阿・修羅
業火の魔王を討伐した後の休息場所として、
王の別荘で休養する様にと貸し出してくれた。
崖の上の草原で崖の下は海である。
そこに別荘が立っていて、見晴らしの良い
場所である。
遠くに西の王城が浮いているのが見える。
テラが、
「王様も気が利くね」
テラが別荘の外に出ると、そこに夢見羽衣と
祇園神楽が現れた。
テラは、この二人を知っている様で、
「羽衣さん、神楽さん、今日はどうしたの?」
羽衣が、
「遊星に頼みたい事があるけど中にいる?」
テラは二人を連れて別荘内に入った。
「誰か遊星を連れてきて」
スイレン、ライア、フウカ達は、
「誰?誰?新しい妻?」
そこにノアが2階から降りてきて
「羽衣さん、神楽さん、お久しぶりです」
スイレン、ライア、フウカ達は、
「ノア、知っている人たちなの?」
セレナが、呼びに行って遊星と一緒に
2階から降りて来た。
遊星が
「羽衣、神楽何かあったか?」
羽衣は
「遊星に助けて欲しい人がいるのです」
遊星は二人を家の中に通して、リビングの椅子に
座らせた。対面に遊星が座り。周りの椅子・椅子に
妻達が座った。
夢見羽衣が口を開いた「ずいぶん、奥様達が増えた
のですね。えーと、セレナさん、エレナさん、
スイレンさん、ライアさん、フウカさん、ミラさん、
そしてテラとノア」
遊星は、
「テラとノアは知っていたんだ」
羽衣が
「彼女たちが遊星に合う前に、遊星の事を伝えて
いただけですけどね、キューピットとして」
「現世の香織も入れて9人ですね、初期目標である
妻12人までもうすぐですね、救世主として一歩
は前進したと言えますね、後はお子様が生まれて
くると将来的に安心ですが」
テラとノア以外の妻達はそれまで不信感を隠さずに
いたが、お子様と聞いたときにはお互いに顔を
見合わせながらほほ笑みあった。
遊星は、
「それで本題は?」
妻達は、改めて真剣な顔になり、羽衣が話すのを待った。
羽衣が言った
「一度現世に戻って、ある女性を連れてきます」
「その女性に私は、阿・修羅と名付けました。
恐ろしい程の破壊力がある攻撃魔法を放つ事が
できます」
「助けて欲しいのは、彼女は全く魔力のコントロール
が出来ないのです。魔素を据えるだけ吸って爆発的
に放出する」
「何と言うか、ドバ~と吸ってドバ~と吐き出す事しか
できない。敵だけでなく、見方も巻き込んでしまう。
とても戦いに出すことはできません」
「日本で、最強とも最凶とも言える魔法使いです」
遊星が
「分かった連れてきてくれ、面倒を見るよ」
夢見羽衣と祇園神楽は、現世に一度戻った。
スイレン、ライア、フウカ達は
「最強とか、最凶とか言ってたよね」
「化け物的に強いって事だよね、アマゾネス
見たいな大女じゃないの」
セレナが、
「魔法使いって言ったから、魔力が強いって事
だよね、ミラ見たいな魔法使いかもしれない。
そうであれば大女ではないかも」
エレナが、
「現世では、阿修羅ってどんなイメージ?
