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次の人生も女神嫁と共に  作者: 八木杉 ケイシ
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名前

「あ゛あ゛あ゛ぁ゛~」


 福太郎が外見に見会わぬおやじ臭い声を上げる

 しかし、見た目は子ども・頭脳は老人である以上それも仕方なかった

 なんたって久しぶりの風呂!

 ここ最近はずっとタオルで体を拭いてもらうだけだった

 ありがたいし申し訳なかった、そして何より風呂が恋しかった

 だがもう入れないであろうと理解もしていた

 それが健康な体で一人でゆっくり入る事が出来る

 残念ながら石鹸やタオルは無かったので体はお湯で流すだけだったが、それでも充分に満足できた


 体を風で乾かし服を着る

 服は風呂に入っている間に洗濯機で洗っておいた

 正しくは洗濯機の振りをした精霊達が洗っていた

 子グリフォンについばまれたのに破れもほつれもしていない

 神の作りし衣服はそんな物とは無縁だった

 しかし、替えの服が無いのは問題だった

 タンスはあったが服が入ってなかったのだ


(どうにかせんとな、あの子達は服は作れないんじゃろうか?綿とかを木の子におねが…)


 ここで福太郎は重大な事に気づいた


(しまった!あの子達は自分が何の精霊かは言った、しかし名前は聞いておらん!)


 ここまで精霊達に面倒を見てもらっているのに、名前すら知らない。

 恩知らずと言われても言い訳は出来ないだろう


「みんな、聞きたい事があるんだがいるかい?」

(なに~?)


 声は一人分だが五人全員いるのは分かる


「ここまで世話に成っておきながら聞くのが遅くて本当に申し訳無い、みんなの名前を教えて貰えないか?」

(((((…………)))))

「………あれ?」


 今まで聞いたことに元気よく答えてくれていたのに全く喋らない

 それどころか不快感まで伝わってくる

 地雷でも踏んだのだろうか


(…わたしはなまえないよ、つけれるようなひといなかった。でもみんなは…)


 木の精霊だと言っていた子だ、他の子より少しゆっくり喋る

 しかし、名前が無いのは問題だか他の子の嫌がりようも問題だ


(あれか!?キラキラネームか!異世界にもあるのか…」


 八重樫一族にキラキラネームはいないのでテレビで見ただけだがすごいもんだと衝撃をうけた事を思い出していた

 そしてもちろんそんな訳がない。かなり明後日の方向だ


「イヤなら言わなくていい、無理する事はない。誰にでも人に言いたくない事はあるものだよ」

(……キングスレイ=エリクション)

(……テレンティア=ケイヴ)

(……ファイディ=ラクルテル)

(……ドアン=ヴォールフォート)


 上から火、水、風、土の精霊の名前だ。

 その声にいつもの快活さはみじんも見られない、よほど名前が嫌いらしい


(普通に海外でありそうな名前じゃな、ここではそんなにヒドイ名前なのか?)


 もちろん名前自体に変な意味などない、だがこの名前をつけられているという事が問題だったのだ


「そんなにその名前がイヤなのかい?」

(イヤだ!)(ふまん!)(キライキライ!)(さいあく!)


 本当に非難轟々である。今までで一番強い意思すら感じる

 さすがにそんな名前を呼ぶわけにもいかず福太郎がどうしたものかと悩んでいると水の精霊が意外な提案をした


(王様!あたらしいなまえちょうだい!)


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