睡眠具
その日の晩御飯は野菜炒めの様な物だった
食材の野菜が家の柱から生えてくる光景は驚くものがあった
その食材が宙に浮き切り刻まれ擬似IHで炒められる
未知の野菜ばかりだったが美味しかった、美味しかったが主菜がない
これまでの食事も果実や木の実だけだったりと栄養バランス的には誉められたものではない
健康な時は一汁三菜を欠かさなかった男だ。出来ればどうにかしたい
しかし色々と食糧を出してくれてるキーに文句を言うほど福太郎は恥知らずではない
自らの力で食糧事情を改善しよう!
心の中でそっと誓った
問題はそれだけではない
睡眠環境だ
布団や枕が無いのである
それを作れないか頼もうとしてた時に名前問題が発生したのですっかり忘れていたのだ
(今からでも作れないか頼んでみるか……いや、止めておこう。楽しんでる所に水を差すのは良くない。そう!水を差したくないから声をかけないんじゃ!決して名前を呼び続けるのが嫌な訳じゃないんじゃ!)
心の中で言い訳をする福太郎
精霊達は名前貰ったうれしさから今もお互いの名前を呼び合っていた
今はまだ落ち着いた方で、名付けた直後は福太郎に名前を呼んでと迫り続け、色んなパターンで名前を呼ぶ事を強要されていた
頼み事をしようとすればまた巻き込まれるかも知れない
福太郎はそれを恐れていた
もう日が暮れるまで名前を呼び続けるのは勘弁願いたいのだ
(キーは植物を生やせる、ならばワシにもできるはず…しかし綿を生やしてもそれを繊維にする方法も織る方法も知らん!どうすれば…)
布団を作る方法を考えるが良いアイデアは出てこない、しかしここで発想の転換が起きた
(気持ち良く寝れれば布団じゃなくても構わんじゃないか!例えば…水!ウォーターベッド!)
福太郎は大きな水球を出した、いや球では無かった。長方形の水の塊だ、それこそ成人男子でも寝転べれそうなほどの。
その水塊の粘性、弾性を高め寝そべって見る
「お!お!お!お!おぉ~~!!」
ズブズブと体が埋まっていく。
あまりの感触に声が出てしまっている。
服に染み込まない様にも操作、頭が当たる部分を枕とし、そこを少しだけ固くする
今の福太郎は大きな水塊に体を埋め頭だけが出ている
例えるならば湯船のへりに頭をのせ体を浮かしているような状態だ
(何じゃこの、感触は!たまらん…)
温度を操れば夏は涼しく、冬は暖か。虫も付かず洗濯も不要。汚れてしまえば即新品。可変サイズでお好きな大きさ。
異世界にて究極のウォーターベッドが完成した
福太郎は朝までぐっすりだった
精霊達は朝まで呼び合ってた
ふたつの意味でスイミング