羽衣が名づけたって言うけど」
遊星は、
「阿修羅とは、確か戦闘神で三面六臂。三面は
三つの顔と6本の腕。三面とは、怒り、苦悩、
悟り。六臂は強大な力だったか」
スイレン、ライア、フウカ達は
「顔が3つで腕が6本ってやっぱり化け物
じゃない」
妻達は、その夜は夫々怖い夢を見たようだ、
修羅を連れてきたらどんな姿だろうかと不安げ
だった。
ー阿・修羅来訪ー
朝9時ごろに祇園神楽が1人の女性を連れて来た。
神楽よりも背の低い可愛いらしい少女であった。
遊星の妻達は創造と違って唖然としている。
神楽が、
「この娘が阿・修羅です」
かわいらしい少女がかわいい声で
「阿・修羅です。よろしくお願いします」
遊星の妻達は、ホッとした事と、彼女が可愛い
こともあり、皆次々に少女を抱きよせては、
「仲良くしようね」
と言いながら、部屋の中に通した。
遊星は、
「午後になったら、早速だけど君の魔法を見せて
貰う。それまではゆっくりして、年齢的に近そう
なセレナに任せる」
昼食を皆で取っている時に、セレナが
「彼女は私と同じ16歳で、身長は153cm、
家族は両親と兄が1人との事です。魔法は、
火・水・雷・風・氷・岩・土の攻撃系魔法が
使えそう?との事です」
神楽はテラとノアと一緒に過ごしていたようだが、
神楽が、
「修羅の魔法を使うなら、海の上空が良いと思い
ます。破壊しないように、前方1km先には
何もないところで」
午後2時頃に、全員で西の王城より数キロメート
先の海上まで飛竜に乗って飛んで行った。
修羅は遊星と一緒に赤竜に乗って飛んで行く。
神楽はテラと一緒に青竜で飛んで行き、他の妻達は、
別々の飛竜で遊星の後ろをついて行った。
そして遊星の赤竜の上に立った修羅が、
先ずは炎の魔法を放つ。魔素を体一杯に吸収し、
炎として前方に放つ。巨大な炎が1km先位まで
走って行く。
妻達が
「凄い!業火の魔王の炎より凄いのじゃないの」
次に水魔法を、魔素を体一杯に吸収し、
とてつもない太さの水流となって1km先まで飛ばす。
妻達が
「凄い!ミラの水魔法に匹敵するかも」
その後、風魔法、雷魔法も放ったが、
同様に強烈な魔法であった。
最後に、氷魔法を行う。魔素を体一杯に吸収して、
海上に氷の魔法を放つ1km先位まで海の表面が
短時間ではあるが凍り付く。
スイレン、ライア、フウカが、
「全魔法が高位魔法で、遊星の世界だけでなくて、
この世界でも最強じゃないの?遊星の妻になって、
遊星がスキル共有し、私達にも遊星から共有して
貰えば私たちは誰にも負けないんじゃないの」
遊星の赤竜に乗っていた修羅がふらついたので、
遊星が修羅を抱きかかえた。疲れて眠ったようだ。
遊星がテラと神楽と、側にいたノアに言う。
「修羅の魔法力は凄いが、致命的な欠点がある。
周りを巻き込む心配よりも、修羅の命が奪われ
かねない」
「取り合えず、今日は修羅を休ませるために
戻ろう」
スイレン、ライア、フウカ達の側にノアが
近づいて、
「修羅には致命的な欠点があるそうよ」
ミラが近づいて来て、
「魔素吸収に時間がかかりすぎている。その間
無防備になる。それを知られたら、魔素吸収
している間に殺されてしまう」
「戦闘では魔素を短時間で吸収して、吸収した
魔素量で魔法を使ったり、魔法を小出しする
事も必要。もしくは、遊星の様に瞬間的に
魔素を吸収出来ればよいのですが」
「ところが修羅の場合は、魔素を満タンまで貯め
込まないと魔法が打てないのと、魔素を吸収す
る間、修羅は無防備に立っているだけです」
妻達が夕飯の支度をして、修羅や神楽も含めて
夕食を頂いた。修羅や神楽にとって魔物の肉は
初めてであったがおいしく食べられた様だった。
妻達は、疲れているだろう修羅を先に入浴させる
事としたが、誰が一緒に入浴するか揉めていた。
皆、修羅を可愛いいと思っているのであろう。
遊星が、
「明日、北の魔王城に修羅を連れて行こうと
思っている。同行するのはノアとミラを
考えているので、二人と神楽の4人で入って
くれば良い。風呂は広いので、もう一人は
