「重ねる想い」
―――ヒュオッ!
「すまないーーー少し遅くなった。」
その言葉と同時に、まるでそよ風が頬を撫でた様な、安らぐ感覚がリナリィとハンナを包み込んだ。
「な、なんだァ!?」
ダリオが驚愕の声を上げ、目を細める。
リナリィたちを串刺しにするはずだった無数の泥の槍は、音も無く霧散し、土煙の様に舞い上がっていた。
そして土煙が舞い上がる中、孤児院とダリオの間に割って入るように立つ、一つの影。
調律粒子の残滓がまだきらめく中、まるで周囲の空間全てを掌握しているかのような幻顕力の波動
土煙が晴れたその場所には、黒く艶やかな長髪を項で結び、、見た者が思わず息を吞むような美形、見た目以上に鍛え上げられた肉体を、オレンジとブラックのラインの入るV.C.Tの制服で包み込み、左腕には魂玉がはめ込まれた腕輪が装着されている。
V.C.Tが誇る最強の幻顕者――ユーアン・クラムだった。
「……えっ?」
強制魂還も覚悟して固く目を閉じていたリナリィが、恐る恐る目を開ける。
目の前に立つ男の頼もしい背中を見て、彼女は思わず呆然と声を漏らした。
「遅れてすまない……ソウマ、無事か?」
ユーアンは背後を振り返ることなく、ソキウスを通じて、離れた広場で戦うソウマへと呼びかけた。
『ユーアン先生!!』
左腕の魂玉から、マジアの猛攻に耐えきっていたソウマの歓喜の声が響く。
「先生……? じゃあ、あの人が……!」
ハンナも安堵のあまりへたり込みそうになりながら、ユーアンの背中を見上げた。
ソウマが『先生』と呼んで慕う、規格外の実力を持つという男。
「チッ!!なんだァ…てめェいい所で邪魔ァしやがってよォ!!」
自分の必殺の一撃を邪魔され、忌々しげにユーアンを睨みつけた。
しかし、ユーアンの視線は目の前のダリオになど向いていなかった。
彼の鋭い眼光は、ダリオの遥か後方――ソウマと対峙していた、男と向けられていた。
「フフ…フハハハハハハ!!!来た…!! 来たなマキシマム!! 待っていたぞぉぉ!!!」
広場の方角から、空気を震わせるような歓喜の叫びが響き渡る。
それは、これまでソウマを相手に退屈そうにしていた第3席――マジア・トーナムの、心の底から湧き上がるような咆哮だった。
次の瞬間、轟音と共にマジアの姿が広場から掻き消えた。
一足飛び―――それだけで数百メートルの距離を縮めたマジアが、土煙を切り裂くようにしてユーアンの眼前に降り立つ。
「やっと会えたな……! 我が剣の渇きを潤せるのは、貴様だけだ!!」
「マジア…全く、あなたのせいで私は自由なようで自由じゃないんですよ。」
マジアの瞳には、もはやユーアン以外は映っていなかった。
「クソッ、こっちはもう眼中ねぇってか!」
マジアが作り出した凄まじい突風に遅れるようにして、ソウマもフルゴオルビスの背に乗り、孤児院の庭へと飛び込んできた。
これで、奇しくも敵味方の全員が、孤児院の前に集結する形となった。
「ソウマさん!」
「ソウマ君、大丈夫!?」
ボロボロになったソウマの姿に、リナリィとハンナが駆け寄る。
ソウマは「へへっ、心配かけたな」と強がりながらも、装甲の修復にかなりの幻顕力を持っていかれたのは事実だ。
「ケッ…! マキシマムだとォ? S級首のお出ましとはなァ!」
ダリオはマジアの背後に下がりながら、心底忌々しげに吐き捨てた。
彼もまた、目の前に立つユーアンの次元の違う幻顕力を肌で感じ取り、不用意に手を出せないでいた。
そんな張り詰めた空気の中。
ダリオの『S級首』という言葉を聞いたソウマが、不満げに口を尖らせた。
「むむっ…! あの槍を一瞬で霧散させる技の冴え……当然先生はS級だな……うん…当然だが…少し悔しい…」
