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2Eギフテッド 優しくされているのに逃げるのはなぜ?

優しくされているのに、逃げるのはなぜだろう。


不思議に思い娘を観察してみたら、彼女が人と関われるかどうかは、相手の関わり方の問題ではないことがわかった。


娘の通う放デイで、年上の女の子たちが親切に、娘をお世話してくれようとしたらしい。遊び方を教えてくれたり、輪に入れようとしてくれた。けれど娘は、その輪から逃げた。


別の放デイで年上の女の子と手をつないで散歩に行ったと聞いた、その次の週だった。


どちらも同じように年上の子がお世話をしてくれている状況なのに、どうしてだろうと思った。



お散歩に行けたのは、まず、関係がシンプルだった事がある。一対一に近い状態で、誰を見ておけばいいのかがわかりやすい。お散歩の、手を繋いで一緒に歩くという目的もはっきりしていた。


手を引かれるではなく、手を繋いで隣を歩く。この場合は相手にコントロールされる感が少なく、受け入れやすかったのだと思われる。



もう一方は、複数の子達が一度に来て、娘の情報処理の許容量を超えてしまった可能性が考えられる。


誰を見たらいいのか、誰に返事をしたらいいのか、わからなくなってしまったのだろう。



最近、バレエ教室でも似たことがあった。レッスンの後、娘は教室の女の子たちとシール交換をした。


1枚あげて、1枚貰うという、やる事がはっきりしているシール交換は、問題なくできた。けれどその後、3人で一緒に帰ろうとなった時に、娘だけ後ろを歩く保護者の集団の方に引き返してきた。


3人でいて、他の2人が盛り上がっていると、娘はその会話に入れなくなってしまう。どこで声を出したらいいのか、どちらの子に話しかけたらいいのか、わからなくなるのだと思う。特に、目的もルールも順番もない、雑談が難しいようだ。


これまでも、そうなのかなと感じていた事が、はっきりとした。娘が困難なのは、雑談の時に相手が複数になる事。相手が優しいかどうかは、あまり関係がなかった。


相手の年齢も、関係がないのかもしれない。


娘が安心できる場所は、自分で把握できる世界だ。その中では、ちゃんと人と関われる。むしろ人と関わることが好きだ。自分のテリトリーである一対一のコミュニケーションならば、安心してお喋りができる。


それが、3人になると急に難しくなるようだ。情報処理の問題に加え、自分以外の2人が話をしていると、自分が無視をされているように感じるのだと思う。


彼女が人一倍疎外感を感じやすい事には、昨年幼稚園での様子を見て気付いた。おうちごっこなどの役割がある遊びの中では3人で遊ぶ事ができるのに、その途中で他の2人が走り出した時、娘は一緒に走ることができなかった。おうちごっこなのになぜ走るのか、理解ができなかったのだと思う。その時も、悲しそうに私のところへ戻ってきた。



バレエの帰り道、娘は2人の後ろを寂しそうについて歩き、不貞腐れて車に乗った。2人の子は娘にバイバイをしてくれた。


無視をされているわけではないのだと、気がついてくれたらいいのだけれど…


そう思いながら見守っていると、車窓から2人の子が見えなくなった途端、娘はケロリと切り替えた。


私には、ずっと心配している事がある。


娘は好きな子への気持ちが強く、2人の世界を作りたがる。そして好きな子がコロコロ変わる。その時、前に好きだった子は、いきなりその他大勢になる。


そんな娘が、女の子の集団でやっていけるのだろうか…


今、支援学級に娘のクラスメイトは男の子しかいない。放デイにも、一人いるかいないかだ。


女の子同士の関係を練習する場が、日常の中にほとんどない。


バレエ教室は週に一度。そこで少しずつ積み重ねてはいる。でも女の子の社会は、これから先どんどん複雑になる。グループができて、空気を読むことが求められて、言葉にならないやりとりが増えていく。


一対一ならば、できる。それから、シール交換という目的があってのコミュニケーションならば、相手が複数人でもできた。


明日、バレエ教室の後で、またシール交換の約束をしている。


その後、また、無視をされていると感じて傷付いてしまうのだろうか。


それとも、少しずつ分かるようになっていくのだろうか。


ささやかなやりとりを繰り返しながら、


少しずつ。


娘の世界が、広がっていきますように…


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― 新着の感想 ―
 日本は昔から緑まで青に含める文化があります。逆に西洋は紫まで青に含めるので考えの違いで混乱するかもしれませんね。  子供の頃、エメラルドグリーンと言っても親に「水色でしょ」と一顧だにされなかったの…
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