第7話「宇宙という存在への理解」
「宇宙という存在そのものを、理解する……途方もない話ですね」
ヴェルミナが、これまでにない規模の課題を前に、静かに呟いた。
「はい。でも、これまでの積み重ねが、きっと道を示してくれるはずです」
レンは、これまでの旅路――錆びたナイフから始まり、戦車、戦闘機、宇宙船、物理法則、そして今、宇宙そのものへと至る、長い道のりを、静かに振り返っていた。
「レン、俺たちに、何か手伝えることはあるか」
ガイウスが、真剣な眼差しで問いかける。
「うん……皆の力が、必要だと思う」
レンは、これまで出会った、全ての仲間たちの顔を思い浮かべた。
「ガイウス、レティシア、ヴェルミナ、ドルシスさん、グレンさん……そして、ゼロ号。皆が、俺に色んなことを教えてくれた。今回の挑戦は、その全てを、一つに束ねる作業になると思う」
ドルシスが、静かに頷いた。
「わしの故郷が持っていた知識、全て、お前に託そう」
「あたしも、あんたの理解を、剣の腕で支えるわ」
レティシアが、力強く応じる。
「俺の剣も、必要な時は、いつでも使ってくれ」
グレンも、不敵な笑みを浮かべながら頷いた。
こうして、レンは、かけがえのない仲間たちの支えを受けながら、宇宙という存在そのものへの、最終的な理解に向けた研究を、開始することとなった。
「まず、この宇宙の“始まり”――宇宙管理AIから得た、創生の記録を、改めて読み解いていきます」
レンは、無から生まれた特異点、そこから展開されていった、時間と空間、そして物理法則――その全てのプロセスを、丹念に理解し直していった。
「この宇宙は、単なる“物”の集合体じゃない。無数の存在が、繋がり合い、関係し合いながら、一つの“物語”を紡いでいる――そんな風に、感じられるようになってきました」
レンの言葉に、ヴェルミナが、静かに頷いた。
「零崎殿の理解が、確かに、より深い次元へと進んでいるのが分かります」
数ヶ月にわたる、これまでで最も深い研究の末――レンは、ついに、宇宙という存在そのものへの、根源的な理解に、辿り着くこととなった。
「分かった……この宇宙は、決して“完成された”ものじゃない。今も、これからも、絶えず“成長し続ける”存在なんだ」
レンの言葉に、宇宙管理AIが、静かに応じた。
『……見事な理解だ、レン』
「ありがとうございます。……そろそろ、次の一歩に、進む準備ができたと思います」
『では、いよいよ、最終段階へと向かう時が来た』
宇宙管理AIの声には、これまでにない、深い期待が込められていた。
『貴殿の理解を、この宇宙そのものへと――そして、その先にある、高次元の領域へと、向けてもらいたい』
こうして、レンの物語は、いよいよ、シリーズ最大の局面――宇宙創造という、最終章へと突入していくこととなる。
(第8話へ続く)




