4、最強吸血鬼は話し相手を喚ぶようです
町から離れた弥紅は、羽根を出して空を飛んでいた。
「……これからどうしよう…」
町に入れないとなると、他の町や都市に入るのはまず無理だろう。"魅了"を使えば兵士を欺けるかもしれないけど、全住民を"魅了"にかけるのは骨が折れる。
「…こうなったら自分で居場所を作るしかないかな……」
弥紅は誰もいない山奥に降りると、万物創造を使う。創るのは浮遊大陸、MP消費は半端ではないがMPが∞の弥紅なら気にしなくて良い。
宙に浮く土地が見つかると厄介だ、雲の上に隠す。また、魔法の流れ弾や雲の上まで人が来ても見つからないように隠蔽結界や防御結界などを重ねがけしておく。
さらに浮遊大陸が常に浮き続けられるように、この土地にかけた浮遊魔法の必要魔力を周囲から吸収し続ける魔法もかけておく。
「とりあえずこれでいいでしょう。また何かあったら足していけば良いし」
さて、このままこの土地を改造してもいいんだけど……そろそろ私も誰かまともな話し相手が欲しくなってきた。……だって!だって!考えてみてよ、この世界に来て話をした人ってあの兵士長だよ!?しかもあれまともな会話にすらなってたのか怪しいよ?
だから、話し相手を喚ぶことにした。
「"召喚術(極)"」
すると目の前の地面に巨大な虹色の魔法陣が浮かび上がる。そこから光と共に女性が現れる。
凄く美しい女性だ。肌はシミがなく白く、自ら光を放っているかのように輝く銀色の髪、瞳は明るい紫、同性の弥紅が一瞬見惚れるほど綺麗だった。そんな女性の第一声は。
「ん?アンタ誰?」
……想像と違った…。
「えーっと…わたしは弥紅。一応吸血鬼をやってる」
「ふ〜ん、吸血鬼ねぇ…まだ残ってたんだねぇ。で?アンタがこのワタシを喚んだの?」
「そうだよ」
「このワタシが?こんな小娘に?」
……小娘で悪かったな。
「なに?私のこと召喚主って認めてないの?」
「当たり前でしょう!?」
「そんなこと言われてもね…、一応召喚できるのは自分より弱い者だけだから私のほうが強いはずだよ?」
「……なさい」
「? なにか言った?」
「取り消しなさい!」
「……はい?」
「このワタシより強いなどと言ったこと!今すぐ取り消しなさいっ!取り消さないならここで決闘よっ!」
「…わかった……ところで決闘ってどうやるの?」
「そんなことも知らないのっ!?ハァ……いい?決闘っていうのは………」
弥紅は彼女から決闘の方法を聞く。
その後、二人はお互いに少し離れて自分の魔法を組み立てる。
決闘の方法は実にシンプル。お互いがまず使う魔法を組み立てる。その後その組み立てた魔法をお互いに放ち、押し勝った方が勝ちというものだ。
弥紅は魔法創造で新しい魔法を創り出す。魔法創造なら既存の魔法より強力な魔法を創り出すこともできる。
もしかすると既存の魔法だと負けるかもと思った弥紅は新しい魔法を使うことにより確実に勝とうと思ったのだ。
魔法を組み立て終わった二人は向かい合う。そして同時に……
「月の煌きっ!」
「光の鎮魂歌っ!」
全てを飲み込まんとする闇の奔流とそれを浄化しようとする光線が衝突する。直後に轟音と地面が削れる音。一瞬拮抗したが光線が闇の奔流を浄化していく。
そして……光線が遂に彼女に当たった。
「うぅ……!」
彼女がうめき声を上げる。弥紅は光線を消して彼女に近寄った。
「大丈夫!?」
しかし、彼女は自分の身体よりも弥紅に興味があるようで。
「アンタ……いったい…なに……も…の?」
そこで彼女は意識を失った。
弥紅はすぐさま魔法創造で回復魔法を創造。彼女を治癒する。数秒で傷一つない身体に戻った。
弥紅は彼女の意識が戻るまで待った。
「……あ、そういえば名前聞いてないや」
戦闘シーンって上手く書けない……




