第2話「準備、そして再会」
新たな宇宙の創造という決断を固めたレンは、これまでの旅路で得た、全ての理解と経験を、静かに整理し始めていた。
「零崎殿、これほどの規模の“創造”を成し遂げるためには、これまでのどの挑戦よりも、深い準備が必要になるでしょう」
ヴェルミナが、慎重な口調で告げる。
「はい。宇宙管理AI、そして高次元の存在からの協力も、必要になると思います」
レンは、静かに、これまでの旅で出会った、全ての存在との対話を、頭の中で組み立て直していった。
そんな折、思いがけない再会が、レンを待っていた。
「レン、久しぶりだな」
辺境の星系から、獅堂グレンと共に姿を現したのは――かつて、レンが最初に強化した戦車を動かした、あの地下格納庫の技術者だった。
「あなたは……!」
「覚えていてくれたか。わしは、お前が最初の一歩を踏み出した、あの場所を管理していた者だ」
技術者は、静かに微笑んだ。
「お前が、ここまで大きな存在になるとは、当時は、想像もしていなかったよ」
「ありがとうございます。あの戦車があったからこそ、俺は、ここまで来ることができました」
こうした、かつての旅路を彩ってきた、多くの人々との再会が、レンの心に、新たな力を与えていった。
そして、大陸の各地からも、多くの仲間たちが、レンの元へと駆けつけてきた。
「ボンゾウさん、ゴンザさん!」
「兄ちゃん、ここまで来たんやなぁ。感慨深いもんやで」
関西弁の商人、ボンゾウが、しみじみと呟く。
「んだ、あんちゃんの理解する力、最初からたいしたもんだったっぺ」
東北弁のゴンザも、静かに頷いた。
「レン、これも持ってきたぞ」
シズカ、紅蓮、そして三代目・桂雲田、漫才師コンビのタケルとジロウも、それぞれの想いを胸に、レンの元へと集まってきていた。
「はんなりと見守らせてもらいますわ」
シズカが、優雅に微笑む。
「そなたの選択、竜族一同、見届けさせてもらうんし」
紅蓮も、静かに頷いた。
「えー、無理を承知でお付き合い願います……なんて、こんな大舞台に呼んでいただけるとは、光栄でございます」
桂雲田が、落語調の口上を披露し、場の空気を和ませる。
「なあジロウ、新しい宇宙創るんやて、スケール、でかすぎひんか」
「知らんがな! でも、レンはんならやってくれるやろ!」
タケルとジロウの掛け合いに、皆が思わず笑みをこぼした。
こうして、レンのこれまでの旅路を彩ってきた、全ての仲間たちが、一堂に会することとなった。
「皆さん……本当に、ありがとうございます」
レンは、深い感謝の念を胸に、静かに、最終的な準備を整えていった。
(第3話へ続く)