同年齢のセレナも一緒で」
夜、修羅が遊星の寝室に訪ねて来た。
ー修羅の訓練開始ー
翌日、遊星は修羅と赤竜に乗って、ノアとミラ
を引き連れて北方に向かった。
先ずは、北の王城に赴いた。
ノラの弟が新しい北の魔王となり、
火の魔王称し、母親の王太后とも面会した。
火の魔王が、
「義兄さん、母と私を助けて頂けたことを感謝して
おります。本日、お越しになられたことを喜ば
しく思います」
「ところで、何かご用があって来られたと思います
が、お役に立てることでしょうか」
遊星は、
「義兄弟だし敬語は不要。こちらも魔王だと言って
敬語は使わぬ、ざっくばらんに話そう」
そして、修羅の話をした後、
「訓練の為に、ノアとミラを先生として修羅を訓練
するので、その間一緒に預かって欲しい」
北の魔王は、
「分かりました。預かります」
遊星が、
「義弟よ、今から火山島に行くが一緒に来て欲しい」
遊星は、北の魔王、ノラ、ミラ、修羅を連れて北の
魔王城の下方にある火山島に赴いた。
溶岩竜が上空を飛んでいたが、遊星らを見て火山に
戻ってきた。
溶岩竜がいつもの岩場に降りて来た、遊星が念波で
話しかけると、溶岩流が地に体を付けて頷いた。
先ずは、遊星は溶岩流の額に右手を当て火の魔王の
額に左手を当て思念を送りあってスキルを共有。
次にノアの額に左手を当てて、その後ミラの額に
左手を当て、最後に修羅の頭に左手を当てて思念を
送り合い全員のスキルを共有した。
遊星はその後、ノアとミラに修羅を任せて、他の
妻達のいる王の別荘に戻った。
別荘の妻達だが、
テラが他の妻達に、
「昨日は、修羅だったから今晩は私の順番」
スイレン、ライア、フウカは、
「どんな順番、結婚した順番だったらセレナでしょう」
セレナが
「淫乱聖女様は私の後です」
そこへ、遊星が戻って来た。
「ただいま、修羅はノアとミラに任せてきた。
1週間位は北の魔王城に宿泊する。ノアに
とっては里帰りも兼ねてだが、ノアの家族
の元で暮らすのだから、修羅もミラも住み
づらいことはないだろう」
エレナが
「修羅はどんな訓練を?」
遊星が
「魔術コントロールの仕方を覚えさせるのが目的
なので、火ならローソクに火を付ける。水なら
コップからコップへ水を移す。雷は森林の大陸
にあるミラの父親の研究所に行って電球を
使って電気を付ける。風は蝋燭の火を消す。
氷ならコップの水を凍らせる等、最小魔力での
魔法を覚える事を訓練する」
「ついでに、ワイルドボア、一角獣、ベヒーモス、
飛竜等とのスキル共有も考えているので、
その時は俺も行ってくる」
「北の魔王城に宿泊するのでノアに、森林の大陸
と水の魔女の家に行くのでミラが適任と考えて
二人に任せたのであった」
2週間経って、ノア、ミラ、修羅が夫々赤竜に
乗って戻って来た。修羅はスキル共有した赤竜
に乗って来たのだった。
別荘に滞在していた神楽は、エレナと王都に
行ってショッピングや食事を楽しんだり、
スイレン、ライア、フウカと夫々の魔王城に
泊まったり、赤・青・黄・緑の飛竜や一角獣
とスキル共有したり、こちらの世界でのんびり
していたが、修羅が戻ってきたので、翌日には
現世に戻る事にした。
王都から、料理人を呼んでお別れのパーティー
を開いた。
翌日、神楽は修羅を連れて現世に戻って行った。
【阿・修羅】
年齢:16歳、身長:153cm、種族:人間
髪:茶髪ミドル、家族:両親、夫は遊星
オリジナル能力:
高位魔法(火・水・雷・風・氷・土・岩・草木)
遊星と共有能力:
言語理解能力、動物・魔物とのスキル共有。
ジャッジメントの剣・弓、気配隠ぺい、魔力強化
気配サーチ能力、力量サーチ、毒感知、高位ヒール、
瞬間移動、光魔法、眠り付与、変化・魅了
スキル共有生物:
(現世) ジャガー
(異世界)飛竜、一角獣、ワイルドボア、ベヒーモス、
溶岩竜
ー修羅が倒されたー
1週間経って、遊星達がいる別荘に、神楽が
リビングにいきなり現れた。
神楽のひざ元に修羅が倒れている。修羅の胸に
矢が刺さっている。
神楽が、
「テラ!助けて!」




