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24 「生理」

そういうことか。これが「生理」というものなのか。なんで事前に何も感じなかったんだろう。それとも感じていたのに気づかなかったのか。


でもそれより問題なのは、血で汚れたこのズボンをどうするかだ。濃い緑のズボンの股のあたりが赤くなっている。よりにもよって今これが来るのか。


生理が始まったとわかった後、テンツは聖なる壁を壊す練習を止めてくれた。テンツは壁の近くに歩いていって地面に手を当てると、壁はテンツの手の中で消えていった。



帰り道



テンツは自分が着ていた大きなマントを僕に渡してくれた。丈は足首まで届くほど長い。返さなくていいということだ。僕が頼んだわけでもないのに、向こうから渡してくれた。さすが王族の血筋だ。マントは茶色で、着ている濃い緑の服とはかなり対照的だった。


「これは獣族の皮と聖職者の呪文で作られた魔法のマントだ。着ると攻撃を受けたときのダメージを軽減できる。大幅ではないが、一般的な獣族の攻撃なら難なく防げる。剣や矢にも対応している。お前に着せれば、近接戦や不意打ちへの対処に役立つ。ハンスやドレークほど反応速度が早くないお前には向いているだろう」


テンツがそう説明してくれた。


話を聞く限り、この世界の魔法のアイテムだろう。でもクスが買ってくれた鎧も似たようなものだったな。あれより軽い感じがする。そういえば、あの鎧はどこにやったんだろう。


「これはいくらのものですか、テンツ様?」


「ロジファを訪れたときに一族の者からもらった土産品だ。金貨千シセン程度はするだろうな」


金貨千シセン!この世界ではかなり高額だ。でも待って——今テンツがロジファと言ったか。ロジファは、みんなと離れ離れになる前にいた最後の街だ。クスもいた。戻れるだろうか。


「テンツ様、ロジファはここからどのくらい離れていますか?」


「オワ国のことを言っているのか。そうだな、ここからオワまで二十七日かかる」


二十七日!並行世界での日数の数え方は、まだよくわからない。ここでの時間の流れが元の世界と同じかどうかも。同じならいいけど。


「そうなんですね……」


「何かあるのか、オスカー?」


「いえ、何でもないです。関係ないことを聞いてしまってすみません」


そうだな。並行世界にはまだ知らないことがたくさんある。国も、街も、王国も、大陸も。戻る方法はおいおい考えよう。


それより今は、このマントがあれば近接攻撃を心配しなくていい。



元の休憩地点に戻ってから



すぐに川へと向かって、汚れた部分を洗い流した。ドレークとハンスは僕がいない間に荷物の片付けを終えていた。


しばらくしてテンツが全員を獣族の女が眠っている場所へと呼んだ。ハンスが口を開いた。


「テンツ様、何かご用でしょうか?」


ハンスが数言話したところで、獣族の女が目を覚ました。


「く……お前たち……いっそ殺せよ。どうせ奴隷にするつもりだろう。奴隷として目的もなく生きるくらいなら、死んだ方がましだ」


「……誰が奴隷にすると言った?」


「お前がやってることは私たちの種族を金儲けの道具にすることじゃないか!しかも……ラアス一族まで、この国から消えてしまった。私にはもう役目もない。今すぐ殺せ」


ふゅっ


「テンツ様が聞きたくないことを言うな。死にたいなら死ねるぞ」


「ハンス、落ち着け。今は戦うつもりはない」


「……はい。焦りすぎました、申し訳ありません」


ちょっと待って、今の会話は何なんだ。なんでこんなに胸が重くなるんだろう。一瞬でハンスが剣を獣族の女の喉元に向けていた。


獣族の女はみんなに囲まれた中で目を覚まして、生きることに絶望している。でもラアス一族というのは、この種族にとって重要な一族なんだろうか。





あの居心地の悪い出来事から深夜——


テンツはヘヴェル国への旅を中断した。獣族を捕まえて売り飛ばす以外に、テンツが何を求めているのかははっきりとわからなかった。


その夜、馬車は止まることなく来た道を引き返し続けた。僕が力を使って空けた穴もそのままに。獣族の女はハンスの手で眠らされていた。馬車の中で誰も口を開かない。虫の音だけが聞こえていた。


