二人のアイドルとあの軍団と僕⑫
翌日の学校で、僕は放課後に柊木さんと白樺さんと話していた。
「白樺さんはしばらく体調不良ってことで真夜ドクはお休みしてもらうよ。いいね?」
「ええ」
白樺さんは目を伏せながら頷いた。柊木さんが心配そうに眉を八の字にする。
「みーたん、調子悪いのぉ……?」
柊木さんにも白樺さんがレッドくんたちと会っていたことは伝えた。でも、彼女はその事と今回のお休みを結びつけて考えられないようだった。僕はそれを説明するのも憚られて、柊木さんがそう思ったのならそのままにした方がいいのかもしれないと考えて口を噤んだ。
「みーたんがお休みしてる間、ルゥがんばるね!」
気合いを入れて宣言する柊木さんのことを、白樺さんは複雑そうな顔で見つめる。
「みーたんに頼らなくてもルゥだけでいろいろできるよーになる! だから……」
キラキラと輝く黒目がちの瞳で、柊木さんは白樺さんをまっすぐに見つめた。
「ルゥを嫌いにならないで、みーたん」
白樺さんは目を見開いてから、わずかに顔を逸らせて呻くような声を漏らした。
「嫌いになんか……」
白樺さんは小さな声で「ならないわ」と言ったように聞こえた。あるいはもしかしたら「なれないわ」と言ったのかもしれなかった。彼女の中で、柊木さんはどういう存在なのだろう。一緒にいるのが当たり前の女の子だったはずなのに。
アイドル活動さえ始めなければ、彼女たちは今みたいな状態にならずに済んだのだろうか。彼女たちをアイドル活動に引き込んでしまったのは間違いだったのだろうか。
隣り合う二人の女の子を見て、僕はどうかこの二人の関係は崩れないでほしいと願った。




