説明
説明回です、喋りっばなしです
「およそ70日前、全世界の精霊達が何かに反応したそうです。もちろん私の精霊も。
声が聞こえる者によればある場所に行きたがっているという事でした。
ただ声が聞こえる者でも、人同士で話す様に明確に会話できるものでは無いらしく、どこかは分からないとの事でした」
「70日…多分ワシがここに来た時かな」
「そうかと思われます。
それから7日後全ての精霊術士に命令が下りました。四名家連名による命令でした。私達は驚きました。あの仲の悪い奴らが連名?余程の事があったのだろうと。そしてその命令の内容がこの山を調査する事でした。
あんなクソ共の命令など聞きたくありませんでしたが、聞かないと何をされるか分かったものではありません。最悪精霊を奪われる可能性すら有るのです。
そして調査団が結成されここにやって来ました。
ここのふもとに着いたの6日前、他の地方の調査団もおりそれらと合流し山を登りました。
そして頂上について驚きました。精霊の力が一切使えないのです。
空気が薄く風が吹き荒れ一瞬毎に変わる天候、寒波と熱波が交互に襲い砂埃で少し先も見えない。
そんな世界で精霊の力が使えないのは死と同義でした。
だからでしょうね、調査団は私は置いて下山しました。名目上は調査の続行、本音は四名家に責められない様に生け贄として。
新参なのに四名家に反抗的なのが気に食わなかったのでしょう。
同じ様に四名家に反感を抱いている者達も居ましたが、彼らの連れている精霊が帰還に必要な力である為連れていかれました。
一応食糧や水などは渡されましたが、ほとんど吹き飛ばされました。倒れるのに1日はかからなかったと思います。
そして精霊王様の精霊様方に助けられ、今ここでこうして生きていられます。」
「大変だったね……いくつか質問いいかな?」
「もちろんです」
「まず四名家と言うのは?」
「精霊術士界隈を仕切るクズ共ですね。四家の初代達は四大精霊に名前を付けれるほどの力が有り、その力で莫大な権力と富を手に入れたそうです」
「……名前を付けるのと言うのはそんなに大事なのかい?」
「精霊王様ならそう思われるかも知れませんが、本来精霊に名前を付けると言う行為は大儀式なのです。正しく行えば精霊と術士、共に力が増すと言います。
しかし現在主流になっているのは精霊に無理やり名前を付け隷属させる方法です。姿無き精霊を名で縛り捕らえやすくし契約で縛る、更に四名家の初代達は家名まで付け子孫が受け継げる様にしました。そして恐らくその時名付けられた精霊と言うのが…」
「うちの子達という事か…」
「はい。しかしその名前を精霊王様が上書きし契約が無くなってしまった。慌てた四名家はその原因究明の為に私達に命令を出した。
今回の命令はそういう事情だったのでしょう
最早どうしようと取り戻せる訳も無いのに…良い気味です」
「わっるい顔で笑うなぁ」
「ッ!王の御前で失礼しました」
「いやいや、その位自分を出してくれた方が付き合い安いよ。
それと王と呼ぶのは止めてもらえないか?ワシは精霊の王であって君の王では無いのだから。正直こそばゆいんだ」
「しかし……いえ、分かりました。福太郎殿」
「そうそう、そんな感じで頼むよ」
(わたしたちもさまはいりませんよ)
(むしろなまえでよんでほしいですわ)
(そうだね、それだとぼくらもうれしい)
(いいな!なまえでよべよ!)
(よんで!よんで!)
「随分と気に入ったようだね?………さっき殺しかけたくせに」
(そこはいいの!おいとくの!)
(こいつはあいつらのわるさをしってるから!)
(あいつらがきらいならぼくらとおなじたから)
(いつかつぶしにまいりましょう)
(みんなほどほどにね?)
「と、言う事はやっぱり前の名前を付けたのは四名家という人等なのかい?」
(あいつらうそつきやがった!)
(ぼくらをだました)
(すこしだけだって!ちょっとだけだって!)
(いつかかならずつぶします)
(まわりにめいわくかけないようにね?)
「だからあれほどあの名前を嫌がってたのか…でも隷属させられてたというわりに、みんなずっとここに居なかった?」
(ただのひとにぼくらはしばれない)
(でもちからのいちぶがうばわれましたわ)
(したのこたちもめいれいされちゃった)
(そっちもいつかとりかえす!)
「…なるほど?じゃあ最後の質問なんだが精霊の力が使えない?すごい天気?本当に?」
(あぁそれはおれらのせい、おうのしれん)
「え!?」
(おうさまのまえにだれもかれもこられてはこまりますから)
(おうさまにあうのにおうさまのけらいをつかうのはまちがってるでしょ?)
(じぶんでがんばってほしいよね!)
(これにかんしてはわたしたちはゆずるきはありませんよ?)
「う~ん……お手柔らかにね?でもじゃぁ何で今回は助けたんだい?」
(((((ナイショ~)))))
「…そうか、じゃぁいつか教えてもらえるのを楽しみにしよう。それでシュンローさん、この後どうされますか?帰りたいのであればお送り致しますが、少し滞在されて行ってはいかがでしょう?」
「福太郎殿、どうか私の事はシュンローと、敬称など入りません。お言葉もどうか同じように」
「…ん、わかった。それでどうする?」
「ぜひお言葉に甘えさせて頂きます」
こうして八重樫家に初めての客人が泊まる事になった




