王妃、王女の救出作戦
遊星達は、ホテルの主人から、王妃、王女、生きて
いれば王子もの救出を依頼された。
王宮が見渡せる場所から、王宮を眺める。
王宮は3階建ての大きな宮殿である。魔人幹部達は
この中で暮らしているのであろう。
従者達は元からいる従者だろうが、もし王が殺され、王妃
や王女が慮辱されていたとしたら、どれほどつらい思いで
働いでいるだろうか、
王宮のどこかに王妃と王女は幽閉されていると考える。
「先ずは、忍び込んで情報を探るしかないか」
遊星は、忍び込むメンバーを、影姫カレン、村娘セレナ、
真姫ノアとした。
遊星、神楽、テラは近くに待機して、万が一の時には
救援に赴く事とした。
王宮の入り口には2人の魔人が警備している。
セレナ、ノア、カレンの3人はどこから侵入するかを
考えていたが、姿も気配も消した上でバルコニーに
転送した。
村娘ノアも、真姫ノアも遊星を通して影姫カレンの
姿を消すスキルや祇園神楽の転移するスキルを共有
していた。
遊星の妻達は12人が目標であったので、その目標は
達成した事になる。
但し、現世にいる羽衣は遊星のスキルはまだまだ不足
していると言っており、新目標は追加12人と考えて
いるらしい。
バルコニーに転送した3人は、誰もいない部屋をサーチ
する。セレナとノアは2階から入って、セレナは1階に
降りて1階で情報活動、ノアはそのまま2階で情報活動。
カレンは外壁に足場を創りながら3階まで登り、3階で
活動する事にした。
2階のバルコニーの左側に移動したノアは誰もいない
部屋を見つけて転移で室内に侵入した。
2階の右側に移動したセレナも同じように右側の誰も
いない部屋から中に侵入した。
3階に移動したカレンは3階の誰もいない部屋から
中に侵入した。
遊星が不安視するのは魔物のパワーを共有していない
カレンであり、ミラにすべきだったかとも考えたが、
隠密活動の実践経験が長いカレンに来たいして送り
込んだのである。
ー王宮1階ー
セレナは1階に降りて、炊事番、洗濯番、掃除番
の従業員の会話を中心に聞き回った。
「王妃様は、悪徳商人や悪徳貴族の相手をされて
いるとか」
「王女様は、今は鉄壁の魔人の相手をされている
らしい」
「王子さまは、魔人の妃や、女魔人達の相手を
しているそうです」
「メイド達も美人のメイドは魔人の相手をさせ
られているとか」
「私たちは、年齢的に若くなくてよかったと
思うわ」
セレナが聞いた情報からは、
「王妃は、悪徳貴族や悪徳商人の相手をさせられて
いる様子」
「王女は鉄壁の魔人に相手をさせられているらしい」
「王子も女魔人達の相手をさせられているらしい」
ー王宮2階ー
ノアは、各部屋の調査を行った。
大広間には誰もいない。
魔人達は客室を使用しているようだ、
人間の気配もするのは、悪徳商人か?
ここには、王妃、王女、王子は見当たらない。
ある場所から、魔人達の話し声が聞こえる。
ティールームだろうか、
魔人達の話し声
「今回、武器屋を乗っ取った商人は、先日占領した
王国の商人でもあるが、その王国に新しく娼館に
入った女2名を魔人様に献上する為に明日連れて
来るらしい」
「その女達は、新人冒険者だったらしいが、仲間の
男達は殺して、女を生かして連れて来るらしい。
この女たちは手つかずの状態らしい」
ノアは武器屋を襲わせた黒幕かと怒りを覚えた。
ー王室3階ー
影姫カレンは3階に忍び込んだ、
サーチ能力で気配を探る。
王の寝室やリビングの部屋と思われる中に、
鉄の魔人と、その妻と思われる気配がする。
扉の前には2人の魔人護衛がいる。
その前を通り過ぎても気が付かれないのは、
自分の透明スキルと、ノアの気配隠ぺいスキルの
おかげで気が付かれない。
さらにそこを過ぎると、魔人が1人づつ立っている
3つの部屋がある。ここに王妃、王女、王子が幽閉
されているのであろう。
1人1人別な部屋が与えられているのは、別々に
ここで慮辱する為であろうと推察する。
取り合えず、居場所が分かったので、借家に
戻る事にした。
ー借家にて作戦会議ー
遊星と妻達とホテルの主人でセレナ、ノア、カレンの
調査結果を確認する。
カレンが、
「王妃、王女、王子は王宮3階に夫々個別の部屋を
与えられている様です。部屋の前には監視役の
魔人が1人ずつ立っています」
「鉄壁の魔人は、王と王妃の部屋にいます。ここの
部屋の前には2人の護衛魔人が立ってます」
セレナが、
「王妃は悪徳商人や悪徳貴族に、王女は鉄の魔人に、