一人だけ露骨に悔しがるソウマ。
さっきまでマジアに殺されかけ、あわや全滅という絶体絶命のピンチだったにも関わらず、彼の負けず嫌いな本能が顔を覗かせていた。
『ちょっと! ユーアンが来たからってあからさまに気を抜かないの!!』
胸のプロテクター部の魂玉———メリルからすかさず呆れたようなツッコミが入る。
この場に全く似つかわしくないソウマのマイペースな言動に、ユーアンは小さく吹き出し、背中越しに頼もしく笑った。
「フッ…相変わらず元気そうだな、ソウマ。……だが、メリルの言う通り気は抜くなよ。……私はどうやら目の前の剣客の相手で手一杯になりそうだからな」
ユーアンはそう言いながら、ジリジリと剣気を高めるマジアを真っ直ぐに見据えた。
「ソウマ。あっち一人なら、お前たちだけで大丈夫だな?」
その言葉は、疑問ではなく絶対の信頼だった。
背中を任せられる立派な戦力として、彼らを認めている証拠でもあった。
ソウマは先ほどの悔しさを瞬時に拭い去り、サムズアップをした。
「当然だ! アイツは俺たちがぶっ飛ばす!」
「私たちも、全力でソウマ君をサポートします!」
「やりますよ、ニッカ!」
リナリィとハンナも、それに力強く同調する。
ユーアンの強く、そして慈愛に満ちた闘気に触れた事で恐怖はとうに消え去り、彼女たちの瞳には戦う決意の意思が宿っていた。
「よし。なら、第3席は私が引き受けよう」
ユーアンがマジアへと向き直り、両者の視線が交錯する。
「フン…場所を変えるぞマキシマム、ここでは貴様も全力を振るえんだろう」
「…あなたのその武に対する姿勢は私も一目置いてるんですけどね」
マジアは極災刀を鞘に納め、懐から小刀を取り出した
「来い『グアイナ』」
マジアがそう言うと、小刀の柄にはめ込まれていた魂玉が輝き、全長3mはあろうという氷気を纏った狼型のソキウスへと変化した。
「頼んだよ『ファティ』」
ユーアンも自らの腕輪に触れそう言うと、ユーアンの魂玉は一角のペガサス型のソキウスへと変化した。
「ではソウマ、また後でな」
そう言うとユーアンはファティに跨り、空へと駆けて行った、マジアもその後を追い、グアイナの背に乗り離れていく
二つの規格外の魂命が空の彼方へと消え、孤児院の庭に一瞬の静寂が訪れる。
「さぁて…それじゃあ俺たちは俺たちで頑張らないとな」
ソウマがラディウスブレードを構え直し、鋭い視線を向けた先。
そこには、下を向いたまま小刻みに肩を震わせているダリオ・ソムがいた。
「……舐めやがってェ」
地を這うような、ドス黒い怨嗟の声。
先ほどまでの下劣な余裕や、人を嘲笑うような態度は微塵も残っていない。
「どいつも……こいつも……! 俺をコケにしやがってェェェェェ!!」
ダリオが顔を上げる。
その瞳は血走っており、屈辱と激怒によって完全に理性を失った獣のようだった。
「アイツらにとっちゃ、俺は眼中にもねェってか! 『あっち(第9席)』呼ばわりで、ただのオマケ扱いかァァァ!!」
特級執行者『マジア・トーナム』。
S級幻顕者『ユーアン・クラム』。
頂点に君臨する二人の絶対的な闘気にあてられ、ダリオは己の存在の矮小さを感じていた。
「ふざけんじゃねェ……。俺は…俺は『栄光の十二席』だぞ!! 世界を溶かすしつくすアルケミストだァァァァッ!!」
ダリオの絶叫と共に、彼の全身から尋常ではない量の幻顕力が噴き出す。
「ソウマ、気をつけて! 奴の波動がさっきまでと比べ物にならないくらい膨れ上がってるわ!」
『これも獄化の進んだ影響なのかナ!?』
メリルとニッカが警告を発した、次の瞬間。
