命名
「い…いや、そんな簡単に名前を──」
(いいかんがえ!)(それいい!すごいい!)(さんせい!)(じゃぁわたしにも!)
精霊達はノリノリである。これは止まらない
(まぁ…名前をつけて喜んでもらえるならやるべきかな)
「だがワシにはネーミングセンスが無い!本当に良いのかい?」
(いいよ!)(王様がつけてくれるのがだいじ!)(はやくはやく!)(たのしみ!)(うれしいなぁ)
精霊大盛り上がり
「よし、それじゃぁ…
『火の精霊・ヒー』
『水の精霊・スー』
『風の精霊・フー』
『土の精霊・ツー』
『木の精霊・キー』
これでどうだろう?」
ネーミングセンスうんぬんの問題では無い、もはや何も考えていないのではと思われるほど安直な名前である。実際ほぼノータイムで名前を出してきた。前の名前の方がよっぽど良い
だが精霊達は違ったようだ
(やったー!)(あたらしいなまえ!)(いいね!いいね!)(ぼくツー!)(わたしキー!)
精霊達大興奮
まさか子供の命名があまりにひどかった為、嫁と両親に全く関わらせて貰えなかった男の命名が気に入られるとは、本人も思っていなかった
「…本当にその名前でいいのかい?」
(いいよ!すごいい!)(おうさまありがとう!)(おうさま!わたしのなまえよんでー!)(ぼくもよんでほしい!)(キー…わたしのなまえ…エヘヘヘ~)
どうやら本当に喜んでくれているらしい
(前の名前の方が良いと思うんじゃがなぁ、ネーミングセンス無いんじゃろうか)
お前が言うなである
しかし、実際それに近いものがある
精霊達にとって大事なのは福太郎に名付けられる事である
名前の良し悪しはあまり気にしていない
「名字が必要なら八重樫を使うといい」
『ヒー=ヤエガシ』
『スー=ヤエガシ』
『フー=ヤエガシ』
『ツー=ヤエガシ』
『キー=ヤエガシ』
それが精霊達の新たな名前となった
ただ福太郎は知らない、力持つ者が名前を付けるというその意味を
それを教えてくれるエルフ、シュンローが来るのはまだ先だ
こうして精霊の王たる福太郎から名前を上書きされ、精霊術界を牛耳り莫大な権力と財力を持つ四名家、エリクション家、ケイヴ家、ラクルテル家、ヴォールフォート家の契約から、四大精霊が開放された




