10、こちら最強吸血鬼、城の内部に潜入した!
弥紅とツクヨミは、メモに書かれた通りの道を歩く。結局お金を確保することができなかったのでなにも買えない。
勿論欲しいものは"万物創造"を使えばもっと良い質のものが手に入るのだが、1回くらい買ってみたいと思うのだ。
暫く歩いた先にメモに書かれた目的地が見えてきた、が。
「ねぇ、ツクヨミ?私の目がおかしいのかなぁ?あれ、どう見ても城だよね?」
「浮遊大陸の城の方が遥かに上等だけど、確かにあれは城ね」
そう、目的地はお城だったのだ。
城の門に近づくと門番がいた。(そういえばうちの城には兵士がいないなぁ)と思っていると、門番がこちらに近づいてきた。
「お前ら、何をしている。ここはガキの来るとこじゃないぞ」
「あぁ、ちょうど良かった。こんな紹介状を貰ったんだけど」
と、言うが。
「紹介状だぁ?そんなのどうせ偽物だろう?ホラ、帰った帰った!」
と、信じてもらえなかった。
「あの門番ムカつく!こっちはアイツより年上で、立場も人と神よ!?敬意ってものを払いなさいよ!」
門から離れたところでツクヨミが怒る。
「落ち着いて落ち着いて、怒りたくなるのは解るけどね」
弥紅が宥める。
「こうなったら空を飛んでこの城の主に直接会いに行ってやるわよっ!」
そう言うと、ツクヨミは浮き上がって居館の方へ飛んでいってしまった。
「あ、待って!」
弥紅も羽根を出して追いかける。弥紅は城の庭園の上を飛んでいるとき、この城の庭園を見てしまい、自分が創った庭園がどれほど凄かったのかを知った。
門番にも、城の警備兵にも気づかれることなく居館の近くまで来ることができた2人は、窓を開けて中に侵入した。
廊下や、今開けた窓1つとっても弥紅が創った城の方が豪華だった。実際の城ってこういうものなんだ、と思いながら城の主を探す。
すると、数ある扉の中で1つ他の扉よりも凝った装飾がされている扉があった。
中に入ってみると、そこには、お姫様のような人がいた。
「だ、誰ですか?」
というお姫様の問いに対して
「貴女が城の主?」
と問いに問いで返すツクヨミ。
「私は、リア·ベスティア。国王の娘です」
「と、言うことは主じゃないね〜」
「国王サンは何処にいるの?」
「教える必要はないでしょう。それで?貴女達は誰ですか?」
「え?あぁ、私は弥紅。で、こっちがツクヨミ」
「アンタの父親に文句言いたいのよ。兵士の態度について、ね」
「ここの兵士が何かしたのですか?」
「貰った紹介状を偽物だと言いやがってね」
「見せていただいても?」
ツクヨミはリアに紹介状を渡す。受け取ったリアは封を開けて読み始める。
するとすぐにリアの顔が驚愕の色に染まる。
「こ、これを何処で貰ったのですか!?」
「何処って……古本屋の店主からだけど?」
それを聞くと
「だ、誰が来てください!」
私達を追い出す気かと2人は戦闘態勢をとる。
「申し訳ありません。まさか父からの紹介で来ていたとは思いませんでした。」
と、リアが謝る………え?
「え…?リアの父親……?あの店主が?」
「実は、私の父は今城を抜け出していまして……時々こういうことがあるのです」
驚く2人、そこに呼ばれた兵士が来る。
「姫様、お呼びでしょうか……!誰だ貴様ら!」
兵士は武器を、2人は魔法を放つ用意をする。
「この方たちは父上の紹介で来ています!武器をしまいなさい!」
リアが兵士を止める。それを聞いた兵士は
「そ、そうでしたか……申し訳ありませんでした…」
と、即座に謝る。
「お気になさらず」
「気にしてないわ」
2人はそう返す。が、ツクヨミは魔法を消していない。警戒は怠っていない、と言うことだ。
「それより父上の場所がわかりました。6番区の古本屋だそうです。すぐに向かってください!」
「はっ!」
兵士は急いで走ってゆく。
「さて、父上が帰ってくるまでの間、紅茶でもいかがですか?」
「頂くわ」
「あ、いいですね」
3人は国王が帰ってくるまでの間、親睦を深めた。