王子は魔人妃や女魔人に夜は慮辱されていると
思われます」
ノアが、
「明日、鉄壁の魔人あてに、武器屋を乗っ取った
商人が二人の女性を連れて、魔人に献上する為に
連れてきます。二人は冒険者のメンバーだった様
ですが男は殺されて女性だけが殺されずに拉致さ
れて連れて来られるようです」
遊星が、
「両方助ける為の会議を開こう」
ー王族家族と冒険者の救出作戦ー
ホテルの主人が
「両方助ける為の作戦は?」
遊星が
「王族3名は夜のお相手で夜は助けられない。
冒険者二人は、王宮に来る前に助ける必要が
ある」
「王族3名は朝飯が終わって部屋に戻った後、」
冒険者2人は、その後、王都に入る前の道中
で助ける」
「王族家族3名の救出は王宮に侵入して、王妃、
王女、王子がどこにいるのか、魔人がどこに
いるのかを確認して、問題ないと判断した時に
部屋の中に転移して救出する」
「そのメンバーは、遊星、カレン、セレナ、ノア
の4人で行う」
次に、遊星は冒険者救出の作戦を話す。
「冒険者2名の救出は、道中で行うが、護衛には
鉄壁の魔人配下の下級魔人が護衛していると考
える。下級魔人のバリア強度はカレンを助けた
ときに戦った魔人と同程度と考えるので、妻の
パワーで十分破壊出来ると考える」
「魔人と戦うメンバーは、スイレン、エレナ
スイレンは業火の魔王との戦闘経験から、
エレナは剣を扱わせたら仲間の中でも最強
だから」
「冒険者を救出するメンバーは神楽とテラ」
「バックアップとして、ミラ、ライア、フウカ、
火山島での経験もあるので様子を見て救援が
必要な時は魔人との戦いに入る」
ミラが、
「神楽とカレンは先に魔物とスキルを共有して
きた方が良いのではないでしょうか」
遊星が、
「そうだな、先に行って来よう」
遊星とミラは神楽、カレンをつれて森林の大陸に
転移した。
ー王宮救出作戦開始ー
遊星、セレナ、影姫、ノアは王宮の側に到着。
朝飯が終わって部屋に戻ったり、食堂にいたり、
王宮広場に出ている。想定外はバルコニーに
出ている魔人もいる。
遊星は、
「さてどこから入るか」
カレンが、
「王妃、王女、王子は3階にいますので、3階の
夫々の部屋に直接入りましょう」
取り合えず、姿と気配を消して広場に入る。
遊星はサーチ能力に最も優れたセレナに、
「3階の部屋をサーチして、王妃、王女、王子
の部屋を確認してくれ、他にだれもいなけれ
ば良いが」
「王女はひとりです」
「王子も一人でいるようです」
「王妃には、誰か人間が付きまとっている
様です。魔人ではなさそうです」
遊星が、
「王女にはセレナが行ってくれ」
「王子にはカレンが行ってくれ」
「王妃にはノアが行ってくれ」
「王妃も側にいる人間も眠らせて、その人間を
どうするかはそこで考えよう」
その頃、王の部屋では、鉄壁の魔人と魔人妃が
話をしていた。
魔人妃が
「あの貴族が王妃にご執心で、朝食後も王妃から
離れないけどどうします?」
鉄の魔人が、
「民から吸い上げて、金や食材を持ってきてくれる
ので役にはたつが、困ったものだ取り合えず今日
はお引き取り願おう」
と部屋を出た。
遊星、セレナ、カレン、ノアは作戦通り、王妃、
王女、王子の部屋に姿を消し気配も消して転移した。
セレナは王女の部屋に転移すると、王女の口を
塞いで、更に眠らせた上で借家まで転移した。
カレンも王子の部屋に転移すると、背中を触って
眠らせて、借家まで転移した。
ノアと遊星も王妃の部屋に転移したが、意地の
悪そうな顔をした貴族がしつこく王妃の腰に手を
腰に廻して太腿を触っている。
遊星は、
「邪魔だな」
ノアが二人を触って眠らせた後、王妃を抱いて
転移しようとする。
遊星は思案する。
「ジャッジメントを使うか、このままにして
おくか」
そこへ、鉄壁の魔人が入って来た。
遊星は、遊星のパワーが通じるか試したくなった。
通じなければ逃げれば良い。
遊星はノアに
「先に行ってくれ戦ってみる。勝てそうもなければ
逃げる」
ノアは王妃を連れて転移した。
遊星と鉄壁の魔人は剣を構えてにらみ合う。
魔人が上段から剣を振り下ろして来た。
遊星はそれを受け止める。
「重い」
それでも、剣で応戦出来る。隙を見て魔人の胴に
渾身のパワーで切りつけたが、魔人のバリアで
通じない。
その後、何度か打ち合った末に、遊星は逃げる事
にした。転移を行おうとしたところへ、魔人の妃
が入ってきて右手を突き出した。
遊星の転移が阻害される。魔人の剣が遊星の胴を