なんでこんなに空気が重いんだろう。




***


それから三日が経った。


僕はハンスとドレークと同じ部屋で生活していた。二人が宮殿に届く手紙や書類の確認を手伝っていた。読めないけれど。


その書類の中の一通から、ドレークを通して知ったことがある——「ロジファで奇妙な事件が起き、多くの人が行方不明になったことが複数の国で大きなニュースになっている」というものだった。今いる王国にも同じ知らせが届いていた。


文書は読めなくても、いつもハンスが助けてくれる。そのおかげでこの世界の文字と言語に本当に興味が出てきた。


この数日で色々なことを覚えた。日付、年月、時刻、食事、服、言葉。女の体にもほぼ完全に慣れてきた。自分のその部分を見ても、もう恥ずかしくなくなってきた。


魔法トランス——自分で名前をつけた言語変換の力——を使わなくても、少しずつ言葉が理解できるようになってきた。ある日ハンスが「胸を触っていい?」と言ったとき、この世界の言葉を数語しか知らなかった僕はうなずいてしまい、そのまま胸を揉まれた。少し怒ったけど、特に引きずらなかった。


最近になって三人で話すことが増えた。仕事が一緒なので、何かあれば自然と会話が生まれるからだ。


あと、自分の体の調子が少し気になっていた。ヒーリングは使えるけど、腰痛や腹痛が定期的に来る。でもすぐ治まるので、ヒーリングを使うまでもないと思っていた。


テンツはテンツで、一日に何度も女の子たちと……という感じで精力旺盛だった。テンツの寝室からは天上の声のようなものが聞こえてくる。通り過ぎるたびについ立ち止まりたくなるけど、仕事があるので急いで通り過ぎた。


「ビウ!午後から街を歩かない?」


「そうね、書類もそろそろ片付くし、散歩でリフレッシュするのも悪くないわ」


ドレークがそう言った。


「うん、行く」


この王国の街には気になるものがいくつかあったので、すんなり答えた。僕は二人について執務室まで向かった。


午後、書類を全部片付け終えてから


着替え室に向かって宮殿の護衛の制服に着替えた。準備が整ったら宮殿の正門前に集まった。


「よし、行きましょ」


ハンスが先頭を切って街へと向かった。正直に言うと、着ている服はなかなか素敵だった。元の世界でも十分通用するくらいのデザインだ。


ハンスは街の中の市場へと案内してくれた。果物や野菜、店の並べ方まで、元の世界とよく似ている。ヨーロッパ風の装飾といった感じだ。似てはいるけど、食べ物の味は僕の口には合わなかった。ショッピングモールで食べたものの方がずっと美味しかった。


