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2Eギフテッドのわかりにくさが、見えた

娘はなぞり書きが雑だ。


線からはみ出る。絵のなぞり書きに至っては、やろうとすらしないらしい。先生に言われて渋々一つだけやると、個人懇談で聞いた。


怠けているのだと思ったけれど、そうではない。


娘はボタンの服が大嫌いなのに、着なくてはいけないからと制服は着る。

タイツの縫い目が嫌なのに、バレエの時はタイツを履く。

どんなに嫌な事でも、しなくてはいけないと納得すれば、する子だ。


なので、なぞり書きと言う行為は、している。課題だからやらなくてはいけない事は、納得している。


娘が納得できていないのは、丁寧にする事だ。

丁寧にする理由が、娘には見えていない。見えないものは、娘の中に存在しない。だから丁寧にする気持ちも、生まれない。



娘の手は正直だ。


折り紙は丁寧に折れる。工作も丁寧にできる。ハサミも使える。けれど、なぞり書きになると線がかすれる。手が揺れる。


不思議な事に、同じ鉛筆を使っていても、書きたいものを書く時は、娘は綺麗な字が書ける。


きっと、なぞり書きのペースは、娘には遅すぎる上に、単調すぎる。そのペースに合わせること自体が、娘には苦痛なのだと思う。


鉛筆の持ち方も、おかしい。人差し指が出すぎる。力の伝わり方がブレて、線が思った通りに引けない。


単純作業の上、簡単過ぎて、意欲も沸かない。


娘がなぞり書きが雑な理由を考えると、次々と、いくらでも出てくる。



学校の机の引き出しを、娘は本当に丁寧に整えているらしい。

一つひとつの文房具や教科書の置き場に、娘の意図がある。


ここにはこれがあるべきだという、娘の中の答えがある。その答え通りに、手が動く。


自分の意図が介在するとき、娘の手は魔法のように動く。


同じ手が、なぞり書きのプリントでは点線を外れていく。


娘は素直だ。思ったことがそのまま行動になる。


なぞり書きの雑さも、配置の丁寧さも、ボタンを嫌がる事も、制服ならば着る事も。


鉛筆が難しい。ペースが苦痛だ。意味が見えない。意図があると動ける。納得したことはやれる。


特性が無数にある。それぞれパターンが違っているけれど、一つひとつを見ると、それぞれにシンプルな理由がある。


小さい子向けのワークによくある、関連したものを線で繋ぐ問題。あれが、とんでもなくたくさんあるだけ。



2Eはわかりにくいと言われる。確かにそう思っていた。でも外側に出ているものを一つひとつ手繰り寄せていくと、それは驚くほど単純明快で、すぐに内側にたどり着けた。


もしかしたら、難しく見ようとし過ぎていただけではないか?


短く太い毛糸が無数にあって、絡まっているように見えていた。けれど、絡まって見えるのは私の目だけで、娘には絡まってなど見えていない。


だから娘は困っていない。


勝手に絡ませて、一人で困っていたのは、私だった。娘を理解しようとして、ずっと疲弊していた。


それが明確になった時、私の心は軽くなった。



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