5、最強吸血鬼は城を建てるようです
次の日の朝………
「うっ…!」
「あ、起きた?」
彼女がようやく目を覚ました。
「ん…ワタシは…あぁ、負けたのね……」
「それで気絶してたんだよ」
「そう……って!」
「どうしたの?」
「ア、アンタ何やってるの!?」
「何って膝枕だよ?」
「なんで膝枕を!?」
「あ〜……それは…なんとなく?」
「何その理由!?」
本当は、彼女をベットに運ぼうとしたときに寝顔が可愛すぎてついついしてしまったのだが、それを本人に言うとまた面倒になりそうなので黙っておく。
膝枕されているのが恥ずかしいのか、彼女は立ち上がる。
「ところでさ」
私も立ち上がりながら彼女に尋ねた。
「何よ」
「あなた、名前何?」
「私の名前はツクヨミ!夜を統べる神よっ!」
「ツクヨミね、わかったよ。私は弥紅。これから宜しくね」
「ふふん、宜しく」
私が初めて召喚したのは夜を統べる神様でした。というか、私って神様よりも強かったんだ……。
そんなことを考えているとツクヨミから
「ところで、ここどこよ」
と質問がきた。
「ここは私が創った浮遊大陸だよ」
「は?アンタ…いや、ミクがこんなの創ったの!?」
「そうだけど……?」
「ミク…魔力大丈夫なの?」
「うん。魔力に関しては心配しなくていいよ。だってほら」
と、言いながらツクヨミにステータスを見せる。
ステータス
名前…上坂 弥紅(女)
種族…吸血鬼(神祖)
HP∞
MP∞
能力…全属性魔法 魔法創造 万物創造 召喚術(極) 破壊の魔眼 魅了 ストレージ(無限)吸血 夜間活性化 異世界言語翻訳 時間魔法 空間魔法 回復魔法
特殊魔法
•光の鎮魂歌
「……は?え、いや、なにこれ……」
「何って、私のステータスだよ?」
なんか特殊魔法ってのが追加されているけど、多分強力な魔法とかがそこに並ぶんだろうなぁ……
「……一応聞いておくけど、このHPとMPの横にある記号…は?」
ツクヨミが、知ってはいるけど一応聞いてみよう……みたいな言い方で聞いてくる。
「あぁ、それね。無限って意味だよ?」
「……やっぱりそうなの?」
「うん」
「………………」
「………………」
「ハァ〜、こんな化け物に喧嘩売ってたのね。ワタシは」
ツクヨミが苦笑しながらそんなことを言う。
「女の子に化け物は酷いと思うんだけど……」
「ゴメンね」
そんなことを2人で話していると時間はどんどん過ぎてゆく。気がつけば昼前になっていた。
ぐぅ〜……
「お腹すいたぁ………」
弥紅はこの世界に来てから一度も食事をしていない。吸血鬼は本来2ヶ月くらい食事をしていなくても生きていける。
そんな吸血鬼である弥紅がお腹が空いたというのは、弥紅に人間性というものがまだ残っているからなのかもしれない。
「ワタシは神だから食事なんてしなくても生命維持できるわ」
「"万物創造"で何か創ろっと……」
弥紅は"万物創造"で塩おにぎりを2つ創り出して食べる。
食べてる最中にツクヨミからこんなことを言われた。
「そういえばミクってどこに住んでるの?周りを見た感じこの浮遊大陸に建物はなさそうだけど?」
「実は大陸を創っただけで建物はまだ創ってないんだ。」
そう、1日目の夜明けは飛行中に。2日目の夜明けは、浮遊大陸の上でツクヨミの膝枕中だったので、建物に入ってもいないのだ。
「じゃあ、まずは私達の住むところから創る必要があるわねっ」
「そうだね、まずは小さいサイズの家でも創ってそこに住もうよ」
「……イヤよっ!せっかく住むんだからお城とかがいいわっ!」
えぇ……ツクヨミってわがままぁ……
しょうがないのでお城…創ります。
でも、どうせ創るならカッコいいお城にしたいよね。そんなわけでイメージを固める。
「ん〜…!こんな感じでどうかな?」
出来たのはいかにも『吸血鬼がここに住んでます。』と言わんばかりの暗いお城だった。
何本もの塔が建ち、居館も非常に広く多くの部屋があり、別棟もこれまた巨大な造りになっている。
堀は、浮遊大陸をぶち抜いてるようで下に雲が見える。
城壁は、弥紅がイメージした城壁にさらに防御魔法、耐火魔法、耐爆発魔法、強化魔法、自己修復魔法などがかけられており、もはや破壊できる者は城壁を創った本人以外不可能だろう。城門も同様である。
この城壁の性能を弥紅から聞かされたとき、ツクヨミは思った。
(この城壁はいったい何と戦う想定で創られたのだろう……)と。
「さ、ツクヨミ?中も見に行こうよっ!」
「え、えぇ……そうね…」
自分が言い出したことであるがゆえに、この城はやりすぎじゃないか?と言えないツクヨミを弥紅は引っ張って城内に入ってゆく。
次回は城内紹介です。