それでも並行世界のこの場所は、力のことを除けば元の世界とよく似たところが多かった。


「そういえばビウ、最初の日からずっとブラをつけてないわよね」


三人で歩いていたとき、ハンスが言った。


「ブラ……確かに、ここに来てからずっとつけてなかった」


そうだ、クスと一緒に買ったブラは、試しに着けただけで一度も外で使っていない。少しずつ体に慣らしていきたいとは思っていたけど。


「それだと胸が垂れちゃうわよ。そんな可愛いものをだらしなくさせたくないわ!」


また胸の話だ。ハンスは本当に好きだな。


気がつくとハンスが一軒の店の前に連れてきてくれた。内装を見れば女性向けの服屋だとわかる。ドレス、それに豪華な装飾品がたくさん並んでいた。


「私とドレークが下着を買いに来る店よ。もう何度も来てる」


「そうなの?じゃあ馴染みの店ね」


「もちろん。入りましょ」


三人で店に入った。出迎えはいなかったけど、ハンスが手を引いて下着コーナーへと連れていってくれた。


「わあ……」


思わず声が出た。


「どう、ビウ?綺麗でしょ」


目の前には何百枚もの下着が並んでいた。様々なサイズで、しかも全部宝石のような装飾がついて輝いていた。


「なんでハンスがここに何度も来るのかわかった。輝いてるのが好きなんじゃなくて、着け心地がいいから?」


「輝きだけじゃないわよ。着け心地が最高なの。でもまず自分のサイズを確認しに行きましょ」


「いらっしゃいませ」


突然横から誰かが現れた。三人が立っていたところから、足音もなく現れた。いつ来たんだろう。


「あ、ロモル。この子の胸のサイズを測ってあげてくれる?」


「こちらのフィッティングルームへどうぞ」


ロモルというその女性は、足音一つ立てずに現れた人だ。彼女は僕を個室へと案内した。魔法の試着室なんだろうか。中に入るとロモルと二人きりになって、胸のサイズを測られた。


部屋から出るとロモルが僕のサイズに合った下着のところへと歩いていった。クスと一緒に買ったものと同じサイズだった。僕が二枚選んで、ハンスがさらに三枚、ドレークが一枚選んでくれた。色はあまり気にしなかったけど、値段が少し不安だった。


銀貨二百七十五シセン


剣と盾を何本か買えるほどの金額だ。下着六枚でこの値段とは。怖い。


店を出てまた歩き始めた。下着はかなり着け心地がいい。でも腰が少し痛くなってきた。ズキッと来る感じ。なんでだろう。


「はぁ~、やっとビウの胸もちゃんとガードされた感じがして安心したわ。で、次はどこか行く?それとも戻る?」


「ちょっと待って、ハンス。武器屋に連れていってくれない?」


どうしても気になることがあって武器屋に行きたかった。自分のメジックに合うものが見つかるかもしれない。


「武器屋? 獣族もいるわよ?」


「見てみたいの。テンツ様の護衛の仕事で何か役立つものがあるかもしれないし」


「わかった。じゃあ最後はグラットカトル王国の武器屋にしましょ」


坂を下って進んでいくと、動物のかすかな臭いが漂ってきた。ハンスとドレークが鼻を手で覆いながら歩き続け、やがて武器屋が見えてきた。レイアで僕とクスが入った店よりずっと立派に見える。でも臭いは本当に無理だ。


店に入ると、長いひげを持つおじさんが出迎えてくれて、何が欲しいか尋ねてきた。でも僕の注意を引いたのは別のことだった。周りの客たちが、交易の街ロジファで起きた転移事件について話していたのだ。


「あいつら、ロジファのニュース知ってんのかよ?街ごとほぼ吹っ飛んだんだぞ!マジでクソやべえだろ!」


「うちのギルドの馬鹿野郎もあの件に巻き込まれちまったんだよ!クソギルド長の役立たずは何も動こうとしねえ、ふざけんな!」


「本当におかしい話だろーが!行方不明者に補償金くらい出せよ、てめえらケチなクソども!」


「おいおい、テンツ様の護衛どもが来てるぞ!声落とせこのアホども、絡まれたくねえだろ!」


「こんなに大きなニュースになるとは思わなかったわね、ドレーク」


「あまりにも謎すぎて、私たちには何もわからないわ」


「それより、ビウ。何が欲しくてここに来たの?」


ハンスの問いに答えられなかった。周りの会話に少し動揺していた。クス、サイビア、先輩たち

どこにいるんだろう。無事でいるか。生きているか。心配でたまらない。


「ビウ、聞こえてる?」


ドレークが近づいてきて肩を掴みながら続けた。


「疲れたなら、先に戻って休んでいいわよ。無理しなくていい」


「あ……うん、戻ろう」


胸が痛い。みんなと離れてからずっと、何も探そうとしていなかった。これからどうすればいいんだろう……

第24話完。テンツの左右の補佐官(右腕・左腕)となってからのビウには、ドレークやハンスといった新しい仲間ができました。

ハンスのような豊満な女性に胸を揉まれたりもしましたが、あれは彼女なりのいたずらですね。

さて、これから物語はどう動いていくのでしょうか。ぜひお楽しみに!いつも応援ありがとうございます!

Kuzagi

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