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2Eギフテッド 処理速度凸の速さとは

娘の脳は、何を処理するのが速いのか?


去年受けた知能検査で、処理速度が非常に高いと言われた。他の数字も少し高めの中、ワーキングメモリーだけ平均だった。


処理速度が高い。そう言われても正直、それがどこに出ているのかよく分からなかった。


まず、どんな時に娘は速いだろうかと見た時に、彼女がやたら早口なYouTuberのゲーム実況ばかり見ている事に気が付いた。


もしかしたら、処理速度が高いと早口の方が聞き取りやすいのかもしれないな、ということはわかった。


なので仮入学の時、娘には聴覚情報処理障害があるかもしれないと先生にお伝えした時に、近くでゆっくりはっきりと話すようにしますねと言われたけれど、ゆっくりよりも早口の方が聞き取れるかもしれませんとお伝えできた。


けれど、娘の速さはそれしか見あたらなかった。反対に、娘の遅い事はこれでもかと目についた。



私は毎朝、朝食を食べるのが遅い娘に「早く早く、遅刻するよ」と言っている。幼稚園に入園してから何年も、平日は毎日言っているのに、小学生になっても全く早くならない。


娘の本質は、とんでもなくマイペースだ。


同じ事を何度言っても動かない。取り掛かりが遅い。本当に処理速度が高いのだろうかと、疑った。



けれど、やっと見つけた。娘の処理凸を。



まず、音楽の好みが手掛かりとなった。娘の好みははっきりしている。


好きなのは、テンポが速い、変化がある、情報量が多い音楽。


トルコ行進曲、運命、歓喜の歌。


逆に苦手なのは、低音中心、ゆっくり、単調なもの。トイレを流す音や掃除機の音も嫌いだ。



最初は好みの問題だと思っていた。でもこれが、処理速度とつながっている。



ただ速い音楽が好きなのではなかった。 変化し続ける事が必要だった。


速くても単調ではダメで、細かく変わり続ける音に強く引きつけられる。


たとえば、トルコ行進曲。音が細かく動き続け、同じように聞こえて少しずつ変わっていく。



娘は情報量の多い話は聴けないのに、情報量の多い音楽は聴ける。好きだと言う。


違いはおそらく、リズムだ。


音楽に限らない。リズムがある時、娘は楽しいと感じる。楽しい時、彼女の処理速度は爆発的に上がる。感覚統合訓練でトランポリンをしていた場所の事を娘が事細かく覚えていたのも、そのせいだったのかもしれない。


そういけば、知能検査が終わった後、娘は楽しかったと言っていた。


工作などで、彼女が楽しんで何かを作り出す時の勢いは凄まじい。


遊んでいても次から次に興味が移り、彼女が遊んだ後はリビングも子供部屋も、足の踏み場もなくなる。


逆に、ゆっくりで単調なもの。


こちらの方が処理が楽そうに見えるけれど、実は違う。娘にとっては情報が少なすぎる。変化がなさすぎる。


興味のある分野の解説動画でも、ゆっくりしたものは嫌がる。


娘は見たい動画を、内容ではなく、速度と情報量で選んでいるのではないだろうか。


習い事のバレエでも気が付いた事がある。娘はゆっくりちょこまか動くパドブレが、どうしても苦手だった。親の見学日、彼女はパドブレの時間はふざけて逃げて、結局やらなかった。苦手な事をしている姿を見られたくなかったのだろうと思った。


けれど、それだけではなかった。速い動きは体に入るのに、ゆっくりした単調な動きは脳が処理できなかった。つまり、パドブレの刺激が足りない分、刺激を求めて彼女は走り出したのかもしれない。




「2・4・6・8・10、にーしーろーはーとー」


最近、カービィのグルメレースと言う曲の替え歌で、娘はこのフレーズを繰り返し歌いながら踊った。


そして、娘は言った。


「この中に、鳥が隠れています」


答えはハトだ。


自分で作った替え歌の歌詞の中から言葉を見つけて、さらにクイズにしてきた。


この時、娘の処理凸はこれだと思った。


娘と話していると、突然、飛ぶ。関係なさそうな話題に、なぜかジャンプしている。


作業療法士の先生にこう言われたことがある。


「娘ちゃんと話す時は、いつもお母さんの通訳が必要なんです」


けれど、無意味に飛んでいるのではない。本人の中には、必ず筋道がある。私は慣れているのでついていけるが、他の人にはそうはいかない。



ある日、娘が一番好きなラーメン屋に行った。少し遠いので頻繁には行けないが、彼女がずっと行きたいと言っていたお店だ。


娘は店内に貼られていた辛そうな担々麺のPOPをじっと見て、突然言った。


「ダジャレ言うね。からし食べたカラスのどカラカラ」


そこから娘は、急に辛子学校の世界を作り始めた。


辛子小学校にはカラスがいる。辛子中学校には辛子がいる。辛子高校にはキムチがいる。辛子大学には唐辛子がいる。辛子大学は現実の市内の大学の隣にあると言った。


いつも思いつきから、娘の世界が広がっていく。


つまり娘の速さは、何かを速くこなす力ではなかった。


領域を飛び越えながら、発想を転換していく速さだ。


だから、転換のない単純作業は気が乗らない。気が乗らないことはやらない。


やればできるのにやらない

気分にムラがある


ではなかった。娘の処理速度には使われる条件があるだけだった。


ゆっくりすぎる世界では、娘は泳げない。


だから、自分でスピードを上げる。息苦しい、彼女が苦手な場所で回り出すのも、そのせいだったのか…


楽しい時にしか現れない処理速度が、娘にはある。


娘が能力を発揮する場面は、一貫している。自由で楽しい時だ。


娘は赤ちゃんの頃からペンギンが好きだ。自由で楽しい時、娘は海に飛び込んだペンギンのように、高速で泳ぎ回る。


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