「全部溶かして、全部ブッ壊してやる!! てめェらも! その卵も!!」
ダリオが両腕を天高く突き上げると、周囲のドロドロに溶けた街の残骸が、まるで意思を持った巨大な大蛇のように彼を中心に渦を巻き始めた。
「――『巨兵錬成』!!!」
渦巻く泥濘と瓦礫が、ダリオ自身の幻体を核とするように絡みつき、急速に膨張していく。
「な、なにあれ……!」
リナリィが息を呑んで後ずさる。
泥と瓦礫が融合し、硬化と溶解を絶えず繰り返しながら形成されていくのは、見上げるほど巨大な異形のゴーレムだった。
体長は優に十メートルを超え、全身から有毒な黒煙と溶解液をボタボタと滴らせている。
「ゥゥゥゥゥゥルグォォォォォォォッ!!!」
巨兵の胸部に取り込まれたダリオが、獣のような咆哮を上げる。
完全に理性を手放した『錬金術師の狂気』が、圧倒的な質量となって孤児院へと見下ろしていた。
「チッ……デカくなりゃいいってもんじゃねェぞ! メリル!ちょっと窮屈だが仕方ねぇ!子供たちをフルゴオルビスの中へ!!」
ソウマが巨兵に向かって飛び出し、跳躍と共にラディウスシューターを放つ。
「わかったわ!」
メリルがフルゴオルビスで子供達の元へと向かう
「え?え?なにこれ!?」
「乗って! 説明は後!」
リナリィに背中を押され、セリアと子供たちがフルゴオルビスに飛び込む。「むぐぐ…せまぁい」という声が聞こえたが、今はそれどころではなかった。
「リナリィ、とりあえずそのまま一緒に乗って、空から援護を!」
「わかったわ!」
リナリィ、セリア、そして子供達5人を乗せてフルゴオルビスが飛翔する。
巨大な泥の腕がそれを無造作に振り払い、叩き落そうとするが、フルゴオルビスは上手くそれを躱していく。
「ガァァァァッ!!」
ヒラヒラとメリルに躱され苛立ったダリオがソウマに向かって、丸太のような腕を力任せに振り下ろす。
「ぐおっ…!…くっそ重ッ……!!」
ソウマは辛うじて受け止めるが、その異常な質量と力に耐えきれず、地面に足がめり込み、後方へ押し出されてしまう。
「ソウマさん!」
ハンナが悲鳴のような声を上げる。
「こ…殺すッ…全部…溶かし殺してやるゥ…」
「クソッ!理性手放しやがってッ!!」
ソウマ一人の力では、この巨大な質量の暴力を押し返すことは不可能だった。
さらに最悪なことに、巨兵が暴れるたびに、その身体から剥がれ落ちた『溶解液』と『硬化した瓦礫』が、雨のように周囲へ降り注ぎ始めたのだ。
「…っ!いけないっ!」
リナリィが咄嗟に木の盾を展開した。
しかし、空高くから降り注ぐ広範囲の攻撃を、全て防ぎ切ることはできなかった。
――ドゴゴゴォォォォッ
「クソッ!!防ぎきれねぇ!!」
手を塞がれているソウマも動けず、リナリィの盾の範囲外に降り注いだ溶解液と瓦礫の雨が、孤児院の屋根を直撃していた。
「……あ」
セリアの口から、掠れた声が漏れる。
溶解液に触れたレンガの壁が音を立てて崩れ落ち、子供たちが寝起きしていた部屋が、食堂が、温かい思い出の詰まった『家』が、無残に崩壊していく。
「いや……やめて……」
恐怖で泣き叫ぶ子供たちを抱きしめながら、セリアは泣き崩れた。
「アタシの……みんなの家が……!」
理不尽な暴力。自分たちの大切な居場所が、ただ一方的に壊されていく。
目の前が真っ暗になり、セリアの心に抗いようのない『絶望』の闇が急速に広がり始めていた。
彼女の魂の奥底で放たれていた卵の波動が、まるで黒い淀みに飲まれるように絶望に浸食され、その輝きを失い始めていた。
その異変を、窮屈な機内で隣にいたリナリィはいち早く感じ取っていた。
(セリアさんの波長が……濁ってる?)
