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夜叉姫は龍神の花嫁になりましたが、実は最強の水属性魔法使いでした  作者: 水鏡 季夜里
番外編

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24/25

三人揃ってー

なんだこりゃー

雨は止んだ。

潤った大地。

満ちた川。

だが――

「……おかしい」

清乃が、低く言う。


「水が……減ってる」

早霧が顔を上げる。


「減るって、そんな急に――」

「あり得る」

即答。

「流れが不自然に速い」

「どこかで、“抜かれてる”」


夜叉姫は、

少し離れた場所で、

空を見ていた。


(……感じる)

水の流れが、歪んでいる。

まるで――

“奪われている”


三人合流して、

清乃が言う。

「原因、山の奥」

早霧が振り向く。

そして――

夜叉姫を見る。


一瞬、間。

「……行くよ」

短く、それだけ。


三人が並ぶ。

以前とは違う距離。

でも――

同じ方向を向いている。


山奥に

進むほどに、空気が変わる。

湿っているのに、

冷たい。

生命が、薄い。


発見した!

開けた場所。

そこにあったのは――

黒く濁った水。

地面に、円形の陣。

水が、そこへ吸い込まれている。


清乃が

しゃがみ込み、観察する。

「……人工的」

指で土をなぞる。

「誰かが、水を“集めてる”」


早霧が

周囲を見渡す。

「誰かって……どこに――」


その瞬間。

ズズ、と音がした。

地面の奥から、

何かが動く。


出現

黒い水が、盛り上がる。

形を持つ。

歪な、人型。


「……足りぬ」

濁った声。

「もっと、水を……」


夜叉姫

目を細める。

(……水の残滓)

これは、龍神になりきれなかったもの。


いざ、戦闘開始

黒い水が、襲いかかる。


早霧が叫ぶ

「来る!」

即座に動く。

夜叉姫の前に立つ。

逃げない。

今度は――

逃げない。


清乃は冷静に

「核があるはず!」

周囲を観察。

流れを見る。

「中心、あそこ!」

陣の一点を指す。


夜叉姫の役割

静かに手を上げる。

「……わかった」


早霧が動く。

敵の攻撃を引きつける。

「こっちだ!」

黒い水が、追う。


清乃

「今!」


スキル発動!

夜叉姫の瞳が光る。

《大雨召喚》

だが――

今回は違う。


雨は、降らない。

一点に、集まる。

空中で、水が圧縮される。


一直線に――

核へ。

貫通


黒い水が、弾ける。

叫び。

消滅。


そして静寂

元の森に戻る。

水の流れも、正常に。


三人、

しばらく、誰も動かない。


早霧が、笑う。

「……やれるじゃん、私たち」


清乃、小さく息を吐く。

「効率は……悪くなかった」


夜叉姫は、

少しだけ、目を細める。

ほんの少しだけ、

近づいた。

「……ありがと」


風が吹く。

今度は、自然な風。

三人で立つ。

同じ場所に。


(これなら――)

(まだ、いける)


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