特殊
え~と、話をまとめると、、、
『やりたい事があるのに、親が勝手に嫌いな相手との政略結婚を勧めてきた』
という事か。
うん、日本なら家出するレベルの話だね。
でもここは異世界。しかも王政。
ならばこういうのもアリなのかもしれない。
ただ今回の場合、お嬢さんは王から自由にする許可を得ている。
親とはいえ貴族だから、反論は出来ないだろう。
王に逆らう事になるしね。
「とてもイヤだという事は判りました。でもどうするんです?」
「家に帰る前に王城に行きます!」
「城に?」
「ええ。そこで父よりも先に陛下にやりたい事を話してしまいます。
そこで許可を得れば、父も何も出来ないですから」
「なるほど。しかし、それくらい親も考えてそうですけど」
「……確かにそうかもしれませんね。こうやって手紙を出すくらいですし」
王都への道中に人とか配備して、動向を監視してそう。
で、王都に入る前に確保しに来そうだな。
「…………お願いがあります」
「俺に? 何です?」
「私の手紙を持って、先に王都に行ってもらえませんか?」
「へ? 俺がですか?」
「ええ。そして王城へ行き、その手紙を陛下に渡していただきたいのです」
「え、えー?! ちょっとそれは……」
「お願いします! 咎められないように他に二通手紙を書きますから!
後、貴族の証であるこの税符もお持ちください」
「いやいや、それを持ってても怪しいですよ?
簡単に城になんか入れてもらえませんって!」
「大丈夫です! この任務に就いた時に、教育していただいた先生がいらっしゃります。
その方に手紙を渡していただければ、城までは案内していただけます」
確かに大勢でゾロゾロ移動してたら、簡単に親に見つかるだろう。
俺一人で先に行き、王と会えるように根回しをしといた方が良いのは理解出来る。
でもかなりの難関なミッションじゃないか?
しかも単独行動なんて無理だな。
…………あっ。 そうか。 この人は俺が狩人だと知ってるんだった。
だから単独でも可能だと思ってるんだ。
しかも学長のお気に入りだとも思われてそう。
そういう人なら絶対に可能だと思うだろうな。
……どうしよう、断る理由が無い。
黙って考えてたら、タヌキが話しだした。
「判りました。私も頑張ります」
「うぉい!」
「助けていただいた恩を返しますとも!」
「ありがとうございます!!」
勝手に承諾しやがった!
いや待てよ、タヌキが居れば可能かもしれない。
もうここは王都近辺。危険な獣も出にくい。
盗賊なんかも出ないだろう。
で、王都に近づいたらタヌキだけを先行させて、その先生とやらに接触してもらう。
後は外に迎えに来てもらえば、父親も邪魔が出来ないだろ。
既に承諾してしまったからには、受けるしかないんだからこの手で行こう。
失敗してもタヌキのせいに出来るし。
一番の懸念は、逆恨みしたやつらが襲ってくる事だけど。
盗賊とかは王都近辺では襲ってこないと思う。
王子関連が危険だろうな。
って事は早く行った方が良いか。
俺は商人と話しをして、その日の内に出発した。
何故その日の内かと言うと、王都に向かう馬車があったから。
日本で言う高速バスみたいな定期便だ。
今日を逃すと、次は二日後らしい。
こういう馬車には護衛も付いてるので、乗らない手は無い。
まぁ当然こういう馬車は見張られてるだろう。
なのでそのまま王都には入らずに、近くで降りてタヌキに先行させるけどな。
そうそう、もしやと思いステータスを確認したらやっぱりクリア数が増えてた。
入手したのは『特殊能力:スティール』!
特殊能力ってのはラノベでいうユニークスキルになるんじゃないかな?
その能力もまた凄い。『死体から能力を1つ盗る事が出来る』という優れ物!
ただ、死体ってのが……。
例えば店で売ってる肉も死体に入るのだろうか?
それとも死んだばかりの物限定?
もしかしてだけど、人間限定だったら最悪だよね。
今の所調べる方法が無いので、保留だな。
次話は14日の17時に投稿します。




