてやコニファーの友人だ。
そう…
友人だ……
そこで僕は、はたと閃いた!
彼女ならコニファーの学院内での様子が聞けるのではないか?
コニファーから学院の話はよく聞いていた。
けど、僕が知りたい事は別にあった。
コニファーの周りに男が近寄っていないかという事だ。
女子学院といっても男が皆無という事はない。
教師、非常勤講師、庭師、事務職員、その他諸々。
もしくは別の学院の男子生徒の接近。
彼女の通う学院の近くには、共学の高等学院があるからな。
本当は、コニファーと僕は同じ高等学院へ行くつもりでいた。
しかし…僕たちの間には学力の隔たりがあり、その願いは叶わなかった。
コニファーに無理を強いるのは憚られる…
だから、今の女子高等学院へ行く事になったコニファー。
僕もコニファーがいなければ、他の令嬢と関わるつもりはなかったので男子高等学院へ入学した。
けど、心配は尽きなかった。
男性教師に肩を触れられているのではないか、
庭師にからまれているのではないか、
他学院の男子生徒から言い寄られているのではないか…
そんな妄想が、次から次へと湧いて来る。
ああ、けどそんな事、コニファーに聞けるはずもない。
そこで思いついた。
デュボア嬢から情報を収集しようと。
そしてコニファーに近づく男がいたら徹底して回避してもらいたいと。
コニファーが席を立った時に、その申し出をした。
デュボア嬢は快く受けてくれた、良かった。
しかしこの事がこの先、コニファーと僕との間に誤解が生じる事になるなんて思いもしなかったよ。
僕ただ…君の事を全て知っておきたかっただけなんだ…