「ダメよ!!」
リナリィは泣き崩れるセリアを力強く抱きしめた。
「セリアさん!!」
「……っ」
セリアが弾かれたように顔を上げる。
目の前にあったのは、崩れゆく孤児院ではなかった。
自分と同じくらいの年齢の少女が、真剣な瞳で自分を抱きとめていた。
「家は……町は壊れても、まだあなたの大事な家族は生きてるでしょ!!」
「……え」
「見て。ちゃんと見て、セリアさん」
リナリィは、泣きながらセリアにしがみついている小さな子供たちへと視線を落とした。
「セリアおねえちゃん……っ、こわいよぉ……」
「……っ!」
温かい。
怖くて震えているのに、それでも自分を頼ってくれる、小さな命の温もり。
その重みが、絶望に沈みかけていたセリアの心に、ハッと小さな火を灯した。
(そうだ……アタシが絶望してどうするの。この子たちを守れるのは、アタシしかいないのに!)
セリアの瞳に、光が戻る。
それと同時に。
濁りかけていた卵の波動が、絶望を振り払うように再び澄んだ輝きを取り戻し始めた。
「……ありがとう」
セリアは、子供たちをぎゅっと抱きしめた。
「アタシが守る。絶対に」
その言葉を聞いたリナリィは、胸の奥に込み上げてくるものを感じながら、祈るように両手を胸の前で組んだ。
「あなたの想い……届けるわ」
「アウラ、行くよ」
「うんっ!!」
リナリィの全身から、澄み切った幻顕力が溢れ出す。
「――『木の活力』!!」
翠緑の装衣から、淡い緑色の光の波が円状に広がっていく。
それは、深い森の奥深くを想わせる、清浄で安らぐ香りを連れていた。
「わぁ……」
「いい匂い……」
光の波を浴びた子供たちの恐怖が、嘘のように静まっていく。
セリアの心の傷跡も、絶望を払拭するように優しく撫でられ、和らいでいく。
そして。
その光の恩恵は現界人たちだけでなく、前線で巨兵の暴力を正面から受け続けていたソウマにも届いた。
「ッ……!?」
削られていた幻顕力が、じわりじわりと満ちていく。
まるで、枯れかけた土に雨が染み込むように、急速に回復していく。
「これは……!!」
ソウマは思わず自分の掌を見た。
ルクスブレイバーの装甲を流れるエネルギーが、明らかに満ち溢れている。
「ありがてェ……!」
ソウマは短く、しかし確かな声で言った。
「これなら、この質量にも負けねェ!!」
ソウマはラディウスブレードを振るい、ダリオの放つ巨大な腕を真っ向から弾き返す。
しかし質量には対抗できるようになったが、状況は依然として厳しいままだった。
眼前のダリオは、僅かに残っているフェデーレの任務、セリアの絶望を誘発するために、孤児院に向かって再び溶解液の雨を降らせようとしている。
「クソッ、これ以上孤児院は壊させねェ!」
ソウマは防戦を強いられ、反撃に転じることができない。このままではジリ貧だ。
素早く状況を整理したソウマは、空のリナリィと地上のハンナに向けて叫んだ。
「リナリィ、ハンナ! 頼みがある!」
「頼み……ですか?」
「ハンナの『影縛鎖』と、リナリィの『木の盾』。二つを合わせて使って、孤児院を守ってくれ!」
「合わせて……?」
ハンナが目を細める。
「二人の技を合体させるということですか? 今までそんな概念……」
「できる!」
ソウマは迷いなく言い切った。
「お前ら二人の想いは同じだろ。セリアを守る。あの子たちを守る。……魂が同じ方向を向いてるなら、絶対にできる!」
