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次の人生も女神嫁と共に  作者: 八木杉 ケイシ
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19/42

激怒

 エルフのシュンローの体力が会話出来るまで回復するのにそれほどかからなかった

 恐らく軽い脱水症状と栄養不足だったのだろう

 そしてそこから救ってくれた者に礼を言いたい気持ちは十分に理解できるものである

 だが質問の言葉選びが悪かった


「貴方はこの屋敷の従者ですか?主殿にお礼を言いたいのですがお会い出来ますか?」


 その言葉に嘲りや愚弄など一切無かった、それ所かどう見ても自分より年下の者に対しても優しく丁寧な対応だろう

 しかし助けてやった者が自らの王を従者と軽んじる発言を精霊達は我慢できなかった


(((((シネ)))))


 火球が顔面に迫り、ウォーターベッドが体を締め付け、風の刃が首もとを狙い、土塊が頭上から押し潰さんとし、腹の中の果実が突き破らんと成長し、シュンローの命を奪う──


「やめんかあああ!!!」


 瞬間に福太郎の怒声がなり響いた

 目で見て止めたのではない、それでは間に合わない

 力の発動を感じ取ったのだ

 全ての力がシュンローの命を奪うギリギリで止まりそのまま霧散した


「申し訳ない客人、少し待っていてもらえますか」

「えっ…ええ」


 シュンローには何が起きたか理解出来なかった

 ただ自分が死ぬ寸前だった事は頭ではなく体が理解していた

 汗が吹き出し悪寒と動悸が止まらないのだ

 そんなシュンローを落ち着ける為に一旦席を外す福太郎

 ただ目的はそれだけではない


「さっき何をしようとした?」


 シュンローに聞こえぬ様に少し離れた部屋に移動し精霊に問う

 もちろん何をしようとしたか等分かりきっている

 それでも問う


(…だってあいつ…あいつ…)

(はんせい…してます…)

(ごめんなさい…ごめんなさい…)

(カッとなって…)

(がまんできなくて…)

「…みんなはあの行動が正しいの思ったのかい?」


 問い詰めるのではなくゆっくり諭す様に聞く

 しかし質問に対して誰も答えない

 それでも『ちがう』という思いは伝わっている

 もし体があれば一斉に首を振っていただろう

 答えない、答えれない理由は幼子が涙を我慢する為に声が出せないような物だ


「…そうか、みんながそう思ってなくて安心したよ。ならこの話はおしまいだ、あとでちゃんと謝るのを忘れないように」

(…おこらないの?)

「みんなはワシの為にあんな事をしたんだろう?そしてそのやり方が間違っている事を認め反省もしている。そんな子達を怒れないなぁ」

(((((…おうざま~))))


 その声には最早我慢仕切れない涙が溢れていた

 精霊も涙を流す様だ

 もしも精霊達に体があれば撫でて抱きしめられたのに、福太郎には残念でならなかった


「ただし、こんな事を言えるのは何も無かったからだ。取り返しのつかない事に成らないよう気をつけてくれ」


最後に釘をさしておく。しかし皆素直で良い子達だ、二度は無いと信じている

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