6、最強吸血鬼はお城を廻るそうです
弥紅は、ツクヨミを連れて堀の前まで来る。
この城には、西洋のお城にありがちな吊り橋はない。『来たければ空を飛べ』と言うことだ。
空を飛べない人間には渡るために吊り橋が必要かもしれないが、ここにいるのは空が飛べる者達だ。吊り橋があると、そこから攻め込まれる可能性がある。その可能性を吊り橋を最初から創らないことにより排除しているのだ。
空を飛んで城門前まで来た2人、弥紅が城門に魔力を送ると門が勝手に開く。
「ミクの魔力を城門の鍵にしたのね?」
「うん」
そんな会話をしながら城門を潜った弥紅とツクヨミの眼前には、広大な庭園が広がっている。
庭園には、四季折々の花が咲き乱れている。なんと、この世界では非常に貴重な青薔薇まで咲いていた。
「この青薔薇……凄く綺麗…」
ツクヨミがどこかうっとりとした表情で呟く。その様子を弥紅は嬉しそうに見ていた。ツクヨミの、リクエストで創ったこの城の、一部でも気に入ってくれたのが嬉しかったのだ。
ちなみにこの世界の青薔薇は大量の魔力を持ち、見た者を虜にする効果があるとされている。(弥紅の"魅了"に似た効果)
ツクヨミは、その効果に惑わされてここまでうっとりした表情になっているのだ。
2人は青薔薇から離れ、居館へと向かう。ツクヨミは、青薔薇の魅了効果がまだ切れてないのか、青薔薇を名残り惜しそうに見つめていた。
居館に着いた2人は、長い廊下を歩いていた。廊下はレッドカーペットが敷かれているが、完全な赤ではなく縁に金の刺繍が施されている。
窓ガラスは、上部が尖塔形になって途中に桟のない背の高い縦細い連窓。いわゆるランセット窓となっており、ステンドグラスによって豪華に装飾されていた。
その廊下を、上機嫌で歩いていく弥紅。その後ろを、ツクヨミが周りを観ながら付いていく。
様々な部屋を観ながら進んでゆく。そしてついに、弥紅とツクヨミの寝室に辿り着いた。
「さぁ、ここが私達の寝室だよ」
「わぁ…凄い……あれ?」
そこには家具などの装飾品と……ダブルベッドが1つ。
「………あの、ミクさん?」
「どうしたの?」
「なんでベッドが1つしかないの?」
「そりゃあ、2人で一緒に寝るからだけど?」
「……はい?」
次の日の朝、一緒に寝たことで恥ずかしすぎて顔が赤くなったツクヨミと、それをニヤニヤしながら見つめる弥紅の姿があった。
ここの窓ガラスとかベッドとかは調べながら書いてました……
あと、最後ツクヨミが普通に可愛い…