ソウマの瞳には確信があった。
魂の、想いの一致、それが、二人の技を必ず結びつけると信じていた。
ドクンッ!ソウマの想いを受けて、リナリィとハンナ、二人の魂命が震える。
二人は互いの意志を感じ取った。
「やりましょう、リナリィさん」
「うん!」
フルゴオルビスの上からリナリィが木の盾を展開し、地上からハンナが『影縛鎖』を伸ばす。
ニッカとアウラが、互いの波長を合わせるように目を合わせた。
「やるナ」「やるよ」
二つのソキウスの波長が重なった瞬間、リナリィとハンナの幻顕力が共鳴し合い、互いの技へと流れ込んだ。
翠の木の幹が伸びる。
漆黒の影の鎖が絡みつく。
木と影が、一つの巨大な壁へと変わっていく。
「――【デュオアルス】――『木鎖の防壁』!!」
孤児院を覆い隠すように、巨大な防壁が出現した。
一人ずつでは到底防げない溶解の雨や巨兵の衝撃も、セリアたちを守るという魂の共鳴、そしてソウマの能力の恩恵を受けたこの防壁は、何倍もの強固さを持っていた。
巨兵の溶解液が叩きつけられる。壁が揺れるが、決して崩れない。
「やったぁ!!できたんだナ!!」
「……すごい。壁が、生きてるみたい」
ハンナは必死に幻顕力を練りながら、その絶対的な手応えを感じていた。
「ナイスだぜ二人とも!! 孤児院は任せた!!」
ソウマが叫ぶ。孤児院の守りを二人に任せられるようになったソウマは、すぐさまメリルに指示を出した。
「メリル、高度を下げろ! セリアたちを防壁の後ろへ避難させるんだ!」
「了解!」
フルゴオルビスが素早く降下し、セリアと子供たちを安全な防壁の裏側へと降ろす。
「よっし!これで心置きなく暴れられるぜぇ!」
ソウマは自由になったフルゴオルビスと共に、再びダリオの巨兵へと向き直った。
ルクスブレイバーの装甲を伝うフォトンラインが、満ちた幻顕力と共に眩く輝く。
「どでかく、硬い相手に対抗する力が必要…か」
この圧倒的な質量を、暴力そのものを、真正面から破砕できるだけの力…それは自分の中に既にある。
「ヘヘ…こんな展開…俺が燃えないわけないよなぁ!?」
そう言って笑ったソウマの魂命から燃え上がるように幻顕力が沸き上がる。
『その通りね、ソウマ…あなたは筋金入りだもん』
メリルの声が、これまでと違う、深く力強い響きを持っていた。
フルゴオルビスの白い機体を走る光の筋が、一気に色を変えた。
白から、燃え盛るような赤と金へ。
展開された調律粒子が、フルゴオルビスの機体全体を包み込んでいく。
「メリル……行くぜ!!」
「フルゴオルビス・アルマ!!」
メリルの掛け声でフルゴオルビスの外装が、分離し、変形を始める。
腕が伸び、脚が出る。
額に魂玉の格納した頭部が形成される。
白い鷹を模したフルゴオルビスの機体が、全長五メートルを超える人型の強化装甲形態【フルゴオルビス・アルマ】へと姿を変えた。
「えっ!?ええええっ!?」
「す、すごい、こんなのって…!」
「な、何あれ……!?」
リナリィとハンナは驚愕し、防壁の陰から、セリアが息を呑んだ。
そして、ソウマとメリルの声が、この絶望の空を切り裂く様に響いた。
ダリオが僅かに後退った。
それはこの戦いが始まって、初めてのことだった。
――――――「「幻装甲!!」」――――――
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