切り裂く。
その時、鉄の魔人が別な方角を見る。鉄の魔人の
顔面から2m程離れたところに小さな空間が開く。
鉄の魔人は剣を持ってない方の左手を突き出して
手のひらを開きバリアを張った。
魔人妃が右手をその空間の方に向けたが魔法阻害
は間に合わなかった。矢が空間を抜ける。
それでも矢は魔人のバリアで落とされた。
その間に遊星は転移して借家に転移した。
遊星が倒れた床には、遊星の血が床に広がっている。
鉄の魔人が、
「手ごたえはあった。かなりの深手だ、まず助から
ないだろう」
魔人妃が、
「王妃、王女、王子と逃がしたが、どうしましょう」
鉄の魔人は、
「かなり遊んだから、もういいだろう。新しい女も
明日来るし、お前の遊び相手も新たに見つければ
良い」
ー冒険者救出作戦ー
一方、冒険者救出メンバーは、高台から冒険者の
女性2人を運んでいる馬車を見つけた。
その時、念波で遊星が切られたとの連絡がテラに
入った。
テラは他のメンバーに、
「遊星が切られて重傷との事。私は遊星を助ける
為に借家に戻ります。後の作戦変更はエレナに
任せます」
そして、テラは借家に転移した。
エレナは場所を眺めサーチする。
馬車には御者の人間が1人、その横に魔人が
座っており、馬車の中に女性が2人ともう一人
魔人が乗っている。
エレナが作戦を指示した。
「御者に神楽がジャッジメントの剣」
「御者の隣の魔人は私が相手する」
「馬車の中の魔人が出てきたら、スイレンが
相手して」
「ライアは私のバックアップ、フウカは
スイレンのバックアップをお願い」
エレナが
「さあ行こう」
神楽は馬車の御者の前に仁王立ちし御者に
ジャッジメントの剣を突き刺した。
御者は生きていた。戦意はない。
悪人ではないようだ。
御者の隣に座っていた魔人が、御者の前の
神楽に剣を振るうが、神楽は転移してそこを
離れた。
馬車の前にエレンが姿を現す。
魔人が馬車から降りてエレンの前に立つ。
魔人が剣を上段から振り下ろす。それをエレナ
が剣で受け止める。
「まずまずね」
更に右・左と剣を打ちこんでくる。それもエレナ
が剣で受け止める。
「後は、私の攻撃がバリアを通るか」
エレナは、何度か魔人の攻撃を受けてから、
魔人の腹を左から切りつける。
魔人の腹を切り裂けない。
「普通には切り裂けないか」
魔人が、俺を倒せんぞと考えたか、エレナを
馬鹿にしてニヤリと笑ったのがわかった。
エレナは。
「少しパワーを上げましょう」
魔人が力任せにエレナに対して剣を振るって
くる。
エレナは、それを舞いながら剣で防ぐ。
そして、
「一角獣の角」
剣で魔人を突き刺した。そして剣を引き抜く。
魔人は崩れ落ち膝をついたのち前方へ倒れた。
馬車の中から、魔人が出て来た。そして倒れている
仲間の魔人を見る。その前に立っているエレナを見る。
その魔人は、右手に剣を創り出す。
エレナを睨みつけた魔人だったが、その前にスイレン
が横から現れて仁王立ちして魔人を見る。
魔人は、エレナからスイレンに視線を移した。
魔人は、エレナもスイレンも女性で、2mを超える
魔人に比べて明らかにきゃしゃな人間であり、
仲間の魔人が殺られた事が信じられずにいた。
それでも、魔人は気を取り直し、スイレンに対して
剣を構えて向かって行った。
魔人は剣を片手で右、左、上とはたき込んで来るが、
それをスイレンが剣で受け止める。
魔人は剣を両手で持ち直すと、上方から力任せに
振り下ろす。
スイレンは、左手に盾を創り出すとそれを受け
止めてから、剣で相手の胴を切り裂こうとすると、
魔人は後ろに下がってバリアの幕を自分の周りに
創った。
スイレンは、魔人に突進して
「ベヒーモス」
胴を真っ二つに切り裂いた。
「強すぎたかも」
遊星の妻達は、馬車の中にいた2人の冒険者女性を
保護して借家に転移した。
ー少し前の借家ー
遊星がケガして借家に戻ってきたころ、
ノア、セレナ、カレンが倒れて現れた遊星を見て
騒いでいる。
セレナが混乱している
「どうしよう、どうしよう」
カレンが
「ヒールを掛けよう」
ノアが念波をテラに送る。
「テラ、借家に戻って、遊星がケガして危ない」
遊星が、
「大丈夫、危ない部位は自分でヒールで修復した
後はテラが来れば」
テラが転移して現れた。そして、すぐさまヒールを
掛ける。
「内臓と動脈は修復してあるので、あとの部位は
私が治療するので、セレナ、ノア、カレンは
ヒールの補助をして」
「遊星は、暫く休養が必要ね」




